マイルチャンピオンシップ2025の過去のレース傾向・消しデータ集

どうも、競馬口コミダービー管理人の木口順一だ。
2025年11月23日日曜はG1・マイルチャンピオンシップ。
秋のマイル王を決める一戦、京都芝1600m外回りは、なんとなく速い馬を買うだけだと痛い目を見るコースだ。
前が飛ばして、中団〜差しがロングスパートで押し寄せるのがこの舞台の“お約束”。
今年は富士S組のガイアフォース、連覇を狙うソウルラッシュ、マイルG1を総なめしてきたジャンタルマンタル、海外帰りのアスコリピチェーノ、京都巧者オフトレイルあたりが視線を集めるだろう。
ただ、人気馬をそのまま並べれば当たるほど甘くないのもこのレース。
そこでこの記事ではマイルチャンピオンシップの過去10年のデータをまとめ、それぞれの消しデータ・消し条件までまとめてみた。
それぞれのデータがどう予想に使えるかまで書いてあるので、ぜひご自分の予想に役立てて欲しい。
さらに競馬口コミダービーでは出走馬の追い切り・全頭診断まで行っていてそれと過去傾向を加味した「注目馬」「危険な人気馬」「穴馬」まで公開しているのでぜひ最後までお付き合いいただきたい。

- 過去10年の
マイルチャンピオンシップの
レース傾向・データ
(人気別成績
前走レース別成績
前走着順別成績
脚質別成績
馬場ごとのデータ
配当傾向
性令別成績
関西関東の勝率
血統傾向
リピータースコア) - 過去傾向から抽出した
消しデータ・消し条件 - 過去傾向・データの
予想活用方法
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今回紹介しているマイルチャンピオンシップの過去傾向データまとめとは別にぜひ一度目を通してみてくれ。
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| 順位 名前 | 概要 | 成績 的中率 | 利益 平均利益 回収率 | 投資金額 平均投資 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | AI予想で | 7戦5勝2敗 的中率71.4% | +616,800円 981.1% | 70,000円 |
| 2位 | 中央・地方 | 8戦8勝0敗 | +530,600円 | 96,000円 |
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マイルチャンピオンシップの過去10年の傾向早見表!
細かく過去の傾向を紹介していくが、マイルチャンピオンシップのざっくりした傾向を掴むために先んじて過去10年の傾向を一言でまとめてみた。
「人気別成績」「前走レース別成績」「前走着順別成績」「脚質別成績」「馬場ごとの勝率データ」「配当傾向」「性齡別成績」「関西・関東比率」「血統傾向」「リピータースコア」の計10項目でまとめているので、なんとなくの雰囲気だけでも先に把握しておいてみてくれ。

傾向まとめ
-
人気別成績:
1〜2番人気はそれなりに走るが、
勝ち切りと期待値は3〜6番人気に大きく寄っているレースだ。 -
前走レース別成績:
前走G1・G2組がほとんどの好走馬を占めていて、
G3以下やオープン組は基本的に軽視してよいレースだ。 -
前走着順別成績:
前走1〜3着からの好走が圧倒的で、
4〜9着は相手まで、
10着以下からの巻き返しはほぼ起きていないレースだ。 -
脚質別成績:
差しが明確な主役で、
追い込みも一発はあるが安定せず、
逃げと先行は頭よりも2〜3着狙いになりやすいレースだ。 -
馬場ごとのデータ:
ほぼ良馬場での開催が続いていて、
速い時計に対応できる差し・先行が中心で、
道悪になっても結局は地力のある差し馬が物を言うレースだ。 -
配当傾向:
全体としては中荒れ寄りで、
ここ数年は「上位人気+中穴の組み合わせ」で3連単がしっかり跳ねることが多いレースだ。 -
性齡別データ:
4歳牡馬が明確な中心で、
5歳牡馬がその次、
6歳は一発、
7歳以上と牝馬はよほどの格がないと苦しいレースだ。 -
関西関東の勝率成績:
出走頭数は関西馬が多いが、
勝率ベースではトップ級の関東馬が勝ち切るケースも多く、
東西どちらも無視はできないレースだ。 -
血統傾向:
父サンデー系とキングカメハメハ系、
そこに欧州型の血を絡めた配合が中心で、
米国スピード血統は相手までという傾向が強いレースだ。 -
リピータースコア:
前年にこのレースで好走した馬の再度の好走率がかなり高く、
前年凡走からのリベンジはほとんど決まらないレースだ。
それではここからは各項目のデータについて解説していく。
それぞれの成績をどう予想に活用すれば精度が上がるのかもいっしょに説明していくので、ぜひ参考にしてみて欲しい。
もし細かいデータまで見る必要がない、もはや予想買い目を手軽に見たいだけという方にはAI予想買い目も公開中。
そちらの記事もぜひ確認してみてほしい。
過去傾向・消しデータが影響しそうな馬ランキング
これから過去データから有利な馬やそれぞれの数値の利用方法・消しデータを解説していくが、人によってはそういくつものデータを一気に教えられても活用できないという人もいるだろう。
そこで。
競馬口コミダービーではそれぞれのデータが今回のマイルチャンピオンシップでどう活用できるかを考え、傾向の重要度に合わせて点数を割り振ってみた。
その点数の合計点で今回出走する馬の点数ランキングを作成。
おのずと今回のマイルチャンピオンシップでデータ的に有利な馬と不利な馬が丸わかり、というわけだ。
各データのちょっとした説明と点数分け、そしてランキングはご覧の通り。

-
人気
人気別成績(想定人気を考慮) -
前走R
前走レース別成績
(臨戦過程のレース傾向) -
前走着
前走着順別成績
(直前の着順傾向) -
脚質
脚質別成績
(展開適性) - 枠順
枠順別成績
(枠順確定後の有利不利) -
馬場
馬場適性
(想定馬場への適性) -
配当
配当傾向
(想定人気に絡む期待値) -
性齢
性齢データ -
所属
関西・関東所属
(調教拠点の傾向) -
血統
血統傾向
(父系中心の分析) -
リピータ
リピータースコア
※右にスクロール可能
| 馬名 | 合計点数 | 人気別成績 | 前走レース別成績 | 前走着順別成績 | 脚質別成績 | 枠順成績 | 馬場ごとのデータ | 配当傾向 | 性齡別データ | 関西関東の勝率成績 | 血統傾向 | リピータースコア |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オフトレイル | 34 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ |
| ガイアフォース | 30 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ | △ |
| レーベンスティール | 30 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | △ |
| ワイドラトゥール | 25 | − | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | △ | ○ | △ |
| ラヴァンダ | 24 | − | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ○ | ◎ | ○ | △ | ◎ | △ |
| ソウルラッシュ | 23 | − | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | − | − | △ | ◎ | ◎ |
| ジャンタルマンタル | 22 | − | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | − | ◎ | △ | ○ | △ |
| エルトンバローズ | 20 | ○ | ◎ | △ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | △ | ◎ | ◎ |
| ウインマーベル | 20 | ○ | ◎ | △ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | △ | ○ | ○ | ○ |
| アスコリピチェーノ | 19 | △ | ◎ | − | ◎ | ◎ | ◎ | − | ○ | ○ | ◎ | △ |
| ドックランズ | 19 | ○ | ◎ | △ | ◎ | ○ | △ | △ | ○ | △ | ◎ | △ |
| ウォーターリヒト | 15 | − | ◎ | − | ◎ | ○ | ○ | △ | ◎ | △ | ○ | △ |
| チェルヴィニア | 15 | − | ◎ | − | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | △ |
| シャンパンカラー | 12 | ○ | ◎ | − | ○ | − | ○ | △ | ○ | ○ | ◎ | △ |
| マジックサンズ | 12 | − | ◎ | ✕ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | △ | △ | ◎ | △ |
| カンチェンジュンガ | 1 | − | ○ | − | − | − | ○ | − | ○ | △ | ◎ | △ |
| ロングラン | -1 | ✕ | ◎ | − | △ | ✕ | △ | ○ | ✕ | ○ | ◎ | △ |
| トウシンマカオ | -12 | − | ○ | ✕ | − | ✕ | ○ | − | △ | △ | − | △ |
1. 一番データの“形”がきれいなのはオフトレイル
オフトレイルは、前走スワンS勝ち(京都外回りの好ローテ)、前走1着、差し脚質、4歳牡馬、父欧州血統+日本マイルにフィットする配合、そして今回6枠11番という差し馬にとっての理想に近い枠という条件を全部揃えた結果、合計点数が単独トップになった。
過去の枠順データでも6枠は勝率・連対率とも上位で、京都外回りで「中団外」から動くにはかなり都合の良いポジションだ。
もちろん、実績面でソウルラッシュやジャンタルマンタルほどの“看板”はまだ無いが、過去傾向+枠順+脚質+年齢を全部足し合わせると、「今回もっとも“ハマりやすい型”をしているのはこの馬だろう」という評価になる。
2. ガイアフォースとレーベンスティールは、枠順でさらに押し上げ
ガイアフォースは元々、富士S勝ち、前走1着、差し〜好位の自在脚質、キタサンブラック産駒の持続型血統という時点でかなり高得点だったが、3枠6番という「内すぎず外すぎず、中団前目を取りやすい理想枠」が重なったことで、データスコアでも一気に上位に来た。
レーベンスティールも7枠14番で数字上は「勝ち無し枠」だが、毎日王冠勝ち、前走1着、5歳牡馬、差し脚質、D.レーン騎乗というファクターを考えると、「7枠だから大きくマイナス」というほどではない。
むしろ中団外から長く脚を使うにはちょうど良い位置で、過去の“7枠ゼロ勝”という数字を額面通りに嫌うのは危険だろう。
3. 枠順が強く追い風になった差し穴組
ワイドラトゥールとラヴァンダは、中団〜後方差し、4歳牝馬、父がサンデー系 or 欧州寄り、前走G2で好走(ワイドラトゥール2着、ラヴァンダ1着)という「差し穴にちょうどいい条件」に加えて、ワイドラトゥール:8枠18番、ラヴァンダ:5枠10番を引いたことで、一気に“展開ドハマり待ちの大穴”として魅力が増した。
ワイドラトゥールは最外からの大外ブン回し一択だが、マイルCSの8枠は勝ち星が多く、差し決着になった年に突っ込んでくるパターンは普通にある。
ラヴァンダも中枠外寄りからスムーズに外へ出せれば、距離短縮でも決め手が生きる形になりやすい。
4. ソウルラッシュとジャンタルマンタルは「データ上の減点を枠が補っている」
ソウルラッシュは7歳という年齢で性齢データ上のマイナスが大きいが、前走G2(富士S)3着、マイルCS【2着→1着】のリピーター、差し脚質、父ルーラーシップ(キンカメ系)といった強烈なプラスを持っているうえに、8枠17番という“差し馬にとって最高クラスの外枠”を引いたことで、合計点数でも上位に残った。
数字だけ見れば「高齢だから危険」と言いたくなるが、枠順とリピータースコアまで含めて考えると、簡単には切れない立ち位置だ。
ジャンタルマンタルは、人気過多による期待値のマイナス、父が米国スピード寄りで過去血統傾向とは少しズレ、という減点が入っているが、富士S2着・4歳牡馬・先行力と決め手のバランスの良さに加えて、7枠15番という「前を取りに行きやすく、外から被されにくい枠」を引いたことで、総合点は高くなった。
データ上は「強いけど妙味は薄い人気馬」寄りだが、枠と脚質を考えると、馬券から完全に外すのはさすがに危険だろう。
5. 枠順で明確に評価を下げた組
トウシンマカオとロングランは、枠順まで含めてかなり厳しい数字になった。
トウシンマカオは1枠1番で、マイルのハイペースを内から被されながら行かされる形になりやすく、前走10着以下+スプリント色の強い血統というマイナスも重なる。
過去の傾向から見て、頭どころか3着でも相当な展開の助けが必要なポジションだ。
ロングランは7歳セン馬というだけで性齢データ的にはほぼアウトに近く、7枠13番からの後方一手という脚質も枠順データと相性が良くない。
大穴として3列目に少しだけ残すかどうか、というレベルで、「データで考えた期待値」という意味ではかなり下の評価になる。
カンチェンジュンガも、4枠8番自体は悪くないが、前走スプリンターズS9着、先行脚質、マイルでの実績不足といった要素と組み合わせると、「枠順でプラスに転じた」とまでは言いづらい。
スプリント色の強い先行馬が内目で競り合う並びになればなるほど、マイルCSの差し優位傾向には逆らいづらいだろう。
枠順をどこまで信じて、どこから上書きするか
このスコア表はあくまで「過去10年の傾向+枠順+各種データで、どの馬が“型として”有利かをざっくり数値化したものだと割り切っておいた方がいい。
最終的な予想で優先すべき順番は、個人的には、今年のG1・G2でのパフォーマンス(相手・ラップ・内容)、直近の調教と当週の気配、枠順 × 脚質 × 想定ペース、そのうえでの過去傾向(年齢・血統・リピーター・前走着順)だと考えている。
今回の枠順込みスコアで言えば、

