チャンピオンズカップ2025の追切・全頭診断!SS~Cで調教評価

どうも、競馬口コミダービー管理人の木口順一だ。

2025年12月7日日曜はG1・チャンピオンズカップ。

ダート中距離の頂上決戦、舞台はアップダウンがきつく直線も長い中京ダート1800mで、前に行く馬が有利と言われつつも、ペースひとつで差しも突っ込んでくるクセのあるコースだ。

前走JpnⅠ組と、このレースを走り慣れた“リピーター”が強いのも特徴で、今年は3歳王者候補ナルカミ、悲願のタイトルを狙うウィルソンテソーロ、芝GⅡ馬からダート転戦中のシックスペンス、勢い十分のダブルハートボンドやルクソールカフェなど、顔ぶれもかなり濃い。

この一戦をどう読み解くかで、当日の馬券の攻め方も大きく変わってくるはずだ。

そこで今回は出走馬の追切をまとめ、全頭診断を敢行。

さらに別の記事でまとめている過去10年の傾向も踏まえ、今の「注目馬」「危険な人気馬」「穴馬」までまとめたのでぜひ最後までお付き合いいただきたい。

過去10年の傾向まとめはこちら

チャンピオンズカップ2025のAI予想はこちら

この記事でわかること
  • 追い切りや
    相手関係も交えた
    1,000点満点の
    全頭診断&評価
  • 登録馬全体の
    調子の良し悪し丸わかり!
    1週間前追い切り
    評価&コメント
  • 1週間前追い切りとの比較も!
    レース前最終追い切り
    評価&コメント

馬アイコンこの記事を書いたのは

執筆者画像

木口 順一

競馬歴18年の42歳。

何年か前にブログや掲示板を運営する某会社を退職。
退職後はそのノウハウと自分の長い競馬歴で何かできないか考えた末、競馬口コミダービーを設立。

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好きなレースはやっぱり日本ダービー。

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チャンピオンズカップの全頭診断

チャンピオンズカップの枠順が確定。

そこで過去の傾向や、現在の馬のポテンシャル・調子に枠順の有利不利を踏まえて全頭診断を敢行。

10項目で診断し、それぞれ100点満点の合計1000点で一覧にしていく。

その項目がこちら。

診断項目
  • 基本情報
    (実績・枠順)
  • コース・距離適性
  • 馬場適性
  • 脚質
  • 近走の状態
  • 騎手・調教師
  • 血統
  • 馬体診断
  • 調教内容
  • 想定人気オッズ

1度点数ランキングを公開したあと、その点数の内訳・詳細に関しても記していく。

気になる馬がいればそれも確認してみてくれ。

全頭診断一覧はこちらだ。

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馬名(馬番)

合計点

(1000点)

一言評価 基礎情報(能力・枠順) コース・距離適性 馬場適性 脚質 近走の状態 騎手・調教師 血統 馬体診断 調教内容 想定人気オッズ
ナルカミ〔⑫〕 880 古馬撃破を狙う3歳王者 95 80 85 85 100 95 90 85 85 90
ルクソールカフェ〔⑯〕 870 新星・勢い十分の良血馬 90 85 80 90 95 85 95 80 90 90
ダブルハートボンド〔②〕 860 無敗級の安定感を誇る牝馬 85 80 85 90 100 90 80 80 85 85
ウィルソンテソーロ〔⑧〕 850 砂王戴冠を狙う実力馬 90 90 75 85 80 95 80 75 70 80
メイショウハリオ〔③〕 840 円熟の実力も中京は課題 90 75 90 75 90 90 85 95 95 70
シックスペンス〔⑪〕 835 芝G2馬、ダートでも好調 80 70 75 75 85 95 70 80 100 80
ラムジェット〔⑦〕 820 急上昇ムードの伏兵 75 80 80 80 75 80 75 85 90 70
アウトレンジ〔⑨〕 815 伏兵侮れず、巻き返し狙う 80 85 75 80 80 85 80 85 90 70
テンカジョウ〔⑩〕 810 地方牝馬ながら侮れない 75 75 80 70 90 75 75 75 80 70
サンライズジパング〔⑬〕 805 マイルG1好走の実力馬 85 75 80 75 70 80 85 85 80 65
ハギノアレグリアス〔⑥〕 800 中京得意、老雄の意地 85 90 75 75 65 80 80 70 80 70
ペリエール〔⑮〕 790 復調気配の一発候補 75 80 80 80 80 65 85 80 80 65
ウィリアムバローズ〔①〕 780 実力健在も長期休み明け 85 80 80 85 65 75 85 75 85 65
セラフィックコール〔④〕 770 スタミナ豊富なマラソン王 70 70 85 65 50 75 80 60 80 65
ペプチドナイル〔⑭〕 760 昨年フェブラリーS覇者も不安 85 75 80 70 40 70 90 50 65 60
ヘリオス〔⑤〕 750 最年長の意地見せたい老兵 65 60 70 65 55 60 70 65 75 50

3歳ダート王ナルカミは、デビューから破竹の4連勝で交流Jpn1のジャパンダートクラシックを逃げ切り圧勝し、一気に世代トップに駆け上がった実力馬。父サンダースノー譲りのスピードと勝負根性が武器で、古馬相手でも堂々と主役を張れる存在だ。今回は6枠12番からの発走となるが、二の脚が速くハナを奪う競馬もできるため、大外すぎる枠ではないだろう。

課題は未知の中京コース適性だ。これまで地方の砂の深いコースや右回り中心で走ってきたため、左回りの中京でどこまで力を出せるかが焦点となる。それでも、追い切りでは僚馬と併走して終い鋭い加速を見せており、状態面の不安はない。戸崎騎手も「何とか欲しいタイトル」と意気込み、調整も順調だ。世代交代を印象付けるには絶好の機会であり、ここも果敢に先手を主張して押し切る可能性が高いだろう。