マイルCS
-
オフトレイル / ガイアフォース / レーベンスティール
→ 「型」としてのハマり方が一番きれいな組。 -
ソウルラッシュ / ジャンタルマンタル / アスコリピチェーノ
→ データ上の減点はあるが、能力と実績でそれを跳ね返してくる可能性が高い組。 -
ワイドラトゥール / ラヴァンダ / マジックサンズ / ウインマーベル
→ 枠順と脚質の噛み合わせ的に“展開ハマり待ちの穴”として拾っておきたい組。 -
トウシンマカオ / カンチェンジュンガ / ロングラン
→ 枠順と過去傾向まで含めると、よほどのことがない限り頭で買う理由は薄い組。
という大きな整理になる。
あとは、最終追い切りで誰が一段上げてきたか、当日の馬場が内有利か外伸びか、パドックでテンションがどうかを見て、このスコアをベースに印の順番を入れ替えていくイメージで使ってもらうのがちょうどいいと思う。
【人気別成績】
マイルチャンピオンシップの過去10年で、何番人気が上位入線しているのかをまとめてみた。
※右にスクロール可能
| 人気帯 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 平均 着順 | 最頻 着順 | 期待値スコア 〈単勝回収率〉 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 20.0% | 30.0% | 40.0% | 6.7 | 4着以下 | 33% |
| 2番人気 | 0.0% | 40.0% | 50.0% | 6.1 | 4着以下 | 0% |
| 3番人気 | 20.0% | 50.0% | 50.0% | 5.8 | 4着以下 | 123% |
| 4〜6番人気 | 20.0% | 20.0% | 33.3% | 7.3 | 4着以下 | 183% |
| 7〜9番人気 | 0.0% | 6.7% | 16.7% | 8.8 | 4着以下 | 0% |
| 10番人気以下 | 0.0% | 0.0% | 0.0%※ | 11.0※ | 4着以下 | 0% |
予想への活用方法と消しデータ

消しデータ
-
3番人気は勝率・連対率・複勝率全部がバランスよく高く、単勝回収率も120%超えで「数字的には一番おいしいゾーン」だ。
ジャンタルマンタル、ソウルラッシュ、アスコリピチェーノあたりが3番人気前後まで落ちてくるようなら、単勝の軸としてかなり積極的に評価していい。 -
4〜6番人気は勝率20%・単勝回収率180%超えで、明らかに穴〜中穴の「狙いどころ」になっているゾーンだ。
能力上位なのに人気がやや落ち着きそうなガイアフォース、レーベンスティール、オフトレイル、ドックランズあたりがこのレンジに入るようなら、単勝・馬連の妙味はかなり高いと見ていい。 -
1番人気は勝率20%・複勝率40%と「信頼度はそこそこ」だが、単勝回収率は33%とかなり低く、頭固定で突っ込むと期待値的には割に合わないゾーンだ。
ソウルラッシュやジャンタルマンタルが1番人気想定なら、馬券的には馬連・三連複での軸に留め、単勝一点で厚く行くよりは、相手を増やして取りこぼしリスクを吸収する使い方の方が合う。 -
2番人気は勝率0%・連対率40%・複勝率50%で、「2、3着には来るが勝ち切っていない」ゾーンになっている。
アスコリピチェーノやガイアフォース、レーベンスティールあたりが2番人気に収まりそうなら、頭固定よりも2・3着付け(三連単の2着軸)や馬連・三連複の相手軸として扱う方が、過去の傾向とは整合しやすい。 -
7〜9番人気は勝率0%・複勝率16.7%で、「たまに2〜3着に飛び込む相手穴」レベルのゾーンだ。
ウインマーベル、トウシンマカオ、ロングラン、ワイドラトゥールあたりがこの人気帯に入っているなら、本線の相手・三連系の3列目候補として拾う価値はあるが、ここから頭で勝負するのは期待値的にはかなり苦しい。 -
10番人気以下は過去10年の単勝回収率が事実上0%で、3着に1回来た程度という「ほぼ消しゾーン」だ。
タイムトゥヘヴン、ニホンピロキーフ、ランスオブカオス、マジックサンズ、ラヴァンダ、ワイドラトゥールあたりが前売りで10番人気以下に沈むようなら、基本は三連複の相手に1頭だけ忍ばせるか、思い切って完全消しに寄せていく判断がしやすい。 -
「人気で買う/消す」というより、「能力上位なのに4〜6番人気に落ちている馬」を拾うのがこのレースの人気傾向の一番おいしい使い方になる。
ソウルラッシュ・ジャンタルマンタル・アスコリピチェーノ・ガイアフォース・ドックランズあたりのうち、1〜3番人気からこぼれて4〜6番人気に回る馬がいないかを事前オッズでチェックしておくと、単勝・本線の軸選びに直結しやすい。 -
消し条件としては「能力的に足りないのに7〜9番人気でそれなりに売れているタイプ」と「10番人気以下の地味な追い込み馬」はかなり厳しい。
今回のメンバーなら、近走重賞実績が薄いタイムトゥヘヴン、ニホンピロキーフ、ランスオブカオスあたりが7〜9番人気で妙に売れているパターンは、人気のわりに勝ち切りの絵が浮かばないので、思い切って評価を落とす候補になってくる。 -
逆に、前走G2好走+ここで4〜6番人気に収まりそうな組(ガイアフォース=富士S勝ち、レーベンスティール=毎日王冠勝ち、オフトレイル=スワンS勝ちなど)は、過去10年の人気データ上も「配当の源泉」になりやすい属性だ。
三連単を買うなら、このゾーンの馬を1〜2頭は必ず1列目or2列目に入れておきたい。
【前走レース別成績】
過去10年のマイルチャンピオンシップに出走した馬を、前走の格(クラス)別に成績を集計してみた。
※右にスクロール可能
| 前走レース | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝利数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| G1 | 13.3% | 20.0% | 30.0% | 4 | 2 | 3 | 21 |
| G2 | 5.7% | 10.2% | 18.2% | 5 | 4 | 7 | 72 |
| G3 | 2.3% | 11.6% | 11.6% | 1 | 4 | 0 | 38 |
| OP・L | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | 0 | 8 |
| 3勝クラス 以下 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | 0 | 1 |
前走G1組(本番で最も信頼しやすいグループ)
アスコリピチェーノ(ジャック・ル・マロワ G1・仏)。
エコロヴァルツ(天皇賞・秋 G1)※実際は福島記念に回避予定の報道あり。
カンチェンジュンガ(スプリンターズS G1。
トウシンマカオ(スプリンターズS G1)。
ドックランズ(クイーンエリザベスII S G1・英)。
前走G2組(頭数・好走数ともにメイン母集団)
ウインマーベル(MBS賞スワンS G2)。
ウォーターリヒト(富士S G2)。
エルトンバローズ(毎日王冠 G2)。
オフトレイル(MBS賞スワンS G2)。
ガイアフォース(富士S G2)。
ジャンタルマンタル(富士S G2)。
シャンパンカラー(富士S G2)。
ソウルラッシュ(富士S G2)。
タイムトゥヘヴン(MBS賞スワンS G2)。
チェルヴィニア(毎日王冠 G2)。
マジックサンズ(富士S G2)。
ラヴァンダ(アイルランドトロフィー G2)。
ランスオブカオス(MBS賞スワンS G2)。
レーベンスティール(毎日王冠 G2)。
ロングラン(毎日王冠 G2)。
ワイドラトゥール(MBS賞スワンS G2)。
予想への活用方法と消しデータ

消去法まとめ
-
過去10年の勝ち馬10頭のうち 9頭が前走G1かG2 から来ている。
3着以内30頭でも、25頭がG1・G2組。まずは「前走G1・G2以外は基本的に軽視」というフィルターをかけるのが出発点になる。 -
前走G1組は、出走30頭で4勝・連対6頭・3着以内9頭 と率でも量でも優秀だ。
2025年の該当馬はアスコリピチェーノ、エコロヴァルツ、カンチェンジュンガ、トウシンマカオ、ドックランズ。
この5頭は、内容に不安があっても「クラスだけで切る」のは危険ゾーンだと意識しておいた方がいい。 -
その中でも、いわゆる「王道マイルG1ローテ」組は信頼度が高い。
アスコリピチェーノ(海外G1からの直行+春に日本マイルG1制覇)とドックランズ(ロイヤルアスコットG1勝ちからの参戦)は、前走G1×マイル適性の両方を満たすので、過去10年のクラスデータに素直に乗るなら本命候補に置きたくなるタイプだ。 -
カンチェンジュンガとトウシンマカオは 前走G1だがスプリントG1(スプリンターズS)からの延長組。
クラス的には◯なのに距離適性が微妙、という典型パターンで、過去にも同じような馬が2〜3着には来ても勝ち切れないケースが多い。
ここは「前走G1だから無条件で本命」というより、頭固定よりも相手・三連系の2〜3列目扱いにしておくのがクラスデータとの折り合いをつけやすい。 -
G2組は 勝ち馬10頭中5頭・3着以内16頭 を出していて、頭数も多いぶんこのレースの母集団になっている。
ガイアフォース、レーベンスティール、オフトレイル、ソウルラッシュ、ジャンタルマンタル、エルトンバローズあたりの「王道G2(富士S・毎日王冠・スワンS)」組は、前走内容まで踏まえて、軸候補・相手本線候補をここから何頭拾うか、という発想で組み立てたい。 -
特に 富士S組と毎日王冠組は、前走レース別の集計でも勝ち数・好走数ともにトップクラス なので、ガイアフォース・ジャンタルマンタル・ソウルラッシュ・シャンパンカラー・ウォーターリヒト・マジックサンズ、そしてレーベンスティール・エルトンバローズ・ロングランあたりは、「前走クラス+前走レース名」両方の観点から買い材料が揃っている。
-
ラヴァンダは新設G2のアイルランドトロフィー勝ちからの参戦で、「前走G2勝ち+牝馬」というやや珍しいパターンだが、クラス的には問題なし。
前走クラスだけならレーベンスティールらと同じラインなので、他のファクター(距離短縮・コース替わり・相手強化)をどう評価するかで買うか消すかを決めるイメージになる。 -
逆に 前走G3組は10年で1勝・複勝5頭止まり、オープン・リステッドと3勝クラスは延べ9頭出走して3着以内ゼロ というかなり厳しい数字になっている。
ニホンピロキーフの前走「まほろばS(L)」はまさにこの「オープン・リステッド」ゾーンで、クラスデータだけ見れば、馬券の軸どころか三連複の相手としてもかなりハードルが高い。 -
もし今後、出走馬の中に「前走G3」の馬が紛れ込んできた場合は、「頭ではほぼ買わないが、2〜3着なら残り得る」という扱いにするのがデータと合う。
今回の登録馬にはG3組はいないので、このクラスだけでの消し・拾いは発生しない。 -
まとめると、クラスを使った消し条件としては「前走がオープン・リステッド以下の馬は原則消し」、例外的に強い根拠があれば三連系の3列目で少しだけ押さえる程度、という扱いでいい。
2025年のリストで言えば、ニホンピロキーフがほぼこの条件に真っすぐ刺さる。 -
一方で「前走G1・G2からの直行」というだけでは、今年のメンバーはほぼ全馬が当てはまってしまうので、ここから先は【前走レース名】【前走着順】【脚質】【リピーター】みたいなほかのフィルターと掛け合わせて、ガイアフォース・ジャンタルマンタル・ソウルラッシュ・アスコリピチェーノ・レーベンスティール・オフトレイル・ドックランズあたりをどこまで厚く取るか、という作業になってくる。
【前走着順別成績】
過去10年の前走での着順別に振り分け、それぞれの勝率をまとめてみた。
※右にスクロール可能
| 前走 着順 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝利数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 | 勝率- 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1着 | 11.8% | 20.6% | 26.5% | 4 | 3 | 2 | 25 | -8.8ポイント |
| 2着 | 13.0% | 26.1% | 30.4% | 3 | 3 | 1 | 16 | -13.1ポイント |
| 3着 | 10.5% | 26.3% | 36.8% | 2 | 3 | 2 | 12 | -15.8ポイント |
| 4~9 着 | 1.6% | 3.3% | 11.5% | 1 | 1 | 5 | 54 | -1.7ポイント |
| 10着 以下 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | 0 | 35 | 0.0ポイント |
前走1着(最もストレートに買いやすいゾーン)
ガイアフォース(富士S 1着)。
レーベンスティール(毎日王冠 1着)。
オフトレイル(MBS賞スワンS 1着)。
ラヴァンダ(アイルランドトロフィー 1着)。
ロングラン(読売マイラーズC 1着だが、その後に毎日王冠8着を使っているので「前走」としては8着扱い)。
ランスオブカオス(チャーチルダウンズC 1着)。
※ロングランは「直近の前走」が毎日王冠8着なので、データ上は4〜9着グループに入る。
前走2着
ジャンタルマンタル(富士S 2着)。
ワイドラトゥール(MBS賞スワンS 2着)。
前走3着
ソウルラッシュ(富士S 3着)。
ニホンピロキーフ(まほろばS 3着)。
前走4〜9着
エルトンバローズ(毎日王冠 5着)。
チェルヴィニア(毎日王冠 7着)。
ウインマーベル(MBS賞スワンS 4着)。
カンチェンジュンガ(スプリンターズS 9着)。
シャンパンカラー(富士S 8着)。
ウォーターリヒト(富士S 9着)。
ロングラン(毎日王冠 8着)。
ドックランズ(クイーンエリザベス2世S 4着)。
アスコリピチェーノ(ジャック・ル・マロワ 6着)。
前走10着以下(データ上は壊滅ゾーン)
エコロヴァルツ(天皇賞・秋 11着)。
マジックサンズ(富士S 10着)。
トウシンマカオ(スプリンターズS 10着)。
タイムトゥヘヴン(2025年はG2戦で二桁着順クラスの大敗からの臨戦と見ていい。中山記念やスワンSでの凡走が直近)。
予想への活用方法と消しデータ

消しデータまとめ
- 過去10年で、3着以内に入った馬30頭のうち23頭が前走1〜3着に入っている。
逆に言えば、前走4〜9着からの好走は7頭だけ、前走10着以下からの巻き返しはゼロだ。
登録馬で言うと、ガイアフォース、レーベンスティール、オフトレイル、ラヴァンダ、ジャンタルマンタル、ソウルラッシュ、ワイドラトゥール、ニホンピロキーフ、ランスオブカオスあたりが、この「前走3着以内ゾーン」に入る。 -
勝率だけを見ると、前走2着馬の勝率13.0%が最も高く、連対率26.1%、複勝率30.4%とバランスがいい。
次いで前走1着11.8%、前走3着10.5%と続く。
前走2着組のジャンタルマンタルとワイドラトゥールは、「前走で惜敗して本番で一段ギアを上げる典型パターン」にハマるので、人気に関係なく軸候補としてかなり信頼していいグループだろう。 -
前走3着組は複勝率36.8%で全グループ中トップ。
勝ち切りよりも2・3着止まりのイメージが強いが、馬券的にはかなりおいしいゾーンになっている。
ソウルラッシュ(富士S 3着)とニホンピロキーフ(まほろばS 3着)は、「本命の頭」というよりは三連系の2列目・3列目で押さえを厚くしておきたいタイプだ。 -
前走1着組は勝率11.8%・連対率20.6%で、素直に勝ち馬が出やすいグループという位置づけだが、連対率との差(勝率-連対率が-8.8ポイント)を見ると、2着に取りこぼしているケースもそれなりにある。
ガイアフォース、レーベンスティール、オフトレイル、ラヴァンダ、ランスオブカオスは「頭候補」として最優先で検討しつつ、馬連・三連複では2着固定パターンも視野に入れておきたい。 -
前走4〜9着グループは、勝率1.6%・複勝率11.5%と一気に数字が落ちる。
10年で勝ち馬は1頭だけ、3着以内も7頭だけなので、このゾーンから本命の頭を選ぶなら、それなりの根拠が必要になる。アスコリピチェーノ(前走6着)、エルトンバローズ(5着)、チェルヴィニア(7着)、ウインマーベル(4着)、カンチェンジュンガ(9着)、シャンパンカラー(8着)、ウォーターリヒト(9着)、ロングラン(8着)、ドックランズ(4着)は、この「4〜9着ゾーン」にいるので、買うにしても基本は相手・ヒモ寄りにしておいた方がデータとは整合しやすい。 -
特にこの中でも、前走4〜5着組は「複勝率はそこそこ、勝率はかなり低い」という中途半端なゾーンになりやすい。
エルトンバローズ(毎日王冠5着)、ウインマーベル(スワンS4着)、ドックランズ(QE2S4着)、ロングラン(毎日王8着)あたりは、「相手としては拾いたいが、頭固定までは踏み込みにくい」グループだと割り切って、馬券種ごとに役割を分けて扱うのが良さそうだ。 -
前走10着以下組は、過去10年で【0-0-0-35】、複勝率0%という完全アウトの数字になっている。
ここに当てはまるエコロヴァルツ(天皇賞秋11着)、マジックサンズ(富士S10着)、トウシンマカオ(スプリンターズS10着)、タイムトゥヘヴン(スワンSやG2戦で二桁着順クラスの大敗から)については、「人気に関係なく頭ではほぼ買わない」くらいの強い消し条件にしてしまっていい。
どうしても気になるなら、三連複の3列目に1頭だけ薄く入れる程度が限界だろう。 -
逆に言えば、前走6〜9着でも「絶対に全消し」とは言い切れない。
4〜9着全体で見ると、勝ち馬1頭・3着以内7頭は出ているので、「かなり買いにくいが、ゼロではない」という扱いになる。
アスコリピチェーノは前走6着、ドックランズは4着、ロングランは8着という微妙なラインだが、これだけの実績馬がこのゾーンに入ってしまっているので、他ファクター(コース適性・血統・脚質)で強い追い風が吹いているなら、データを踏まえつつも完全消しにはしないくらいの柔らかさは残しておきたい。 -
全体として、前走1〜3着の中でも特に「2着・3着からの巻き返し」がマイルCSらしいパターンになっているので、ジャンタルマンタル(富士S2着)、ワイドラトゥール(スワンS2着)、ソウルラッシュ(富士S3着)、ニホンピロキーフ(まほろばS3着)といった「前走で惜敗した組」を、人気と相談しながら軸/対抗に据えるのが、今回の前走着順データの一番おいしい使い方だと思う。
【脚質別成績】
過去10年のマイルチャンピオンシップの脚質別に成績を振り分け、まとめてみた。
※右にスクロール可能
| 脚質 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝率- 複勝率 | 勝利数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 10.0% | 10.0% | 10.0% | 0.0pt | 1 | 0 | 0 | 9 |
| 先行 | 0.0% | 3.0% | 18.2% | -18.2pt | 0 | 1 | 5 | 27 |
| 差し | 7.6% | 19.0% | 22.8% | -15.2pt | 6 | 9 | 3 | 61 |
| 追込 | 6.0% | 6.0% | 10.0% | -4.0pt | 3 | 0 | 2 | 45 |
逃げ〜かなり前に行く可能性があるタイプ
エコロヴァルツ(逃げ・先行が多い)。
チェルヴィニア(たまに逃げ、基本は先行〜差し)。
カンチェンジュンガ(短距離では先行〜前々)。
トウシンマカオ(先行型だがスタート決まるとかなり前)。
ウインマーベル(先行押し切りもできる)。
→ レース全体の「前の隊列」を作る側。
先行〜好位タイプ(4コーナーで前〜中)
ジャンタルマンタル。
ガイアフォース。
エルトンバローズ。
レーベンスティール。
ウインマーベル。
トウシンマカオ。
エコロヴァルツ。
ニホンピロキーフ。
ラヴァンダ。
マジックサンズ(近走は中団〜好位)。
ランスオブカオス(好位〜差し)。
差し(中団待機からのロングスパート)
ソウルラッシュ。
アスコリピチェーノ。
ガイアフォース(差しに回ることも多い)。
チェルヴィニア。
シャンパンカラー。
ウォーターリヒト。
レーベンスティール(前々〜差し)。
オフトレイル(差し〜後方)。
ロングラン。
ワイドラトゥール。
ラヴァンダ。
マジックサンズ。
ドックランズ(欧州では中団差しタイプのレポートが多い)。
追込(後方待機〜直線一気寄り)
タイムトゥヘヴン。
オフトレイル。
マジックサンズ。
ロングラン。
ウォーターリヒト。
ワイドラトゥール。
予想への活用方法と消しデータ

消しデータ
-
まず大前提として、勝ち馬10頭中9頭が差し・追込 という事実は重い。
頭を取りに行くなら、基本線は差し〜追込タイプから選んだ方がいい。
ソウルラッシュ、アスコリピチェーノ、ガイアフォース(差し寄り)、ウォーターリヒト、オフトレイル、ロングラン、ワイドラトゥール、マジックサンズ、ドックランズあたりが、この「差し・追込ゾーン」の候補になる。 -
特に差し組は6勝・馬券内18頭で、数字的には完全に主役。
地力+末脚のバランスで見ると、ソウルラッシュ、アスコリピチェーノ、ガイアフォース、チェルヴィニア、シャンパンカラー、レーベンスティール、ウォーターリヒト、ロングラン、ワイドラトゥール、マジックサンズ、ドックランズの辺りが「差し軸」の本命候補になってくる。
人気と相談しながら、この中から2〜3頭を本命〜対抗に据えるイメージだろう。 -
追込も3勝していて、勝率だけ見れば差しとそこまで大きくは変わらない。
とはいえ複勝率は10%と低めなので、「ハマれば突き抜けるけど飛ぶ時はあっさり飛ぶ」極端な脚質になっている。タイムトゥヘヴン、オフトレイル、ロングラン、マジックサンズあたりのド後ろ組は、頭固定よりも三連系の1列目・2列目で点数を散らすような扱いの方が合う。 -
一方で、逃げは1勝・3着内1頭だけ。
しかもその1勝は2016年ミッキーアイルの斜行騒動ありの勝利なので、内容まで含めて考えると「数字以上に買いにくい」と見ておいた方がいい。
今回、展開次第でハナ候補になりそうなのはエコロヴァルツ、カンチェンジュンガ、チェルヴィニア、トウシンマカオあたりだが、この組は「逃げて勝ち切る」よりも、先行〜番手で我慢して差し寄りの形に持ち込めるかがポイントになる。 -
先行は 0勝・3着内6頭(0-1-5-27) で、「勝ち切れないけど2・3着にはそれなりに来る」典型的な相手候補ゾーンだ。
ジャンタルマンタル、エルトンバローズ、レーベンスティール、ウインマーベル、トウシンマカオ、エコロヴァルツ、ニホンピロキーフあたりはまさにここで、三連単なら2列目・3列目、馬連・三連複なら軸から広げる相手として扱うのがデータと一番噛み合う。 -
逃げ〜ガチ先行で馬券に絡んだ7頭のうち 5頭がG1馬 というデータも出ているので、「前で粘って残るなら相当な格が必要」というのもポイントになる。
今回の先行勢でG1タイトル持ちなのは、ジャンタルマンタル、シャンパンカラーあたり。前で運ぶなら、このあたりの“格”がある馬だけを強めに評価して、エコロヴァルツ、ニホンピロキーフ、ウインマーベル、トウシンマカオみたいな「格はあるけどマイルG1勝ちまではない先行勢」は、相手に下げ気味で使うのが安全だろう。 -
「脚質を使った消し条件」としては、“逃げ〜先行かつG1未勝利”で、本番も前に行くしかないタイプはかなりシビアに見ていい。
エコロヴァルツ、ニホンピロキーフ、トウシンマカオ、カンチェンジュンガあたりで前づけしかできない競馬になりそうな馬は、人気次第では思い切って頭からは消す候補になる。 -
逆に、差し→差し/先行→差しのスイッチができる馬はかなりおいしい。
ガイアフォース(先行も差しもできる)、レーベンスティール(前々〜差し)、エルトンバローズ(好位〜差し)、シャンパンカラー(先行も後ろも可)、マジックサンズ(近走は中団差し)、ランスオブカオス(好位〜差し)あたりは、ペースや枠順に応じて「差しポジション」にスイッチできると見ておきたい組だ。 -
追込勢の中でも、単に後ろから行くだけでなく、ある程度ポジションを取れる差し寄りの馬を評価したい。
ソウルラッシュ、アスコリピチェーノ、ウォーターリヒト、ロングラン、ワイドラトゥール、ラヴァンダあたりは、ド後方一気よりも中団〜やや後ろから長く脚を使うパターンが多いので、「差し馬優勢」というデータと一番噛み合う。 -
最後に、ドックランズは欧州だと 中団〜やや後ろから長く脚を使う持続型 が基本で、日本に来てもおそらく差し寄りになるはずだ。
過去10年の脚質データと京都外回りコース形態を素直に当てはめるなら、「差し・追込有利+海外G1勝ち+直線平坦+ロングスパート戦」という条件が全部揃うので、脚質面ではかなり買いやすい側にいると思っておいていい。
【枠順別成績】
過去10年のマイルチャンピオンシップでどの枠に入った馬がどれだけの結果を挙げているかを成績でまとめてみた。
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| 枠順 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝利数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 5.0% | 15.0% | 15.0% | 1 | 2 | 0 | 17 |
| 2枠 | 5.0% | 15.0% | 30.0% | 1 | 2 | 3 | 14 |
| 3枠 | 5.0% | 5.0% | 20.0% | 1 | 0 | 3 | 16 |
| 4枠 | 0.0% | 15.0% | 25.0% | 0 | 3 | 2 | 15 |
| 5枠 | 5.0% | 10.0% | 10.0% | 1 | 1 | 0 | 18 |
| 6枠 | 10.0% | 15.0% | 15.0% | 2 | 1 | 0 | 17 |
| 7枠 | 0.0% | 4.2% | 12.5% | 0 | 1 | 2 | 21 |
| 8枠 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 4 | 0 | 0 | 24 |
「8枠が勝ち切り最多」「内枠は複勝率はそこそこ」「4枠は勝ちゼロだが馬券率は悪くない」「7枠は数字ほどはおいしくない」みたいな分布になっている。
予想への活用方法と消しデータ