武蔵野ステークスを3馬身半差で圧勝したルクソールカフェは、勢いに乗る3歳馬だ。「カフェファラオ(全兄)が果たせなかったチャンピオンズカップ制覇の可能性十分」と評される良血馬であり、父は米三冠馬アメリカンフェイローと血統背景も申し分ない。前走のマイル戦から今回初めて1800mに挑むが、過去に1800m戦を2戦2勝と距離適性も示している。

課題は初の中京コースと大外16番枠だ。コーナーで外々を回らされるリスクがあり、序盤の位置取りが鍵となる。それでも折り合いに不安がなく、自慢の先行力でスムーズに先手または好位につければ問題はないだろう。今回が短期免許初騎乗となるジェルー騎手とのコンビだが、追い切りでも息が合っており好感触を得ている。世界的ジョッキーのエスコートもプラスに働きそうだ。

全兄の無念を晴らし、新星がダート界の頂点に立つ可能性は十分。勢いそのままに圧巻のパフォーマンスを見せれば、混戦模様を断つ主役に躍り出るだろう。

デビュー以来“7戦6勝2着1回”と連対率100%を誇るダブルハートボンドは、安定感抜群の4歳牝馬だ。前走のみやこステークスでは1番人気の支持に応え、JRAレコードで圧勝しており、底知れぬポテンシャルを感じさせた。父は芝の名馬キズナだが、母父Smoke Glackenの影響かダート適性は非常に高く、パワーとスピードを兼ね備えている。今回は1枠2番と絶好の枠を引き、先行馬の彼女にとってロスなく立ち回れる条件が整った。

未知の舞台は今回が初のGIという点だ。一線級の牡馬相手に同じ走りができるかが試される。とはいえ、これまで年長馬とも戦い7馬身差圧勝を含む実績を残しており、メンタル面もタフだ。坂井騎手とのコンビで追い切りも坂路単走で力強く伸びており、状態面に抜かりはない。当日の馬場が渋っても、父系譲りの持久力で苦にしないはず。

総合力では牡馬陣に引けを取らず、レースセンスの良さも武器。混戦模様のここでも上位争いに加わってくる可能性は高い。“砂の女王”が誕生する瞬間が見られるかもしれない。

ウィルソンテソーロは昨年・一昨年のチャンピオンズカップで2年連続の2着と涙を飲んだ実力馬だ。いずれも勝ち馬に僅差まで迫りながらの惜敗で、特に昨年はハナ差という悔しい内容だった。しかし今年はその雪辱を果たす絶好のチャンスだ。前哨戦の南部杯(Jpn1)を快勝し勢いを取り戻している。得意の左回り・中京コースで、ライバルだったレモンポップが引退した今回は「勝つ順番が回ってくるはず」との声もある。

最大の強みは安定した先行力とコース適性。中京ダート1800mでは近2年連続連対と抜群の相性を誇り、今回8枠15番(※馬番8番)でも二の脚の速さで好位を確保できるだろう。調教では序盤やや精彩を欠いたものの、最終追い切りでしっかりと負荷をかけて態勢を整えてきた。川田騎手も「三度目の正直」で悲願のタイトル奪取に燃えており、勝負強さには定評がある。

不安材料を挙げるとすれば、前走JBCクラシックで6着と崩れた点だ。大井の深い砂が合わなかった可能性があり、良馬場での巻き返しを期待したい。総じて能力・実績はメンバー中トップクラスであり、悲願のGIタイトルに手が届くシナリオは十分に描ける。

8歳となったメイショウハリオだが衰えは見せず、今年も川崎記念を含むJpn1競走4勝目を挙げた歴戦の古豪だ。JRA・GIタイトルこそ未だ手にしていないものの、交流重賞や地方GIで培ったスタミナと底力は本物である。豪快な差し脚で知られ、持久力が問われる展開になれば台頭してくるだろう。今回は2枠3番からのスタートで、インで脚を溜めて直線勝負に賭ける戦法がハマれば面白い。

懸念材料は中京コースとの相性だ。チャンピオンズカップには過去2度挑戦してともに着外と、この舞台では結果を残せていない。瞬発力勝負になると切れ負けするケースがあり、時計勝負も望むところではない。それでも、今回は調整が順調そのもので、武豊騎手との新コンビで挑む最終戦に向けて馬体の張りも申し分ない。一週前追い切りではややズブさを見せたものの、最終追いでは加速ラップで豪快に先着し「年齢を感じさせない鋭い伸び」を披露した。

このレースを最後に引退が決まっており、陣営の思い入れも強い。鞍上の武豊騎手は数々の名馬を花道優勝に導いてきたレジェンドであり、有終の美を飾るシナリオも十分考えられる。展開が嵌れば、歴戦の古馬が最後に悲願を成就する可能性は侮れない。

シックスペンスは芝のGII・中山記念を制した経歴を持つ異色の存在だ。父キズナ×母父Twirling Candyという配合ながら、前走の南部杯(Jpn1)で初ダートに挑戦すると2着に善戦し、ダート適性を示した。勝ち馬には離されたものの3着以下に4馬身差をつけており、内容は高く評価できる。芝で培った切れ味とスピードを兼ね備えており、距離1800m(芝)では無敗の3戦3勝と距離適性も十分だ。

懸念は中京ダートへの適応と展開面だ。瞬発力勝負が要求される芝とは異なり、中京ダート1800mはパワーと持久力が問われる。加えて、芝仕込みの末脚が活きる展開になるかはペース次第で、淡々と流れる展開になれば追走で脚を使わされる可能性がある。しかし、追い切りでは坂路で馬なりのまま自己最速タイの52.1秒をマークし、文句なしの動きを見せた。2週続けて鋭い伸びを見せ、調教評価は唯一の「S」と最高評価を獲得している。