消しデータ
-
1枠は勝率5%・複勝率15%程度で、内で包まれやすいリスクが常につきまとうゾーンだ。
トウシンマカオはこの枠からある程度出していくしかなく、マイルでハイペースに巻き込まれやすいので頭ではほぼ消し寄り、よくて三連系の3列目までだろう。
シャンパンカラーも能力は足りるが、差しに回ったときに前が開かない負けパターンが見えやすく、軸よりは相手・押さえの扱いが無難だ。 -
2枠は複勝率30%と内枠の中では一番数字が良いので、ウォーターリヒトとマジックサンズには素直にプラスを取っていい。
どちらも中団で脚を溜めて直線で進路を探すタイプなので、無駄脚を使わずに立ち回れれば三連系の2・3列目としてかなりおいしい枠だろう。
ここを理由に完全に消す必要はなく、人気とのバランスでどこまで厚く買うかを決めるゾーンだ。 -
3枠は勝率5%・複勝率20%で、内過ぎず外過ぎずの理想的な位置。
アスコリピチェーノとガイアフォースがここに入った時点で、枠順データ的にはかなり押し上げて良い。
アスコリピチェーノは包まれすぎなければロスの少ない競馬ができるし、ガイアフォースは中団前目を取ってからロングスパートを打つ形が描きやすい。
過去の差し有利傾向と枠の数字を合わせると、どちらも「頭まで普通にあり」の側にいて、枠を理由に評価を落とす必要はまったくない。 -
4枠は勝ち馬ゼロだが連対率15%・複勝率25%で、「勝ち切れないが2〜3着には来る」枠だ。
チェルヴィニアはここから前受けしてロスなく運べる分、穴での2・3着要員としては悪くないが、単勝・1列目で厚く買うのはデータ的にやや攻め過ぎだろう。
カンチェンジュンガは距離延長に加えて前に行く脚質で、勝ち無しの4枠という条件が重なるので、頭ではかなり強めに消し寄り、来ても3着という前提で三連系の3列目までにとどめたい。 -
5枠は数字としては平均的だが、内外どちらにも動きやすい中立的な枠だ。
エルトンバローズは昨年好走馬という強みがあるが、今年は「勝ち切れない年」が続いていることもあって、ここからの頭固定はややリスク高め。
馬券的にはガイアフォースやレーベンスティールの相手として、2・3着で拾う意識がちょうどいい。ラヴァンダは中距離寄りの差し馬で、距離短縮で決め手が生きるならこの枠から一気に外へ出して伸びてくるイメージが持てるので、人気次第では穴の3列目要員として残しておきたい。 -
6枠は勝率10%・連対率15%と外目の中ではかなり好成績の枠で、オフトレイルとウインマーベルには素直にプラス評価を足していい。オフトレイルは中団外目差しの型にぴったりの位置で、京都専用機っぽさも含めて「枠も含めて狙い時」という感覚が強い。
ウインマーベルも前走同様に好位の外を取れそうで、昨年3着の再現を期待しやすい枠だ。
どちらも消し条件にはまる要素は薄く、むしろこの枠を理由に一段評価を上げてもいいくらいだろう。 -
7枠は勝率ゼロ・複勝率12.5%と数字だけ見るとやや見劣りするが、頭数も多く強い馬もよく入る枠なので、単純に「7枠だから消し」とは行かないゾーンだ。
ロングランはセ7歳かつ7枠という二重のマイナスで、よほど展開が向かない限り3列目候補までだと割り切っていい。
一方、レーベンスティールとジャンタルマンタルは能力レベルが違うので、枠を理由に評価を大きく落とすのは危険だろう。
どちらも中団〜好位の外を取りやすく、強い差し・先行が外から押し上げてくる形はこの枠からでも普通に描けるので、「7枠だから頭はない」と切ってしまうのは消しデータの使い方として行き過ぎになる。 -
8枠は勝率14.3%で、ここ10年で最も勝ち星を挙げている枠だ。差し・追い込みが強いマイルCSの性質を考えると、「外からノーストレスで動けるかどうか」はかなり重要で、ソウルラッシュが⑰、ワイドラトゥールが⑱に入ったのは明確なプラス要素だと言っていい。
ソウルラッシュは例年通り中団外からの差しに徹しやすく、リピーターの強みと枠の相性が合わさって、ますます簡単に消せない存在になった。
ワイドラトゥールは展開と仕掛けがハマらないと空振りも多いが、最外から大外一気というパターンを狙いやすいので、「枠を理由に完全消し」はむしろもったいないタイプだと思う。
ドックランズにとっては外々を回るロスも抱えやすいが、差しの外国馬としては悪くない配置でもあり、枠だけで消す必要はなく、能力と日本適性をどう見るかの問題に切り分けて考えるのが良さそうだ。 -
まとめると、消し寄りの枠×馬で強めに見ていいのは
トウシンマカオ(1枠の逃げ先行)、
カンチェンジュンガ(勝ち無し4枠+距離延長の先行)、
ロングラン(7枠+高齢+後方一手)あたりで、
ここは「頭ではかなり買いにくい」として扱っていいと思う。
一方で、ガイアフォース(3枠)、
アスコリピチェーノ(3枠)、
オフトレイル(6枠)、
ウインマーベル(6枠)、
レーベンスティール(7枠)、
ジャンタルマンタル(7枠)、
ソウルラッシュ(8枠)、
ワイドラトゥール(8枠)あたりは、
枠順データを根拠にむしろ一段評価を上げる側にいて、「枠だけを理由に削るべきではない組」として扱うのがちょうど良いと思う。
【馬場ごとのデータ】
過去10年のマイルチャンピオンシップでの馬場状態ごとに結果がどうなったかをまとめてみた。
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| 馬場 状態 | 先行馬の 複勝率 | 差し馬の 複勝率 | 1~3番人気の 勝率 | 4番人気以下の | 平均走破 タイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 良 | 約16% | 約18% | 約44% | 約56% | 約1分32秒6(1:32.6前後) |
| 稍重 | データ1回のみで参考外 | データ1回のみで参考外 | 0% | 100% | 約1分33秒8(2017年1:33.8) |
| 重 | 10年で施行なし | 10年で施行なし | ー | ー | ー |
| 不良 | 10年で施行なし | 10年で施行なし | ー | ー | ー |
予想活用方法と消しデータ

-
良馬場前提なら、基本的に「差し優位だけど、先行もそこそこ残るレース」だと割り切った方がいい。
10年トータルで見ると、先行グループの複勝率が約16%、差しグループが約18%くらいで、勝ち馬だけを見ると差し側(中団〜後方)が圧倒的に多い。
それでもウインマーベルやエルトンバローズみたいな先行〜好位勢が毎年のように2〜3着には割り込んでくるので、「頭は差し中心/相手に先行」の形が一番ハマりやすい。 -
良馬場だと、1〜3番人気の勝率が約44%、4番人気以下が約56%。
トップ人気が勝ちまくるレースではなく、「上位人気が勝つ年」と「4〜6番人気くらいの中穴が勝つ年」が半々くらいだ。
ソウルラッシュ、ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノ、ガイアフォースあたりの“表向きの主役組”が1〜3番人気に収まるなら、ここから1頭を頭に固定しても良いが、ガイアフォースやレーベンスティール、オフトレイル、ウインマーベルあたりが4〜6番人気まで落ちるなら、この中穴ゾーンを単勝・1列目として厚く拾った方がデータ的な期待値は高い。 -
良馬場の平均勝ち時計は1分32秒台半ば〜後半くらいで、近年はグランアレグリアやソウルラッシュの1分32秒0ラインまで出ている。
高速決着耐性という意味では、アスコリピチェーノ(良:6-2-0-0/稍重:0-0-0-2)、ガイアフォース(良:3-3-0-7)、ソウルラッシュ(良:5-4-4-8)、ウインマーベル(良:5-5-3-7)、トウシンマカオ(良:6-2-2-9)、オフトレイル(良:4-4-2-5)あたりは「良馬場で時計が速くなってもパフォーマンスが落ちにくい側」にいるので、基本は良馬場前提の本線候補に置きやすい。 -
稍重は過去10年で2017年の1回だけで、勝ち時計は1:33.8。
上位3頭はいずれも中団〜後方からの差し・追い込みで、先行馬はレーヌミノルの4着が最高。
つまり「馬場が渋ったから前残り」というより、「タフな馬場でも結局は差しが決め手を発揮した」年だった。サンプル1回だけで複勝率を計算しても誤差が大きいので表では数値を出していないが、「稍重だから前総崩れが止まる」というほど単純ではないと頭に入れておいた方がいい。 -
道悪適性という意味では、ソウルラッシュがかなり強い側にいる。
芝・良で3着内率約62%、芝・稍重では3-0-1-0とオール馬券内(4戦4回3着内)で、マイラーズCや安田記念の稍重でも崩れていない。
多少時計がかかる馬場になった時に、人気でも評価を下げにくいのはこの馬だろう。 -
ガイアフォースも芝・良で3-3-0-7、芝・稍重で1-0-0-1という成績で、完全な高速馬場専用というより「ある程度時計がかかっても対応できる」タイプ。
中山2200mの稍重・セントライト記念勝ちもあって、力の要る芝でもパフォーマンス落ちが小さい。
雨が降って1分33秒台前半くらいの決着になっても、ガイアフォースの評価を下げる理由にはならない。 -
逆にアスコリピチェーノは芝・良が6-2-0-0、芝・稍重は0-0-0-2と極端。ヴィクトリアマイル含め、軽い良馬場でパーフェクトに近い内容を出している一方で、稍重では2戦とも馬券外に飛んでいる。
馬場が渋って時計がかかる方向に振れたら、「能力は最上位だが馬場適性で割り引き」という立ち位置になりやすい。 -
ウインマーベルは芝・良で5-5-3-7とかなり安定しつつ、芝・重で2勝、稍重でも3着1回と「パンパン良馬場専用ではなく、ある程度タフな馬場もこなせるスプリンター寄りマイラー」だ。
道悪自体は苦手ではないが、重以上まで行くとレース全体のペースが落ちやすく、一瞬のキレ勝負になりにくい分だけマイルの差し決着に巻き込まれるリスクも出てくる。
馬場悪化で一気に本命に格上げというより、「良〜稍重ならプラス、重まで行けばやや割り引き」くらいの感覚で見た方がバランスが良い。 -
トウシンマカオは芝・良で6-2-2-9、稍重で2-0-0-1、重で0-0-1-1、不良で0-0-0-1と、基本的には高速〜やや時計がかかる芝を両方こなせるタイプだが、重・不良まで行くとパフォーマンスは落ち気味になっている。
マイルCSが重以上まで悪化した場合、この馬を「道悪巧者だから」という理由だけで本命に格上げするのは危険で、あくまで良〜稍重想定での相手候補として扱う方が安全だろう。 -
ワイドラトゥールは芝・良で4-1-0-6、稍重は0-0-0-1。
高速決着の愛知杯や良馬場のスワンSで結果を出していることからも分かるように、基本は良馬場の差し馬だと考えた方がいい。
雨で馬場が渋ると切れで見劣りする可能性が高く、稍重〜重になった時は「差し穴」としての魅力が少し薄れる。 -
オフトレイルは芝・良で4-4-2-5と、良馬場専用の成績だけが並ぶタイプで、稍重以上の実戦データがほぼ無い。
血統的には力の要る馬場もこなせそうだが、実績ベースで言うなら「良馬場前提の本線候補」で、重馬場に振れたら様子見寄りに回したくなる。 -
ソウルラッシュ、ガイアフォース、ウインマーベル、トウシンマカオあたりは、良馬場でもタフ寄りでもある程度パフォーマンスを維持してくる“馬場融通組”なので、馬場が読みにくい週でも軸・相手として使いやすい。
一方で、アスコリピチェーノ、ワイドラトゥール、オフトレイルあたりは「軽い良馬場でこそ本領発揮」の側面が強いので、前日〜当日の雨予報が濃くなってきたら、印の濃さを一段階落とす候補になってくる。 -
重・不良を想定するなら、そもそも過去10年に例がないので、マイルCS固有のデータよりも「京都芝1600m外回りの道悪傾向」と各馬の馬場別成績を優先して考えた方がいい。
ここまでの馬場別成績を見る限りでは、ソウルラッシュ、トウシンマカオ、ウインマーベルあたりが雨馬場側のプラス材料が多く、アスコリピチェーノ、ドックランズは「稍重までは許容だが、本格的な重・不良ならマイナス」寄りと見ておいた方が無難だろう。 -
馬場データを使った消し条件としては、「アスコリピチェーノのように良馬場で完璧な成績+稍重で明確に崩れているタイプが、当日道悪になった時」は、能力は認めつつも単勝や頭固定で突っ込むのはかなりリスキーになる。
逆に「ソウルラッシュのように稍重で3-0-1-0みたいな“道悪実績+マイルG1好走歴”が揃っている馬」が人気を少し落とした状態で道悪になったら、データ的には思い切って評価を上げにいっていいパターンだと思う。
【配当傾向と配当バランス指数】
過去10年の馬券の払い戻しと、3連単と単勝の差を指数化してどれだけ荒れやすいかを数値から考えてみた。
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| 年度 | 3連単 | 3連複 | 馬単 | 馬連 | 単勝 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 128,450円 | 29,110円 | 5,660円 | 3,000円 | 530円 |
| 2023 | 176,490円 | 30,930円 | 10,490円 | 4,440円 | 1,730円 |
| 2022 | 142,650円 | 20,530円 | 19,920円 | 11,870円 | 920円 |
| 2021 | 5,460円 | 1,960円 | 540円 | 370円 | 170円 |
| 2020 | 4,480円 | 1,610円 | 790円 | 620円 | 160円 |
| 2019 | 16,580円 | 3,200円 | 2,040円 | 840円 | 640円 |
| 2018 | 29,790円 | 5,480円 | 6,350円 | 3,220円 | 870円 |
| 2017 | 55,890円 | 9,300円 | 5,520円 | 2,480円 | 880円 |
| 2016 | 40,290円 | 8,360円 | 3,390円 | 1,590円 | 590円 |
| 2015 | 12,000円 | 2,000円 | 3,400円 | 1,780円 | 570円 |
| 年度 | 配当バランス指数 ((3連単÷単勝配当)×100) |
|---|---|
| 2024 | 約24,236 |
| 2023 | 約10,202 |
| 2022 | 約15,505 |
| 2021 | 約3,212 |
| 2020 | 約2,800 |
| 2019 | 約2,591 |
| 2018 | 約3,424 |
| 2017 | 約6,351 |
| 2016 | 約6,829 |
| 2015 | 約2,105 |
ざっくり分類すると指数 ~4,000前後 → 「かなり堅い~中庸」ゾーン(2015, 2018, 2019, 2020, 2021)。
指数 4,000~8,000 → 「そこそこ荒れた」ゾーン(2016, 2017)。
指数 10,000超 → 「明確に大荒れ」ゾーン(2022, 2023, 2024)というイメージだろう。
予想への活用方法と消しデータ

消しデータ
-
2020・2021年は3連単が5,000円前後で配当バランス指数も3,000弱とかなり低く、「1番人気グランアレグリア+上位人気で素直に決まった2年」だ。
このパターンになるのは、今年ならソウルラッシュ・ジャンタルマンタル・アスコリピチェーノのうち2頭以上がそのまま1〜3着を占めて、3頭とも6番人気以内で決着するようなケースだろう。
こういう年を想定するなら、マジックサンズ、ラヴァンダ、ワイドラトゥール、ニホンピロキーフ、タイムトゥヘヴンあたりの「人気薄勢」を3連単の1列目・2列目からバッサリ切る代わりに、上位人気を厚く買い込んだ方が数字には合う。 -
逆に2022〜2024年は3年連続で3連単が10万超、配当バランス指数も1万オーバーになっていて、「頭はそこそこ人気でも、相手に中穴〜人気薄が必ず絡む大荒れ寄り」の配当パターンだ。
具体的には、2022年はセリフォス(6番人気)+ダノンザキッド(9番人気)+ソダシ(2番人気)、2023年はナミュール(5番人気)+ソウルラッシュ(3番人気)+ジャスティンカフェ(7番人気)、2024年はソウルラッシュ(4番人気)+エルトンバローズ(7番人気)+ウインマーベル(10番人気)という組み合わせになっている。 -
この「大荒れ型」を今年狙うなら、ソウルラッシュ・ジャンタルマンタル・アスコリピチェーノ・ガイアフォース・レーベンスティール・オフトレイル・ドックランズみたいな上位評価馬を1頭だけ頭に据えて、相手にはウインマーベル、ロングラン、ワイドラトゥール、シャンパンカラー、マジックサンズ、ラヴァンダ、ランスオブカオスあたりの中穴〜人気薄差しを必ず1〜2頭混ぜる買い方が、配当バランス指数の流れとは噛み合いやすい。
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過去10年の平均3連単は約6万円だが、2021年までの平均は約2万3千円台、それが2022〜2024の3年だけで平均約15万円まで跳ねている。
つまり最近3年は「頭の固さの割に組み合わせで一気に配当が膨らむ」レースになってきているということになる。
今年も似た流れを想定するなら、ソウルラッシュやジャンタルマンタルが連軸になっても、3連単を1〜3番人気だけの三角形で完結させるのはかなりもったいない。むしろ1頭は7〜10番人気くらいのウインマーベル、ロングラン、ワイドラトゥール、マジックサンズ、シャンパンカラーあたりを強制的に混ぜておいた方が、配当バランス的には現代のマイルCSっぽい狙い方になる。 -
一方で、指数2,000〜3,000台の年(2015, 2018, 2019, 2020, 2021)の共通点は「単勝がそこまで跳ねていない馬が勝ち、かつ2〜3着も4〜6番人気あたりでまとまっている」ことだ。
これに当てはめると、ソウルラッシュやジャンタルマンタルが2〜3倍台の1〜2番人気、アスコリピチェーノが4〜5倍の3番人気くらいに収まり、エルトンバローズやガイアフォース、レーベンスティールが4〜6番人気で絡むような決着だと、3連単は2万〜5万円くらいで落ち着きやすい。
このシナリオを想定するなら、ニホンピロキーフ、タイムトゥヘヴン、エコロヴァルツ、カンチェンジュンガ、トウシンマカオあたりの「前走内容も人気も足りていない馬」を3連単の1列目・2列目からはほぼ消す方向で良いだろう(来るとしても3列目の事故扱い)。 -
配当バランス指数を「どこまで荒れを許容するか」の物差しにするなら、例えば指数4,000未満狙いなら「3連単は上位人気3〜4頭+中穴1頭まで」と決め打ちして、ランスオブカオス、ニホンピロキーフ、タイムトゥヘヴン、ラヴァンダみたいな二桁人気候補を1〜2列目から完全に外す。
その代わり、ジャンタルマンタル・ソウルラッシュ・アスコリピチェーノ・ガイアフォース・レーベンスティール・オフトレイルあたりをほぼ総流し気味に組んで、点数を増やしてもいいから的中率を優先するイメージになる。 -
逆に指数1万オーバー(10万馬券級)を狙うなら、「頭は4〜6番人気くらいの馬+相手に中穴2頭」という形が必要になる。
候補としては、ガイアフォース、レーベンスティール、オフトレイル、ウインマーベル、ロングランあたりが頭候補になりやすく、相手にアスコリピチェーノやソウルラッシュのような能力上位人気馬+ワイドラトゥールやマジックサンズ、ラヴァンダといった差し穴をセットで入れる形だろう。
こういう組み合わせをまったく買わずに、1〜3番人気の三角形とその裏表だけで終わらせてしまうと、指数1万超えの配当はデータ的にほぼ拾えない。 -
配当ベースの「消しデータ」として一番わかりやすいのは、「指数2,000〜3,000台の超堅い年に、人気薄の2頭以上を同時に1〜2列目に置いてしまうパターン」だ。
2020年・2021年タイプの年に、タイムトゥヘヴン+ニホンピロキーフ+ランスオブカオスみたいな組み合わせを3連単の上の列で厚く持っていたら、それはほぼ全部死に券になる。今年のメンツなら、前走二桁着順でここも人気が無いエコロヴァルツ、マジックサンズ、トウシンマカオ、タイムトゥヘヴン、ニホンピロキーフあたりを、堅めに決まると読んだ時点では素直に3連単1列目から消してしまう決断が必要になる。 -
逆に「人気薄を全部切り」も危ない。
指数1万超えの2022〜2024はどれも7番人気以下が1〜2頭絡んでいるし、2024年はウインマーベル(10番人気)が3着に突っ込んできて一気に3連単を跳ね上げている。2025年の登録馬でこの役割を担いそうなのは、ウインマーベル、ロングラン、ワイドラトゥール、シャンパンカラー、マジックサンズ、ラヴァンダ、ランスオブカオスあたりだろう。
特に京都マイル適性と差し脚がハマりそうなワイドラトゥール、ロングラン、マジックサンズあたりは、「どれか1頭は常に3列目に入れておく」くらいの扱いをしておくと、指数高めの年に一気にリターンを拾いやすい。 -
まとめると、
・ソウルラッシュ・ジャンタルマンタル・アスコリピチェーノ・ガイアフォース・レーベンスティール・オフトレイル・ドックランズあたりを「配当バランス指数を決める軸候補」
・ウインマーベル・ロングラン・ワイドラトゥール・マジックサンズ・ラヴァンダ・シャンパンカラー・ランスオブカオスあたりを「指数を跳ねさせる中穴〜人気薄トリガー」
・タイムトゥヘヴン・ニホンピロキーフ・エコロヴァルツ・カンチェンジュンガ・トウシンマカオあたりを「堅い年ならほぼ消し対象、大荒れ前提のときだけ3列目に少し混ぜる程度」という役割で切り分けておくと、配当テーブルと配当バランス指数の両方を、今年の登録馬にそのままつなげやすくなると思う。
【性齢別成績】
過去10年のマイルチャンピオンシップの性別・年齢別の成績をまとめてみた。
※右にスクロール可能
| 性別 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝利数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 牡馬 | 6.0% | 12.8% | 18.8% | 9 | 10 | 9 | 121 |
| 牝馬 | 3.8% | 3.8% | 7.7% | 1 | 0 | 1 | 24 |
| 騙馬 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | 0 | 不明(出走は少数・馬券内ゼロ) |
| 年齢 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝利数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4歳 | 9.1% | 22.7% | 29.5% | 4 | 6 | 3 | 31 |
| 5歳 | 3.1% | 7.7% | 16.9% | 2 | 3 | 6 | 54 |
| 6歳 | 8.3% | 12.5% | 12.5% | 2 | 1 | 0 | 21 |
| 7歳 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | 0 | 10 |
| 8歳 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | 0 | 4 |
予想への活用方法と消しデータ