鞍上には名手ルメール騎手を迎え、初タイトル奪取に挑む。芝・ダート双方の一流馬を手掛けてきた名手だけに、シックスペンスの持ち味を存分に引き出すだろう。展開が嵌りさえすれば、一気の末脚で古豪たちをまとめて差し切るシーンがあっても不思議ではない。

戦績こそ目立たないラムジェットだが、ここにきて急上昇ムードを漂わせている4歳馬だ。重賞実績はないものの、自己条件で着実に力をつけてきた。名前の由来通りスタートからのダッシュ力が魅力で、ハナを奪えばしぶといタイプだ。今回は4枠7番と枠は外めだが、二の脚の速さで先手か好位にはつけられるだろう。

最大のセールスポイントは調教の良さだ。最終追い切りは栗東坂路で自己ベストを1秒以上更新する4F52秒6-12秒7の好タイムを叩き出し、関係者の評価を大きく上げた。動きも軽快で、デキの良さではメンバー中随一との声もある。近走はオープン特別で善戦続きだが、一息入れてフレッシュな今回は上積みが見込める。

一方で実績面ではまだ重賞勝ち馬たちに見劣りするのは否めない。格上挑戦のここでどこまで通用するかが問われる一戦となる。ただし展開利を最大限に活かせれば一発の魅力は秘めている。楽に先手を奪えれば粘り込みのシーンも十分考えられ、侮れない伏兵の一頭だ。

重賞2勝の実績を持つアウトレンジは伏兵陣の中でも侮れない存在だ。昨年末と今年春にダート重賞を連勝し、一躍GI戦線に名乗りを上げた。先行して粘り強い競馬を得意としており、道悪もこなすパワー型だ。今回は5枠9番からスムーズに先行策が取れそうで、自分のリズムで運べればしぶとさを発揮できるだろう。

前走のみやこステークス(GIII)では稍重の高速馬場に対応できず凡走したが、敗因は馬場にあった。渋った馬場では切れ負けしてしまった印象で、良馬場で改めて見直したい一頭だ。実際、最終追い切りでは栗東CWコースで鋭い伸び脚を見せ、6F82秒1-1F11秒4の自己ベストを計時して好仕上がりをアピールした。一週前には半兄のハピ(オープン馬)と併せ馬を行い、手応えで圧倒するなど調教内容も秀逸だった。

展開面では、他にも先行馬が多い組み合わせだけにハナ争いの激化は避けたいところ。松山騎手は折り合いをつけつつ好位で運ぶ公算が高く、4コーナーで前を射程圏に入れれば直線で粘り込みも十分可能だ。得意の良馬場で巻き返しを図る今回は、人気の盲点として警戒が必要だろう。

テンカジョウは地方競馬から参戦の4歳牝馬だが、その実力は侮れない。前走のJBCレディスクラシック(Jpn1)では古馬牝馬の一線級相手に2着と善戦し、地方牝馬ながらトップクラスの力があることを示した。道中は後方から末脚に懸ける競馬で、大外を回りながらじりじりと差を詰めた走りは印象的だった。末脚勝負が持ち味で、展開が嵌れば一気に台頭してくる可能性を秘める。

課題は中央の速い流れと初の中京コースへの対応だ。これまで地方の砂厚いコース中心で、時計の速い決着を経験していない。瞬発力勝負になると後手に回る恐れもあるため、他馬に惑わされず自分のリズムで末脚を繰り出せるかがポイントとなる。それでも、一週前追い切りではメイショウハリオと併せて自己ベストの好時計を記録し、直線ではハリオをじわじわ差し込む動きで健在ぶりを示した。久々の中央挑戦に向けて状態面は良好で、馬体の張りも上々だ。

今回のメンバー相手にどこまで通用するかは未知数だが、嵌まった時の破壊力は魅力十分だ。末脚比べの展開になれば浮上してくるシーンも十分考えられる。伏兵中の伏兵的存在として、波乱を演出するか注目したい。

サンライズジパングは今年のフェブラリーステークスで2着に入った実力馬だ。これまでに重賞3勝を挙げており、マイル戦線で安定した成績を残してきた。大型馬らしいパワフルな走りで、先行して長くいい脚を使えるタイプだ。今回は8枠14番(※馬番13番)からの発走となるが、スタートセンスが良く、砂を被ってもひるまない精神力が強みで、大崩れしにくい安定感がある。

懸念材料は距離延長と近走の成績だ。ベストはマイル前後と見られ、1800mで持ち味を活かせるかは未知数。加えて、フェブラリーS以降やや結果を残せておらず、調子を取り戻せているかが鍵となる。だが、調教では池添騎手自ら手綱を取り、坂路で自己2番時計となる4F50秒6をマークするなど動きは活発だった。直線で若干ヨレる場面はあったものの、最後まで軽快な脚取りで駆け上がり好仕上がりをアピールしている。

池添騎手との初コンビだが、同騎手は癖馬を動かすのに長けており、この馬の力を引き出す騎乗が期待できる。展開次第では粘り込みも可能で、人気以上の警戒が必要な一頭だ。

ハギノアレグリアスは8歳となった今もなお健闘を続ける老雄だ。昨年のチャンピオンズカップでは4着に健闘し、GIの舞台でも見せ場を作った。一昨年にはダート重賞を制し、交流重賞でも馬券圏内の実績がある実力馬で、中京ダート1800mを最も得意とする“中京巧者”でもある。実際、中京ではGIIIシリウスSを勝利しており、コース適性の高さはメンバー随一だ。

ここ2戦ほどは掲示板止まりが続き、かつての勢いに陰りも見える。ただ、追い切りでは若い時ほどの派手さはないものの、道中の踏み込みは力強く最後まで迫力ある走りを見せていた。一週前には岩田望来騎手が騎乗して坂路で53秒2を記録し併せ馬を互角にまとめ、最終追いではベテラン岩田康誠騎手が馬なりで軽快に駆け上がるなど、状態面はまずまずだ。年齢的な衰えは否めないが、気持ちの面では前向きさを保っている。

展開がハマれば上位進出のチャンスはある。先行勢が飛ばしてくれれば、持ち前の持久力を活かした差し脚で浮上してくる可能性も十分だ。新興勢力相手にベテランの意地を見せ、再び上位に食い込む場面が期待できる。

5歳牡馬ペリエールは、3歳時にユニコーンステークスを制した素質馬だ。その後はやや伸び悩んだが、今年夏のエルムステークス(GIII)で約2年ぶりに勝利を挙げ復調気配を示した。前走のみやこステークスでは見せ場なく大敗したものの、ここにきて調子を上げてきている印象だ。父ヘニーヒューズ譲りのダート適性とスピードが持ち味で、スタートも上手く先行策が取れる。8枠16番(※馬番15番)と大外近い枠だが、二の脚の速さで先行集団には加われるだろう。

課題はGIでの底力と詰めの甘さだ。好走と凡走を繰り返す傾向があり、ワンパンチ足りない競馬が続いている。ただ、今回は佐々木大輔騎手との新コンビで望む。減量騎手出身の若手で勢いがあり、思い切った騎乗で新味を引き出す可能性もある。最終追い切りは美浦ウッドで単走ながら楽な手応えで駆け抜け、動き・馬体とも良好だった。一週前には併せ馬で遅れる場面もあったが、最後は立て直してきた。

実績的には劣るものの、本来の力を発揮できれば上位に食い込める素質は秘めている。一発ムード漂う存在だけに、ハマった時の怖さは十分だ。

ウィリアムバローズは今年のかしわ記念(Jpn1)で2着に入線した実力馬だ。7歳という年齢だが大崩れすることが少なく、安定した先行力と勝負根性が持ち味。特にマイル〜1800m戦でしぶとい競馬を見せており、中央・地方を問わず高いレベルで走ってきた。ただ今回は約7ヶ月ぶりの実戦となり、いきなり全開のパフォーマンスを発揮できるかは未知数だ。

長期休養明けに加え、今回がチャンピオンズカップ初挑戦と課題もある。仕上がり自体は、最終追い切りで坂路自己ベストをマークするなど上々だ。頭を低く使った力強い走りで、休み明けを感じさせない動きを見せている。とはいえ、本番の速い流れと強力なメンバー相手に、ブランクが影響しないと言い切ることはできないだろう。馬自身の実力は確かだが、叩き良化型の傾向もあり、ここをひと叩きして次走が狙い目という見方もできる。

1枠1番という絶好枠を引き当てた点は大きなプラスだ。スタートを決めて内でロスなく立ち回れば粘り込むチャンスも生まれる。鞍上の岩田望来騎手は勢いのある若手ホープで、初コンビでも果敢にエスコートしてくるはずだ。大型馬らしいパワフルな走りで、自分の形に持ち込めれば一発の可能性もゼロではない。

セラフィックコールはスタミナ自慢の5歳牡馬だ。地方交流の長距離重賞ダイオライト記念(Jpn2)を2年連続制するなど、2400m級のマラソンレースで実績を積んできた。持久力勝負になれば簡単には止まらないしぶとさが売りで、砂を被っても動じない勝負根性も兼ね備える。ただ今回は7ヶ月ぶりの実戦で、仕上がり途上感が否めない。追い切りでも腹回りに余裕があり、少し馬体が太めに映った。

距離短縮となる1800mへの対応もカギだ。さすがにこの距離では忙しく、決め手に欠ける印象は否めない。道中のペースに戸惑わずについて行けるかがポイントとなるだろう。しかし一週前追い切りでは西村騎手を背に6F85秒3-1F11秒0の好時計をマークし僚馬に2馬身先着、久々を感じさせない動きを見せた。最終追い切りは軽めに留めたが、直線で僚馬を楽に交わして先着する内容で、終い1F11秒7の鋭さは目を引いた。

久々・距離短縮と条件は楽ではないが、スタミナ勝負に持ち込めば浮上の目はある。近走成績から大きな狙いは立てにくいものの、展開がもつれ消耗戦になれば台頭してくる可能性はあるだろう。

ペプチドナイルは昨年のフェブラリーステークスを制したGI馬だ。父は米国産のパワー型で、この馬自身も砂をかぶっても怯まない根性とスピードを兼ね備えている。ただ近走は精彩を欠いており、勝ち馬から大きく離されるレースが続いている。今回も復調気配を掴みきれないままの参戦で、大きな上積みは望みにくい印象だ。

実力的には本来もっと高い評価が必要だが、如何せん状態面の不安が拭えない。最終追い切りでは3頭併せの内から一杯に追われたものの、2歳馬にアッサリ交わされるシーンが見られた。前脚の動きに硬さが残り、頭の位置も安定せず、本調子には程遠いというのが率直なところだ。陣営としても「割り引きたい」とコメントするほどで、今回は試行錯誤の途上かもしれない。

唯一の希望は良馬場で持ち前の先行力が活きる展開になることだ。フェブラリーS制覇時のように、自分から早めに動いて押し切る形に持ち込めれば見せ場は作れるかもしれない。しかし総合的には厳しい戦いが予想され、復調の兆しが見えるまでは静観が妥当だろう。