消しデータ
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まず大枠として、「牡・セン+4〜5歳」がマイルCSのド真ん中ゾーンだ。このレンジだけで過去10年の勝ち馬10頭中ほとんどを占めている。今回の登録で言うと、ジャンタルマンタル(牡4)、ガイアフォース(牡6だが4〜5歳ピーク型の延長)、エルトンバローズ(牡5)、レーベンスティール(牡5)、オフトレイル(牡4)、ドックランズ(牡5)、ウインマーベル(牡6)、ロングラン(セ7だが実質牡・セン側)あたりが「性別的には王道グループ」にいる。
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年齢で見ると、4歳が【4-6-3-31/44】で勝率9.1%・連対率22.7%・複勝率29.5%と明らかに頭一つ抜けている。4歳勢はアスコリピチェーノ(牝4)、ジャンタルマンタル(牡4)、ウォーターリヒト(牡4)、エコロヴァルツ(牡4)、オフトレイル(牡4)、チェルヴィニア(牝4)、ラヴァンダ(牝4)、ワイドラトゥール(牝4)。この中から「能力的にも上位」「牡・セン or 牝でも例外レベル」の馬を本線で厚く取るのが、性齢データの一番素直な使い方になる。
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5歳は【2-3-6-54/65】で勝率3.1%・複勝率16.9%。4歳よりは落ちるが、勝ち馬2頭・3着以内11頭と数はそれなりに出ているので「準主役」くらいの立ち位置だ。エルトンバローズ、シャンパンカラー、ニホンピロキーフ、レーベンスティール、ドックランズがここに入る。4歳ほどの信頼はないが、能力上位の5歳牡馬(レーベンスティール、ドックランズ)は普通に頭候補に入れていい。
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6歳は【2-1-0-21/24】で勝率8.3%・連対率12.5%。頭数は多くないが勝ち星はそこそこあるので、「少数精鋭で一発ある世代」という感じだ。ウインマーベル、ガイアフォース、トウシンマカオがここにあたる。性別的にはどれも牡馬で、4〜5歳ピークを過ぎつつも能力で押し切るパターン。人気とデータの折り合いで言えば「本命よりも対抗〜単穴」の扱いがちょうどいい。
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7歳以上は【0-0-0-14】で3着内ゼロ。ここにソウルラッシュ(牡7)、タイムトゥヘヴン(牡7)、ロングラン(セ7)が丸ごと入ってくる。ソウルラッシュは前年の勝ち馬という例外的存在だが、データだけ見れば「7歳以上は馬券圏内の前例なし」でかなり強いマイナス要素だ。ロングランもセ7で昨年マイラーズC勝ちがあるとはいえ、性齢データ的にはかなり厳しい側にいる。
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性別で見ると、牡・セン馬が【9-10-9-121/149】で複勝率18.8%、牝馬は【1-0-1-24/26】で複勝率7.7%。単純比較で、牡・センの方が「およそ2.5倍」くらい馬券になっているイメージだ。今回の牝馬はアスコリピチェーノ、チェルヴィニア、ラヴァンダ、ワイドラトゥールの4頭。この4頭のうち、過去に牡馬混合マイルG1を勝っているのはアスコリピチェーノだけで、性別データの“例外条件”にも合う。一方、チェルヴィニア、ラヴァンダ、ワイドラトゥールは能力やローテを加味しても「牝というだけで本命に据えるタイプではない」と割り切っていい。
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「牝馬は基本割引、ただし牡馬混合マイルG1勝ちのある超一流牝馬は例外」というのがデータの読み方になる。アスコリピチェーノはヴィクトリアマイル勝ち・阪神JF勝ちの実績があるので、牝馬の中では完全に別格。性別だけで消すのはむしろ危ない側で、「牡馬中心」の原則を崩さない範囲で普通に本命候補に入れておくべきだろう。
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騙馬はここ10年(京都10回分)で3着以内ゼロ。今回の騙馬はロングラン(セ7)の1頭だけで、性別・年齢どちらのデータでもかなり逆風を受けている。「京都マイルの重賞勝ち+マイラーズC勝ち」という武器はあるが、性齢データだけで見れば“来たらごめん”ポジションに近い。三連系で押さえるのであれば3列目まで、1・2列目に厚く入れるのはリスク寄りだ。
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今の登録馬を性別×年齢でざっくり分類すると、データ的に「主役ゾーン」に最もハマるのは
4歳牡馬:ジャンタルマンタル、ウォーターリヒト、エコロヴァルツ、オフトレイル
5歳牡馬:エルトンバローズ、シャンパンカラー、ニホンピロキーフ、レーベンスティール、ドックランズ
このあたりになる。ここにアスコリピチェーノ(牝4・G1級例外枠)をどう差し込むかが、性齢軸で見たときの大きいテーマだろう。 -
「消し寄り」の性齢条件としては、①7歳以上、②牝馬で牡馬混合マイルG1級の実績がない、の2つはかなり強く意識していい。今回なら、タイムトゥヘヴン(牡7)、ロングラン(セ7)はデータだけ見ればほぼ消し候補寄り。牝馬側では、ラヴァンダ、ワイドラトゥール、チェルヴィニアは他のファクター(前走内容・コース適性・血統など)でよほど強く推せない限り、「本命〜対抗ではなく、人気と相談しながら薄く押さえる側」に置いておく方が性齢データとは噛み合う。
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逆に「性齢データを根拠に一段評価を上げたい」のは、4歳牡馬の中でもすでにG1〜G2で互角以上にやれている組。ジャンタルマンタル(安田記念勝ち・NHKマイルC勝ち)、オフトレイル(京都外回り巧者+スワンS勝ち)、ウォーターリヒト(東京新聞杯勝ち)、エコロヴァルツ(中距離G1で善戦)の4頭は、性別・年齢・実績のバランスがよく、ここから本命〜対抗を2〜3頭ピックアップして、残りの上位人気(ソウルラッシュ、アスコリピチェーノ、ガイアフォース、レーベンスティール、ドックランズあたり)をどう組み合わせるか、という組み立て方がしやすいはずだ。
【所属別成績と成績比率】
過去10年のマイルチャンピオンシップにおける、関東馬(美浦所属)と関西馬(栗東所属)の成績をまとめて、どちらが優勢かに関してもわかるようにしてみた。
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| 所属 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝利数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 関西馬 | 4.7% | 10.9% | 17.2% | 6 | 8 | 8 | 106 |
| 関東馬 | 9.1% | 13.6% | 18.2% | 4 | 2 | 2 | 36 |
| 指標 | 比率 (関西馬 ÷ 関東馬) | 関西馬 | 関東馬 |
|---|---|---|---|
| 勝率 | 約0.52 | 4.7% | 9.1% |
| 連対率 | 約0.80 | 10.9% | 13.6% |
| 複勝率 | 約0.95 | 17.2% | 18.2% |
関東馬(美浦)
アスコリピチェーノ、ウインマーベル、シャンパンカラー、タイムトゥヘヴン、チェルヴィニア、トウシンマカオ、レーベンスティール、ロングラン
関西馬(栗東)
ウォーターリヒト、エコロヴァルツ、エルトンバローズ、オフトレイル、カンチェンジュンガ、ガイアフォース、ジャンタルマンタル、ソウルラッシュ、ニホンピロキーフ、マジックサンズ、ランスオブカオス、ラヴァンダ、ワイドラトゥール
外国(英国)
ドックランズ(英国・ユースタス厩舎)
予想への活用方法と消しデータ

消しデータまとめ
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所属別の数字だけ見れば、「勝ち切りなら関東馬」「全体の安定感は両方ほぼ互角」というレースだ。
関東馬の勝率9.1%は関西馬のほぼ2倍だが、連対率・複勝率はほぼ同じなので、「関東だから軸としてめちゃくちゃ信頼できる」というほどでもない。
頭を取りに行く時に“関東の格上”をどこまで優先するか、という使い方になる。 -
過去に勝っている関東馬を見ると、モーリス、ステルヴィオ、グランアレグリアなど「そもそも世代トップ級のG1馬」がほとんどだ。
つまり“わざわざ京都まで遠征してくる関東馬の中で勝つのは、本当に抜けたクラスだけ”というパターンになっている。
今回の関東では、アスコリピチェーノ(ヴィクトリアマイル・阪神JF)、レーベンスティール(毎日王冠)、シャンパンカラー(NHKマイルC)、チェルヴィニア(秋華賞)あたりがこの「格のある関東馬」側に入る。 -
逆に関西馬は、出走数が多いぶん母集団としての勝ち星は多いが、率で見ると関東馬よりやや劣る。
関西馬同士で潰し合いになった中を、トップクラスの関東馬がまとめて差してくる、という構図がけっこう多い。
2025年だと、ジャンタルマンタル、ソウルラッシュ、ガイアフォース、オフトレイル、レーベンスティール、ドックランズあたりが「関西/外国の主力」として前に構えるイメージになる。 -
成績比率で関西÷関東を見ると、勝率0.52・連対率0.80・複勝率0.95 という数字になっている。
これをそのまま予想に使うなら、「◎を関東馬に打つなら、◯以下に関西馬を厚く」「◎を関西馬に打つなら、関東馬は2〜3頭は必ず相手に残す」というバランスがちょうどいい。
例えば、◎ジャンタルマンタル(関西)の形なら、アスコリピチェーノとレーベンスティールは“相手から外しにくい関東組”になる。 -
関東馬の中でも、「重賞実績が薄い関東馬」は数字ほど信用できない。
さっきのデータでも、好走している関東馬はほとんどが重賞勝ち馬だと指摘されている。
今回なら、アスコリピチェーノ、レーベンスティール、シャンパンカラー、チェルヴィニアは重賞勝ちの格があり、関東馬の中でも“買える側”に入る。
一方、タイムトゥヘヴン、ロングランあたりは年齢や近走内容も含めて、関東というだけで上に取るタイプではない。 -
関西馬側の「消し寄り」は、“関西だから”ではなく“関西でありながら頭数が多い凡走グループに埋もれている馬”だ。
エコロヴァルツ(前走二桁着順+距離短縮で疑問あり)、ニホンピロキーフ(前走L戦3着+G1実績薄)、タイムトゥヘヴン(関東だが高齢+凡走続き)、ランスオブカオス(3歳でまだ実績不足)、ラヴァンダ(牝4で中距離寄り)、ワイドラトゥール(牝4で1400ベスト寄り)あたりの“現時点で一枚足りない組”は、所属データを見ても「関西だから押し上げる」要素は特に無い。 -
所属データをベースにした一番シンプルな消し条件は、「関東馬でもG1級の格が無いなら、頭固定までは買わない」というものだ。
2025年でこの条件を満たして“頭候補にしていい関東馬”は、アスコリピチェーノとレーベンスティール(G1未勝利だが毎日王冠勝ち+レーティング上位)くらいだろう。
シャンパンカラー、チェルヴィニアも怖い存在ではあるが、ここは相手〜単穴ポジションに置いておくのが関東データとのバランスが良い。 -
一方で「関西馬だから割増評価できるゾーン」もある。関西馬は出走数が多いぶん、4〜6番人気あたりの中穴で勝ち切るパターンも多い。
ジャンタルマンタル、ガイアフォース、オフトレイル、ウインマーベル、エルトンバローズ、マジックサンズ、ソウルラッシュ、ドックランズあたりが4〜6番人気レンジに入るなら、単勝・3連単1列目ではこの関西(+外国)ラインを厚く取り、関東馬はアスコリピチェーノとレーベンスティールだけに絞る、という組み方もアリだと思う。 -
外国馬のドックランズは、今回の東西データの枠外にいるが、「日本勢との比較では実質“関西勢にぶつける第3勢力”」みたいな位置づけになる。
過去のデータでも外国馬は連対ゼロ・3着2回という微妙な成績で、“穴で3着に突っ込んで指数を跳ねさせる役割”が多い。
ドックランズを頭で買うなら、少なくともソウルラッシュ、ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノ、レーベンスティールあたりとのセットは必須だし、「外国+無印関東勢だけ」という組み合わせは、所属データとかなりズレるので避けた方がいい。 -
最終的には、「◎候補は 関西(ジャンタルマンタル、ソウルラッシュ、ガイアフォース、オフトレイル)+ 関東(アスコリピチェーノ、レーベンスティール)+ 外国(ドックランズ)」くらいに絞っておいて、ほかの関西・関東の中堅どころ(ウインマーベル、エルトンバローズ、ウォーターリヒト、シャンパンカラー、チェルヴィニア、ワイドラトゥール、マジックサンズなど)は“相手・穴役”として扱う、という整理にしておくと、東西データと今年のメンバー構成がうまく噛み合うと思う。
【血統別傾向成績】
過去10年のマイルチャンピオンシップにおける主な父系統別の成績をまとめてみた。
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| 血統傾向(父系) | 勝利数 | 連対数 (1〜2着) | 複勝数 (1〜3着) | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 父サンデーサイレンス系 (ディープ・ ステイゴールド・ ダイワメジャー・ リアルスティールなど) | 5 | 11 | 17 | 30頭中17頭がこのグループ。 グランアレグリア・セリフォス・インディチャンプ・ ミッキーアイルなど。マイルCSの「標準形」。 |
| 父欧州型ノーザンダンサー系 (ハービンジャー・ キングマンなど) | 2 | 4 | 5 | ナミュール、ペルシアンナイトなど。 父欧州型でも母系にサンデーや 日本的スピード血統を抱えているパターンが大半。 |
| 父キングカメハメハ系 (キングカメハメハ・ ロードカナロア・ ルーラーシップなど) | 2 | 4 | 4 | ステルヴィオ、ソウルラッシュなど。 直線の長い京都外回りで スピード持続型として機能している。 |
| 父ロベルト系・ その他スタミナ型 (スクリーンヒーロー・ エピファネイアなど) | 1 | 1 | 2 | モーリス(スクリーンヒーロー)と ジャスティンカフェ(エピファネイア)がここ。 数は少ないが来るときは一撃で配当を動かす。 |
| 父米国スピード型 (クロフネ・ アイルハヴアナザー・ ドレフォンなど) | 0 | 0 | 2 | ソダシ、ウインマーベルが3着のみ。 勝ち切りはゼロで 「相手で押さえるかどうか」のポジション。 |
予想への活用方法と消しデータ