9歳セン馬ヘリオスは、今年岩手競馬に移籍してきた異色の経歴を持つ。JRA時代はダート短距離で活躍し黒船賞2着などの実績があるが、近年は衰えもあり中央の一線級から離れていた。とはいえ地方移籍後も走り続け、ブリーダーズゴールドCで3着に入るなど意地を見せている。最年長馬ながらも闘志は健在で、豊富なキャリアを武器に果敢な先行策を取ってくるだろう。

最大の不安はさすがに年齢による衰えだ。ズバ抜けた末脚はなく、近走も粘り込んでの善戦が精一杯という印象は否めない。それでも、水沢競馬場で行った最終追い切りでは5F65秒9-1F12秒9(稍重)をマークし、暗い時間帯にもかかわらずキビキビとした脚さばきを披露した。長年培ったレース勘と四肢の使い方は年齢を感じさせないほどシャープで、気持ちも乗っている。メンバー中最年長だが、「年齢以上の動き」を見せており侮れない。

展開面では他にも逃げたい馬が多く、ハナを奪うのは容易ではないかもしれない。しかし、自分の形に持ち込めればしぶとさはまだまだ健在だ。厳しい戦いになるのは否定できないが、老兵の一発に警戒して損はないだろう。最後まであきらめず粘り込む姿に期待したい。

チャンピオンズカップの
AI予想記事はこちら

最終追い切りと1週間前追い切りからの比較・評価コメント

登録馬の最終追い切り情報が出揃ったのでまとめていく。

まとめる最終追い切り情報でわかる情報は次の10項目。

最終追い切り情報
詳細まとめ
  • 追い切り評価ランク
    (SS・S・A・B・C)
  • 馬名
  • 追い切り日
  • コース
  • タイム
  • 馬場状態
  • 併せ馬
  • 脚色
  • 評価コメント
    (データから見た見解)
  • 1週間前追い切り
    との比較
    (状態の上がり下がり)

ランク順に一覧でまとめていく。

その詳細がこちら。

※右にスクロール可能

追い切り

評価

ランク

馬名 追い切り日 コース タイム 馬場状態 併せ馬 脚色 評価コメント(1週前との比較も込み)
SS ナルカミ 12/3

美浦

W

6F82.0-5F66.2-4F51.5-3F37.3-1F11.2

併せ同入

(古馬OP)