消しデータ
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父サンデー系(ディープ・ステイ・ダイワメジャー・リアルスティール・ブラックタイド・キタサンブラック・シルバーステート・キズナなど)は、過去10年で5勝・複勝17頭。
まずここがマイルCSのメイン母集団だ。
該当するのはアスコリピチェーノ(ダイワメジャー)、エコロヴァルツ(ブラックタイド)、エルトンバローズ(ディープブリランテ)、ガイアフォース(キタサンブラック)、ニホンピロキーフ(キタサンブラック)、マジックサンズ(キズナ)、ラヴァンダ(シルバーステート)、ランスオブカオス(シルバーステート)、レーベンスティール(リアルスティール)、ロングラン(ヴィクトワールピサ)あたり。
人気や他ファクターと合わせて、この中から「何頭を本線にするか」を決めるのがスタートラインだろう。 -
父欧州型ノーザンダンサー系(ハービンジャー系・Kingman系・Farhh系・Massaat系)は、勝ち馬2頭・複勝5頭と頭数の割にかなり存在感があるゾーンだ。
ここに入るのはチェルヴィニア(ハービンジャー)、ドックランズ(Massaat)、オフトレイル(Farhh)の3頭。
ペルシアンナイトやナミュールと同じハービンジャー産駒という意味でチェルヴィニア、欧州マイラーらしい持続力を持つオフトレイルとドックランズは、「父非サンデーでも買える側」として扱っていい。 -
父キングカメハメハ系(キングカメハメハ・ロードカナロア・ルーラーシップ)は、勝利2頭・複勝4頭で、勝ち切り性能だけ見れば欧州型と同格。
今回だとソウルラッシュ(ルーラーシップ)、シャンパンカラー(ドゥラメンテ)、タイムトゥヘヴン(ロードカナロア)、エコロヴァルツの母父キングカメハメハ、マジックサンズの母父キングカメハメハあたりがこの流れに乗る。
特にソウルラッシュは「父ルーラーシップ×母父マンハッタンカフェ」で、キングカメハメハ系×サンデー系の黄金配合ど真ん中なので、血統面ではほぼ減点材料がない。 -
父ロベルト系(スクリーンヒーロー・エピファネイアなど)は、モーリスとジャスティンカフェのように一発の破壊力がある一方、サンプル自体は少ない。
今回の登録だとマジックサンズの父キズナはディープ系なのでここではなく、ロベルト系寄りなのはジャスティンカフェ側の血を持つ馬がいないので、「モーリスタイプの再現」を血統だけから期待するのは少し無理筋だろう。 -
父米国スピード型(Drefong・アイルハヴアナザー・カリフォルニアクローム・Palace Malice など)は、過去10年で勝ち馬ゼロ・3着2回(ソダシとウインマーベル)という成績。
今回ここに属するのはジャンタルマンタル(パレスマリス)、ウインマーベル(アイルハヴアナザー)、ウォーターリヒト(ドレフォン)、ワイドラトゥール(カリフォルニアクローム)。
「勝ち切り」という意味ではデータ的にはかなり逆風で、頭固定より三連系の相手、特に3列目に回した方が姿勢としては自然だ。 -
ただし、ジャンタルマンタルは父が米国型でも母系に日本的スタミナと欧州血統をしっかり抱えているタイプで、能力もすでに安田記念勝ちで証明済み。
このレベルになると「父が米国スピード型だから消し」というロジックは成り立たないので、血統傾向はあくまで「他との比較でどこまで買い増しするか」の参考に留めるべきだと思う。 -
母父側に目を向けると、過去10年の1〜3着30頭のうち、母父が欧州型の馬が21頭というデータが出ている。父サンデー系+母父欧州型の組み合わせが特に好成績で、京都開催分に絞っても「父サンデー×母父欧州」がかなりの割合を占めている。
アスコリピチェーノ(父ダイワメジャー×母父Danehill Dancer)、レーベンスティール(父リアルスティール×母父トウカイテイオーだが、その奥に欧州血統が厚い)、ガイアフォース(父キタサンブラック×母父クロフネ)、エルトンバローズ(父ディープブリランテ×母父ブライアンズタイム)あたりは、「父サンデー+母父も含めて欧州・ロベルト系で底力を補強」という王道パターンにかなり近い。 -
ノーザンテースト持ちの血も軽視できない。2019年インディチャンプ、2023年ナミュール、2024年ソウルラッシュなど、近年の好走馬の多くがどこかでノーザンテーストを内包しているという指摘がある。
今年の登録ではアスコリピチェーノ(父系にノーザンテースト)、カンチェンジュンガ(母系にノーザンテースト)、ワイドラトゥール(母母クイーンソネットがノーザンテースト系)あたりがこのラインに乗る。
血統だけで「買い」にはしないにしても、迷ったときにひと押し材料になる。 -
血統ベースの「消し寄り」条件を強めに言うなら
・父米国スプリント寄りで、母父も日本の短距離血統に寄っていて、欧州型の底力血統が薄い組
・父も母父も非サンデー系で、過去にマイルCSや安田記念級での実績がない組
この2つは、過去10年の数字と照らすと“勝ち切り”のイメージがほとんど湧かない。今回の面子なら、タイムトゥヘヴン(ロードカナロア×米国色濃い母系)やワイドラトゥール(カリフォルニアクローム×アグネスタキオン)あたりは、人気次第では「3連系3列目まで」に抑えるくらいが血統データとは噛み合う。 -
逆に「血統的に一段評価を上げていいグループ」は
・父サンデー系の4歳勢…アスコリピチェーノ、エコロヴァルツ、オフトレイル(父は欧州Farhhだが母父キングマンボでサンデーも奥に)、ウォーターリヒト(父はドレフォンだが母父ヴィクトワールピサでサンデー系が厚い)
・父欧州×母父サンデー型…チェルヴィニア(ハービンジャー×キングカメ+母系にサンデー)、ドックランズ(Massaat×日本の配合とのバランスで近いイメージ)
・父キングカメハメハ系×母父サンデー…ソウルラッシュ(ルーラーシップ×マンハッタンカフェ)、シャンパンカラー(ドゥラメンテ×アドマイヤグルーヴ)
あたりだろう。
この辺りから「血統的に買いやすい本命〜対抗」を何頭かピックしておいて、あとは前走内容・年齢・脚質・枠順・オッズのバランスで絞り込んでいくイメージになる。 -
まとめると、血統だけでの雑な線引きとしては
・本線の軸・頭候補に置きやすいのは
ソウルラッシュ、ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノ、ガイアフォース、レーベンスティール、オフトレイル、チェルヴィニア、ドックランズ、エルトンバローズあたり。
・相手本線〜中穴の血統として面白いのは
ウインマーベル、ウォーターリヒト、マジックサンズ、ワイドラトゥール、ロングラン、ラヴァンダ、ランスオブカオスなど。
・血統データだけ見れば「頭では買いにくい」消し寄りは
タイムトゥヘヴン、ニホンピロキーフ、トウシンマカオ、エコロヴァルツ(距離適性面含め)、ワイドラトゥール(血統的に良馬場専用に近い)あたりで、ここに前走着順や年齢データのマイナス要素が重なってくると、かなり思い切って評価を下げやすいと思う。
【リピータースコア】
過去10年のリピータースコアをまとめた。
※右にスクロール可能
| リピータータイプ | 該当頭数 | 延べ出走 | 勝利数 | 連対数(1〜2着) | 複勝数(1〜3着) | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 前年マイルCS 4着以内からのリピーター | 23頭 | 23走 | 2 | 8 | 9 | 成績は【2-6-1-14】で複勝率39.1%。 前年に好走していた馬が翌年も かなり高い確率で馬券圏に戻ってくる。 |
| 前年マイルCS 5着以下からのリピーター | 22頭 | 22走 | 0 | 0 | 1 | 成績は【0-0-1-21】で複勝率4.5%。 前年に凡走していた馬の巻き返しは ほぼ起きていない。 |
| 複数回馬券圏に入った 「看板リピーター」6頭合計 | 6頭 | 14走 | 5 | 10 | 13 | イスラボニータ/ペルシアンナイト/ インディチャンプ/グランアレグリア/ ダノンザキッド/ソウルラッシュの6頭で、 延べ14走中13回が馬券内というエグい数字。 |
※6頭の内訳イメージ
イスラボニータ:2回出走で2回とも3着以内(3着→2着)
ペルシアンナイト:3回出走で1着→2着→3着
インディチャンプ:3回出走で1着→2着→4着
グランアレグリア:2回出走で連覇
ダノンザキッド:2回出走で3着→2着
ソウルラッシュ:2回出走で2着→1着
前年4着以内からのリピーター(=好成績側のゾーン)
ソウルラッシュ(2023年2着→2024年1着)
エルトンバローズ(2024年2着)
ウインマーベル(2024年3着)
前年5着以下からのリピーター(=成績的にはほぼ消し側)
タイムトゥヘヴン(2024年7着)
ニホンピロキーフ(2024年8着)
予想への活用方法と消しデータ