なり

1週前もWで好時計だったが、最終は全体・ラストともほぼ同レベルで、

しかも終始楽な手応え。ラスト11秒2まで切れを上げてきた分だけ、

1週前より一段ギアが上がった印象だ。仕上がりはほぼ文句なしで、

状態面での不安はゼロに近い。

SS

シックス

ペンス

12/3

美浦

坂路

4F52.1-3F38.4-2F24.6-1F12.2 併せ先着

なり

1週前は美浦Wで3頭併せ先着、最終は坂路でこの日の一番時計タイ。

強く追わずに楽に52秒1を出していて、

硬さが心配された前走よりも上半身の使い方がスムーズになっている。

1週前より明らかにキレと前向きさが増していて、

仕上がりだけならトップクラスだ。

S ラムジェット 12/3

栗東

坂路

4F52.6-3F39.0-2F?-1F12.7 単走 一杯

1週前は栗東Eコースでラスト10秒9という鬼時計、

最終は坂路で自己ベスト更新クラスの52秒台。

筆者によって評価は割れているが、

「1週前で仕上げ切って最終で微調整」というよりは、

1週前→最終としっかり負荷を重ねたタイプで、

ストライドも大きくなっている。若干テンションだけ注意だが、

上昇度は大きい。

S

ウィルソン

テソーロ

12/3

美浦

W

5F66.5-4F50.9-3F37.3-1F11.9 併せ同入 強め

1週前はWで一杯に追って格下に遅れる内容だったが、

最終は距離を短くして集中して追い切り、

反応と加速は明らかにマシになった。

昨年までの当週と比べると硬さは少しあるが、

1週前からの巻き返しという意味ではしっかりリカバリーしてきた印象だ。

S

ダブル

ハートボンド

12/3

栗東

坂路

4F52.0-3F37.9-2F25.0-1F12.7 単走

強め

1週前は坂路54秒台と控えめだったのに対して、

最終は52秒0まで詰めてきた。

坂井騎手騎乗でしまいの反応を確かめる内容で、

直線の手応えも悪くない。

レコードVの反動が心配だったが、

少なくとも追い切りからは大きな疲れは見えず、

1週前より3~4割上乗せしてきたイメージ。

S

テンカ

ジョウ

12/3

栗東

CW

6F86.6-5F69.7-4F53.6-3F37.6-1F11.6 単走 強め

1週前はメイショウハリオと7Fからみっちり併せていて、

最終は単走で反応と脚さばきの確認。

時計は控えめだが、フォームは軽く、

CW→CWの流れで負荷と調整のバランスがかなりいい。

1週前の段階でほぼできていて、当週でさらに細かい部分を整えた感じだ。

S

サンライズ

ジパング

12/3

栗東

坂路

4F50.6-3F37.0-2F24.3-1F12.2 単走

なり

1週前CWの3頭併せでかなりビシッとやっていて、

最終は坂路で当日の1番時計タイ。

強く追わなくても時計が出るタイプとはいえ、50秒台前半はさすが。

前走より調教量も中身も増えてきていて、

1週前からさらにギアを一段上げてきたと言っていい。

S

メイショウ

ハリオ

12/3

栗東

CW

6F83.9-5F67.7-4F52.6-3F37.5-1F11.4

3頭併せ

先着

一杯

1週前は7Fから長めでしっかり負荷をかけ、最終は6Fでキレ重視。

8歳にしては珍しいくらい反応が良く、ラストも11秒4まで詰めてきた。

前走と比べてもかなりシャープになっていて、

ラストランに向けて

ここがこの馬のピークだと言えるくらいの仕上がりだろう。

S

アウト

レンジ

12/3

栗東

CW

6F82.1-5F66.5-4F51.9-3F36.9-1F11.4 単走 一杯

1週前もCWで好時計&併せ先着だったが、

最終も単走でしっかり負荷をかけてラスト11秒4。

前走で戸惑った分をリセットするような内容で、

反動もなく順調に上向いている。

1週前の良さを素直に維持、やや上乗せしたイメージ。

S

ルクソール

カフェ

12/3

美浦

W

6F83.1前後-ラスト1F11.6

併せ

1馬身遅れ

なり

1週前は坂路で軽く、最終はWできっちり息を整える形。

数字以上にフォームが良く、わざと抑えて相手に遅らせただけで、

動き自体はかなり軽い。中2週であまり攻めすぎていないが、

武蔵野Sから大きく落ちた感じもなく、

1週前の「軽め」から予定通りきっちり仕上げてきた印象だ。

A ペリエール 12/3

美浦

W

6F83.9-5F67.7-4F52.3-3F37.6-1F11.7 単走

なり

1週前は併せでやや気合不足&伸びもイマイチだったが、

最終は単走でラスト11秒台まで上げてきて、

動きもだいぶ柔らかくなっている。

まだ「絶好調」とまでは言い切れないが、1週前からはハッキリ良化。

G1で勝ち切るかは別として、前走みやこSの負けほど状態は悪くない。

A

ペプチド

ナイル

12/3

栗東

CW

6F83.6-5F67.7-4F52.1-3F37.1-1F12.1

併せ

遅れ

一杯

1週前は坂路で地味な時計&格下に遅れて不安が残る内容だったが、

最終でCWに替えて本追い。全体時計は悪くないものの、

併せでは終始見劣り気味で、まだ本来の迫力までは戻っていない。

1週前から大幅良化とは言いづらく、

「なんとか間に合わせた」くらいの評価にとどめたい。

A

ウィリアム

バローズ

12/3

栗東

CW

7F95.7-6F80.2-5F66.3-4F52.9-3F38.7-1F12.3 単走 一杯

1週前もCWで長めから一杯に追っていて、最終も同じくCWで長め。

内容としてはほぼ“据え置き”で、状態は高いラインで安定しているが、

上積みという意味ではそこまで感じない。

年齢もあって爆発的な変わり身までは期待しにくいが、

調教だけ見れば「いつも通りは走れる」タイプの仕上がりだ。

A

セラフィック

コール

12/3

栗東

CW

5F71.1-4F54.9-3F38.8-1F11.7

併せ

先着

一杯

1週前にCWでビシッとやって、最終は少し距離を短くして終い重点。

ラストは11秒台で切れているが、

手前替えのぎこちなさや口向きの悪さを指摘するコメントもあり、

動きの質はかなりピーキー。1週前から大きく落ちてはいないが、

「絶好調」までは言いづらく、A止まりの感触だ。

A

ハギノ

アレグリアス

12/3

栗東

坂路

4F56.0-3F40.1-2F25.6-1F12.6 単走

なり

1週前に坂路でしっかり負荷をかけているぶん、

最終は“調整色”が濃い軽めの追い。動き自体は悪くなく、

元気さも感じるが、年齢的なズブさはどうしても見える。

1週前からの上積みはあまり感じず、「いい意味で平行線」というイメージ。

状態は悪くないが、爆発感もない。

B ヘリオス

不明

(主に水沢)

水沢

ダート他

5F71.0-4F54.7-3F40.4-1F12.8(これは1週前) 単走

なり

地方所属で詳しい最終追い切り時計は出ておらず、

見られるのは1週前の水沢での軽め調整くらい。

そこまで状態が悪いようには見えないが、

「良くも悪くも普通」という印象で、

他の中央勢のような強い攻めとの比較では見劣る。

1週前から上積みを推し量る材料も薄く、

評価としてはどうしてもB~C寄りになる。

ざっくり総括と1週前からの“変化”

まず、最終追い切りだけで見ると、明らかに一枚抜けて良いのはナルカミとシックスペンスだと思う。

どちらも1週前から高い水準で時計を出してきていて、当週の動きも非常にスムーズ。

ナルカミは「1週前でほぼ仕上がっていて、最終で微調整」のパターンだけど、ラスト11秒2でちゃんと上積みも見せている。

シックスペンスは「1週前に少し硬さがある」と言われていた部分が、坂路での最終でかなり気にならなくなっていて、仕上がりに関しては文句なしでSSに置いていい。

その次の層がウィルソンテソーロ、ラムジェット、ダブルハートボンド、テンカジョウ、サンライズジパング、メイショウハリオ、アウトレンジ、ルクソールカフェあたりのS組。

ウィルソンテソーロは1週前がやや物足りない内容だった分、最終でしっかり取り返したタイプで、「不安→普通に良い」に戻した感じ。

ラムジェットは1週前Eコース10秒9から最終坂路52秒台と時計だけ見れば完全に“調教目立ち馬”だが、見方によっては攻めすぎとも取れるので、レース当日のテンションチェックは必要だろう。

ダブルハートボンド、テンカジョウ、サンライズジパング、アウトレンジは、1週前ですでに良かったものを最終で素直に上積み、もしくは維持してきた組。

メイショウハリオは8歳とは思えないくらいシャープになっていて、「年齢以上の動き」を見せているという意味でかなり面白い。

A組のペリエール、ペプチドナイル、ウィリアムバローズ、セラフィックコール、ハギノアレグリアスは、「1週前の不安をある程度は消してきたが、S組ほどの説得力まではない」グループだ。