消しデータまとめ
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過去10年で見ると、「前年マイルCS4着以内だったリピーター」は【2-6-1-14】で複勝率39.1%とかなり優秀なゾーンにいる一方、「前年5着以下」からのリピーターは【0-0-1-21】で複勝率4.5%しかない。
前年にすでにこのレースで走れているかどうかで、リピーターの明暗がほぼ割れている。 -
さらに「複数回馬券に絡んだ6頭(イスラボニータ、ペルシアンナイト、インディチャンプ、グランアレグリア、ダノンザキッド、ソウルラッシュ)」だけを見ると、延べ14走して5勝・2着5回・3着3回・着外1回で、3回に1回以上はその馬が勝っている計算になる。
つまり、一度このレースで明確に好走した馬が再度出てくるパターンは、かなり強く信頼していい。 -
この観点で2025年の登録馬を見ると、ソウルラッシュはすでに「リピーター6頭」の一員で、2023年2着→2024年1着という実績を持ったまま3回目のマイルCSに挑む形になる。
ペルシアンナイトやグランアレグリア級の“典型的リピーター”のパターンに完全にはまり込んでいるので、年齢7歳のマイナスをどこまで許容するかは別として、リピータースコアだけ見れば完全に買い側だ。 -
エルトンバローズとウインマーベルは「前年マイルCSで2着・3着→翌年も参戦」という、ソウルラッシュと同じ“前年4着以内リピーター”グループに入る。
データ上はこのグループ全体で複勝率4割近いので、どちらも人気や枠順次第で少なくとも相手本線には入れておきたいタイプになる。 -
対して、タイムトゥヘヴンとニホンピロキーフは「前年マイルCSで掲示板外→そのまま再挑戦」のパターンで、過去データ上はほぼ走っていないゾーン(【0-0-1-21】)に属する。
ここは年齢データや前走着順データもマイナス側に振れているので、基本スタンスとしては“来たらごめん”寄りの消し候補だと思っていい。 -
もう一つ意識しておきたいのは、「初出走組の中で、リピーター級の器がありそうな馬」と「すでにリピーター候補に片足突っ込んでいる馬」の扱いの差だ。
ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノ、ガイアフォース、レーベンスティール、ドックランズあたりは、まだマイルCSの実績こそないが、すでに他のマイルG1やG2でトップクラスの結果を出している。
これらは「今年勝てば来年リピーターとしてさらに買えるタイプ」で、今年の時点でもリピータースコアとは別軸で素直に買っていく側にいる。 -
リピーターデータを“消し”に使うなら、「前年マイルCSで5着以下の馬」を基本的に頭からは外すところが起点になる。今回の登録だと、タイムトゥヘヴンとニホンピロキーフがその典型で、前走データや年齢・性別の各テーブルでもマイナスが多い馬なので、三連系でも3列目に少しだけ残すか、思い切って完全消しに寄せるかのラインにいる。
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逆に「前年4着以内+今回も出てくる」パターンは、配当面で妙味があっても切りにくい。エルトンバローズとウインマーベルは、人気だけ見れば今年も中穴〜人気薄寄りになる可能性があるが、リピータースコアと配当バランスを合わせて見ると、「ソウルラッシュ本命で、相手にエルトンバローズとウインマーベルを常に混ぜる」ような買い方は理にかなっている。
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リピーターと初出走組のバランスを取るイメージとしては、「軸は能力上位+リピーター性の高いソウルラッシュ/ジャンタルマンタル/アスコリピチェーノ/ガイアフォース/レーベンスティールあたりから1〜2頭」「リピータースコアで強く押さえるエルトンバローズ・ウインマーベルを相手本線」「リピーターデータで明確に不利なタイムトゥヘヴン・ニホンピロキーフは、一気に評価を落とす」という整理にしておくと、他のデータ(人気・脚質・枠順・前走クラスなど)とも噛み合わせやすいと思う。
傾向まとめ
これで過去傾向に関してはすべて紹介したことになる。
どうしてもボリュームがあるので、おさらいがてら傾向を一言でまとめたものを貼っておくので再確認してみてくれ。
傾向まとめ
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人気別成績:
1〜2番人気はそれなりに走るが、
勝ち切りと期待値は3〜6番人気に大きく寄っているレースだ。 -
前走レース別成績:
前走G1・G2組がほとんどの好走馬を占めていて、
G3以下やオープン組は基本的に軽視してよいレースだ。 -
前走着順別成績:
前走1〜3着からの好走が圧倒的で、
4〜9着は相手まで、
10着以下からの巻き返しはほぼ起きていないレースだ。 -
脚質別成績:
差しが明確な主役で、
追い込みも一発はあるが安定せず、
逃げと先行は頭よりも2〜3着狙いになりやすいレースだ。 -
馬場ごとのデータ:
ほぼ良馬場での開催が続いていて、
速い時計に対応できる差し・先行が中心で、
道悪になっても結局は地力のある差し馬が物を言うレースだ。 -
配当傾向:
全体としては中荒れ寄りで、
ここ数年は「上位人気+中穴の組み合わせ」で3連単がしっかり跳ねることが多いレースだ。 -
性齡別データ:
4歳牡馬が明確な中心で、
5歳牡馬がその次、
6歳は一発、
7歳以上と牝馬はよほどの格がないと苦しいレースだ。 -
関西関東の勝率成績:
出走頭数は関西馬が多いが、
勝率ベースではトップ級の関東馬が勝ち切るケースも多く、
東西どちらも無視はできないレースだ。 -
血統傾向:
父サンデー系とキングカメハメハ系、
そこに欧州型の血を絡めた配合が中心で、
米国スピード血統は相手までという傾向が強いレースだ。 -
リピータースコア:
前年にこのレースで好走した馬の再度の好走率がかなり高く、
前年凡走からのリベンジはほとんど決まらないレースだ。
基本的な予想の活用方法に関してはこれで完璧。
ただこれだけだとそれぞれのデータが独立していて、全部の傾向をあわせて考えたときに今回の登録馬の中で結局どの馬が有利なのか不利なのかがわからないだろう。
そこでさらにここから過去傾向や消しデータを用いて、データ的にどの馬が有利なのかをランキング化していくことにする。
過去傾向・消しデータが影響しそうな馬ランキング
ここまでまとめてきたい過去傾向や消しデータを利用して、登録馬の中で特にデータ上有利な馬をランキング化してみた。
以下の表に、2025年マイルチャンピオンシップの登録馬全頭を各評価項目ごとに独自指標で採点し、総合得点の高い順に並べた【評価テーブル】を示す。
また、テーブル後には今回予想で重視したポイントの優先順位とバランスについて解説する。

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人気
人気別成績(想定人気を考慮) -
前走R
前走レース別成績
(臨戦過程のレース傾向) -
前走着
前走着順別成績
(直前の着順傾向) -
脚質
脚質別成績
(展開適性) - 枠順
枠順別成績
(枠順確定後の有利不利) -
馬場
馬場適性
(想定馬場への適性) -
配当
配当傾向
(想定人気に絡む期待値) -
性齢
性齢データ -
所属
関西・関東所属
(調教拠点の傾向) -
血統
血統傾向
(父系中心の分析) -
リピータ
リピータースコア
※右にスクロール可能
| 馬名 | 合計点数 | 人気別成績 | 前走レース別成績 | 前走着順別成績 | 脚質別成績 | 枠順成績 | 馬場ごとのデータ | 配当傾向 | 性齡別データ | 関西関東の勝率成績 | 血統傾向 | リピータースコア |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オフトレイル | 34 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ |
| ガイアフォース | 30 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ | △ |
| レーベンスティール | 30 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | △ |
| ワイドラトゥール | 25 | − | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | △ | ○ | △ |
| ラヴァンダ | 24 | − | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ○ | ◎ | ○ | △ | ◎ | △ |
| ソウルラッシュ | 23 | − | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | − | − | △ | ◎ | ◎ |
| ジャンタルマンタル | 22 | − | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | − | ◎ | △ | ○ | △ |
| エルトンバローズ | 20 | ○ | ◎ | △ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | △ | ◎ | ◎ |
| ウインマーベル | 20 | ○ | ◎ | △ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | △ | ○ | ○ | ○ |
| アスコリピチェーノ | 19 | △ | ◎ | − | ◎ | ◎ | ◎ | − | ○ | ○ | ◎ | △ |
| ドックランズ | 19 | ○ | ◎ | △ | ◎ | ○ | △ | △ | ○ | △ | ◎ | △ |
| ウォーターリヒト | 15 | − | ◎ | − | ◎ | ○ | ○ | △ | ◎ | △ | ○ | △ |
| チェルヴィニア | 15 | − | ◎ | − | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | △ |
| シャンパンカラー | 12 | ○ | ◎ | − | ○ | − | ○ | △ | ○ | ○ | ◎ | △ |
| マジックサンズ | 12 | − | ◎ | ✕ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | △ | △ | ◎ | △ |
| カンチェンジュンガ | 1 | − | ○ | − | − | − | ○ | − | ○ | △ | ◎ | △ |
| ロングラン | -1 | ✕ | ◎ | − | △ | ✕ | △ | ○ | ✕ | ○ | ◎ | △ |
| トウシンマカオ | -12 | − | ○ | ✕ | − | ✕ | ○ | − | △ | △ | − | △ |
1. 一番データの“形”がきれいなのはオフトレイル
オフトレイルは、前走スワンS勝ち(京都外回りの好ローテ)、前走1着、差し脚質、4歳牡馬、父欧州血統+日本マイルにフィットする配合、そして今回6枠11番という差し馬にとっての理想に近い枠という条件を全部揃えた結果、合計点数が単独トップになった。
過去の枠順データでも6枠は勝率・連対率とも上位で、京都外回りで「中団外」から動くにはかなり都合の良いポジションだ。
もちろん、実績面でソウルラッシュやジャンタルマンタルほどの“看板”はまだ無いが、過去傾向+枠順+脚質+年齢を全部足し合わせると、「今回もっとも“ハマりやすい型”をしているのはこの馬だろう」という評価になる。
2. ガイアフォースとレーベンスティールは、枠順でさらに押し上げ
ガイアフォースは元々、富士S勝ち、前走1着、差し〜好位の自在脚質、キタサンブラック産駒の持続型血統という時点でかなり高得点だったが、3枠6番という「内すぎず外すぎず、中団前目を取りやすい理想枠」が重なったことで、データスコアでも一気に上位に来た。
レーベンスティールも7枠14番で数字上は「勝ち無し枠」だが、毎日王冠勝ち、前走1着、5歳牡馬、差し脚質、D.レーン騎乗というファクターを考えると、「7枠だから大きくマイナス」というほどではない。
むしろ中団外から長く脚を使うにはちょうど良い位置で、過去の“7枠ゼロ勝”という数字を額面通りに嫌うのは危険だろう。
3. 枠順が強く追い風になった差し穴組
ワイドラトゥールとラヴァンダは、中団〜後方差し、4歳牝馬、父がサンデー系 or 欧州寄り、前走G2で好走(ワイドラトゥール2着、ラヴァンダ1着)という「差し穴にちょうどいい条件」に加えて、ワイドラトゥール:8枠18番、ラヴァンダ:5枠10番を引いたことで、一気に“展開ドハマり待ちの大穴”として魅力が増した。
ワイドラトゥールは最外からの大外ブン回し一択だが、マイルCSの8枠は勝ち星が多く、差し決着になった年に突っ込んでくるパターンは普通にある。
ラヴァンダも中枠外寄りからスムーズに外へ出せれば、距離短縮でも決め手が生きる形になりやすい。
4. ソウルラッシュとジャンタルマンタルは「データ上の減点を枠が補っている」
ソウルラッシュは7歳という年齢で性齢データ上のマイナスが大きいが、前走G2(富士S)3着、マイルCS【2着→1着】のリピーター、差し脚質、父ルーラーシップ(キンカメ系)といった強烈なプラスを持っているうえに、8枠17番という“差し馬にとって最高クラスの外枠”を引いたことで、合計点数でも上位に残った。
数字だけ見れば「高齢だから危険」と言いたくなるが、枠順とリピータースコアまで含めて考えると、簡単には切れない立ち位置だ。
ジャンタルマンタルは、人気過多による期待値のマイナス、父が米国スピード寄りで過去血統傾向とは少しズレ、という減点が入っているが、富士S2着・4歳牡馬・先行力と決め手のバランスの良さに加えて、7枠15番という「前を取りに行きやすく、外から被されにくい枠」を引いたことで、総合点は高くなった。
データ上は「強いけど妙味は薄い人気馬」寄りだが、枠と脚質を考えると、馬券から完全に外すのはさすがに危険だろう。
5. 枠順で明確に評価を下げた組
トウシンマカオとロングランは、枠順まで含めてかなり厳しい数字になった。
トウシンマカオは1枠1番で、マイルのハイペースを内から被されながら行かされる形になりやすく、前走10着以下+スプリント色の強い血統というマイナスも重なる。
過去の傾向から見て、頭どころか3着でも相当な展開の助けが必要なポジションだ。
ロングランは7歳セン馬というだけで性齢データ的にはほぼアウトに近く、7枠13番からの後方一手という脚質も枠順データと相性が良くない。
大穴として3列目に少しだけ残すかどうか、というレベルで、「データで考えた期待値」という意味ではかなり下の評価になる。
カンチェンジュンガも、4枠8番自体は悪くないが、前走スプリンターズS9着、先行脚質、マイルでの実績不足といった要素と組み合わせると、「枠順でプラスに転じた」とまでは言いづらい。
スプリント色の強い先行馬が内目で競り合う並びになればなるほど、マイルCSの差し優位傾向には逆らいづらいだろう。
枠順をどこまで信じて、どこから上書きするか
このスコア表はあくまで「過去10年の傾向+枠順+各種データで、どの馬が“型として”有利かをざっくり数値化したものだと割り切っておいた方がいい。
最終的な予想で優先すべき順番は、個人的には、今年のG1・G2でのパフォーマンス(相手・ラップ・内容)、直近の調教と当週の気配、枠順 × 脚質 × 想定ペース、そのうえでの過去傾向(年齢・血統・リピーター・前走着順)だと考えている。
今回の枠順込みスコアで言えば、

マイルCS
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オフトレイル / ガイアフォース / レーベンスティール
→ 「型」としてのハマり方が一番きれいな組。 -
ソウルラッシュ / ジャンタルマンタル / アスコリピチェーノ
→ データ上の減点はあるが、能力と実績でそれを跳ね返してくる可能性が高い組。 -
ワイドラトゥール / ラヴァンダ / マジックサンズ / ウインマーベル
→ 枠順と脚質の噛み合わせ的に“展開ハマり待ちの穴”として拾っておきたい組。 -
トウシンマカオ / カンチェンジュンガ / ロングラン
→ 枠順と過去傾向まで含めると、よほどのことがない限り頭で買う理由は薄い組。
という大きな整理になる。
あとは、最終追い切りで誰が一段上げてきたか、当日の馬場が内有利か外伸びか、パドックでテンションがどうかを見て、このスコアをベースに印の順番を入れ替えていくイメージで使ってもらうのがちょうどいいと思う。
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