ペリエールはラストのキレが戻ってきたのは好材料だが、全盛期ほどの勢いまではまだ戻っていない。

ペプチドナイルは時計の数字は悪くないが、動きの迫力がまだ足りず、「半信半疑」の域を出ない。

ウィリアムバローズは常に調教は動く馬なので、「良いけど特別良くもない」タイプ。

セラフィックコールは相変わらずラストは切れるが、動きにムラの片鱗があって、力は認めつつも当てにし過ぎると危ない。

ハギノアレグリアスも元気はあるが、年齢によるズブさはどうしても感じる。

ヘリオスだけは、地方所属+公開情報が少ないぶん判断材料が薄い。

1週前の水沢での時計を見るかぎり、極端に悪いわけではないが、中央勢のハードなCW・W・坂路組と比べるとどうしても見劣りする。

調教だけで大幅に評価を上げるタイプではなく、「地方の実績と展開頼み」でどこまで食い込めるか、という立場に変わりはないだろう。

最終追い切りの優先順位と、ここから予想で見るべき他の要素

このレースに限れば、追い切りの優先順位はざっくりこんな感じで考えている。

1.1週前+最終の“セット”で上昇しているかどうか

ナルカミ、シックスペンス、サンライズジパング、メイショウハリオ、アウトレンジ、ラムジェット、ダブルハートボンドあたりは、1週前から当週にかけて「良さをキープしつつ、ラストの切れか反応が明確に良くなっている」側だ。

逆にペプチドナイルやセラフィックコールは、「数字は悪くないが、1週前の不安を完全には消し切れていない」印象で、強く上げづらい。

2.調教パターンがその馬の“いつもの好走パターン”かどうか

ウィルソンテソーロは「W長め→当週で少し軽く」、メイショウハリオは「長めから徐々にラスト重視」というこれまでのローテと似た流れで、過去好走時と同じパターンを踏んでいる。

ナルカミも田中博厩舎らしく、人と馬のコンタクト重視で、南部杯以降と同じ調整。こういう“いつも通り”は信頼度が高い。

一方で、ペプチドナイルのように「当週の負荷のかけ方がいつもと違っていて、しかも反応が良くない」ケースは、数字だけ良くても慎重に見たほうがいい。

3.「好時計=そのまま本命」ではない

ラムジェットの10秒9やサンライズジパングの坂路1番時計など、目立つ時計はいくつもあるが、それがそのまま本命要素かと言われると、馬ごとのキャラ次第だ。

調教で動くタイプ(サンライズジパングなど)は、「動いて当たり前」の部分もあるので、時計よりも内容(リズムや折り合い、体の使い方)のほうを優先したほうがいい。

そして、最終的な予想では、ここに

これまで一緒に見てきた前走クラス・前走着順・人気帯・脚質・枠・性齢・血統・リピーター

・今年のメンバー構成から見たペース想定(前が多いか、抑える騎手が多いか)

・当日の馬場状態(そこまで極端に変化しないレースだが、乾き具合・含水率の違い)

を重ねていく感じになると思う。

ざっくり言うと、「過去傾向+調教」で素直に上に置きやすいのは、ナルカミ、ウィルソンテソーロ、シックスペンス、ラムジェット、サンライズジパング、アウトレンジ、メイショウハリオ、ダブルハートボンドあたりで、そこに「枠」「脚質」「オッズ」のバランスを足して、どこまで印を落とすか決めるイメージだ。

逆に、調教だけを見ても「ここから大きく買い足すのは怖い」と感じるのは、ペプチドナイル、セラフィックコール、ハギノアレグリアス、ヘリオスあたりで、ここは他のファクターも含めて冷静に取捨したほうがいいゾーンだと思う。

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1週間前追い切り評価とコメント

チャンピオンズカップの2025年の出走馬について、最新の追い切り情報とその評価をランクごとにまとめた。

各ランク(SS、S、A、B、C)の馬について、追い切りのタイム、コースや馬場状況、並走状況、脚色の特徴、そしてそれぞれの評価コメントが閲覧可能。

※右にスクロール可能

追い切り

評価ランク

馬名 追い切り日 コース タイム(◯Fごと) 馬場状態 併せ馬 脚色 評価コメント
SS ラムジェット 11/27頃 栗東E 5F80.9-4F65.7-3F50.9-2F36.6-1F10.9 不明 単走 一杯

Eコースでラスト10.9。

前半はそれほど詰めず、直線で一気にギアを上げている内容。

時計・フォームともに今回メンバー中トップ級で、

1週前時点の仕上がりは文句なしに最上位クラスだ。

SS ナルカミ 11/27(木) 美浦W 6F81.6-5F65.4-4F51.7-3F37.9-1F11.5 不明

併せ先着

(ホウオウサムレット)

馬なり

ウッドで外から追走→直線で楽にクビ差先着。

ラップもきれいで、加速していく形の理想的な内容。

4連勝後でもテンション上がり過ぎていないコメントも出ていて、

精神状態も含めてかなり良い仕上がりだと見ていい。

SS シックスペンス 11/27(木) 美浦W 5F66.3-4F51.8-3F36.9-1F11.2 不明

3頭併せ最内から

2頭に先着

馬なり

3頭併せ最後方から、直線で内を捌いて2頭に2馬身先着。

終始馬なりでラスト11.2という内容はかなり優秀。

初ダート2戦目でまだ伸びしろがある中、

この動きなら仕上がりに不安はない。

スピードと反応の良さが目立つ1本。

SS テンカジョウ 11/27頃 栗東CW 6F97.5-5F81.3-4F66.9-3F52.6-2F37.7-1F11.8 不明 併せ先着 強め

長めからじっくり入って終いを強め、しっかりと先着。

調教師コメントも「バランスが良くなり100点満点」とかなり強気で、

牝馬としては珍しいくらい攻めてきている印象。

時計そのものは速すぎないが、長く脚を使う内容で中京向きの仕上がりと言っていい。

SS サンライズジパング 11/27頃 栗東CW 6F83.2-5F68.4-4F53.3-3F37.4-1F11.1 不明 併せ先着 一杯~強め

少し速めの入りから、直線はしっかり追われて11.1。

相手を突き放す内容で、

「使えるかどうか確かめる」目的の追いの中でも動きは抜けている印象。

休み明けでも馬体が締まっていて、1週前としてかなり前向きに評価していい。

S アウトレンジ 11/27頃 栗東CW 6F95.1-5F79.5-4F65.3-3F51.7-2F37.3-1F12.0 不明 併せ先着 一杯

みやこSで消化不良だった分を取り返すかのように、

しっかり負荷をかけたCW追い。

道中からある程度締まったラップで進めて、

終いまで脚いろは衰えず先着。

叩き2走目での上昇を狙った“ビシッと系”で、

状態は確実に前走以上と見ていい。

S セラフィックコール 11/27頃 栗東CW 6F85.3-5F69.0-4F53.4-3F37.8-1F11.0 不明 併せ先着 一杯

ラスト11.0はトップクラスの切れ。

追えば追うほど伸びる内容で、休み明けでもしっかり動けている。

CWでここまでやれるなら中身はかなり入っていて、

あとは気性面をどうコントロールするかだけ、

というレベルの仕上がり。

S ウィルソンテソーロ 11/27(木) 美浦W 6F83.0-5F66.6-4F52.1-3F37.7-1F12.0 不明

併せ遅れ

(サイモフェーン)

馬なり~

軽く仕掛け

時計は十分だが1馬身遅れ。

ただし陣営は「余計なことはせず反応だけ確認」と話していて、

すでに仕上げ済みの馬を“整える”色合いが濃い1本。

JBCから間隔も詰まっており、

1週前としては負荷よりも状態維持を重視した形で、

マイナス材料とまでは見ない。

S ダブルハートボンド 11/27(木) 栗東坂路 4F54.3-3F40.0-2F26.1-1F12.9 不明 併せ同入 馬なり

みやこSレコード勝ち後ということもあり、1週前はあえて軽め。

坂路で馬なりながらも最後までフォームはぶれず、併せ馬と楽に併入。

時計だけ見ると地味だが、

「オーバーワークにしない」狙いがはっきりしていて、

勢いをキープしていると見ていい。

S ルクソールカフェ 11/27(木) 美浦坂路 4F59.0-1F13.1(中間ラップ非公表) 不明 単走 馬なり

4F59.0と時計自体はかなり軽めだが、馬なり単走で余裕十分。

師のコメントどおり体調は安定していて、

今回は前走武蔵野Sからの“維持寄りローテ”。

1週前に無理をしていないのはプラスで、

当週にピッチを上げる前提なら評価は高めに取っていい。

S メイショウハリオ 11/27頃 栗東CW 6F98.2-5F81.9-4F67.4-3F53.0-2F37.8-1F11.8 不明

併せ同入

(テンカジョウを

後ろから)

馬なり~

軽く仕掛け

テンカジョウを2馬身ほど前に行かせて追走し、

最後までしぶとく脚を使って併入。

もともと攻め駆けしないタイプで、この時計ならむしろ動けている部類。

年齢を考えれば十分な内容で、

「大きく良くなった」ではないが“いつものハリオ”ぐらいには整っている。

A ウィリアムバローズ 11/27頃 栗東CW 6F96.2-5F80.1-4F66.4-3F52.3-2F37.5-1F11.5 不明 単走 一杯気味

単走でしっかり追われ、ラスト11秒台前半。

年齢的な衰えは感じさせず、フォームもきれい。

ただ若い頃の“迫力満点”というほどではなく、

全盛期比で半歩落ちた印象もあるので、

仕上がりは良いがSまでは届かないイメージ。

A ハギノアレグリアス 11/27頃 栗東坂路 4F53.2-3F38.7-2F25.2-1F12.6 不明 併せ先着 強め

坂路でやや強めに追われて先着。

コメントも「この一追いで良くなった」と前向きで、

8歳にしては活気がある。

ただし時計面で抜けているわけではないので、

年齢を考えると“好調キープ”レベル。

馬の状態自体は悪くなく、力を出せる仕上がり。

A ペリエール 11/27頃 美浦W 6F83.5-5F68.1-4F53.4-3F38.7-1F12.6 不明 併せ遅れ 一杯

しっかり追われての時計で、数字自体はまずまず。

ただし併せではやや遅れ気味で、まだ重さが残る印象もある。

陣営も「回復は順調」と語っていて、状態は上向きだが、

1週前時点では“7~8分”くらいのイメージ。

最終追いでどこまで上がるかを見たい。

A ペプチドナイル 11/27頃 栗東坂路 4F57.5-3F39.5-2F24.6-1F12.1 不明 併せ先着 強め

時計だけ見るとかなり地味だが、ラスト2F24.6-12.1の加速は悪くない。

評価記事でも「脚取りは確か」とされていて、

調子落ちではなく“やり過ぎない調整”という印象。

完全復活まではもう一段ほしいが、

フェブラリーS勝ち馬として最低限の態勢は整っている。

A ブライアンセンス 11/27頃 美浦W 4F68.1-3F53.1-2F38.5-1F12.0 不明 併せ同入 馬なり

そこまで強くやらず、馬なりでサッと。

時計も軽めで“調整色”が強い1本ではあるが、

フォームは安定していて悪い印象はない。

G1へ向けての1本というより、

状態キープを確認するための追いという感じで、

良くも悪くも平行線。

B ハピ

11/27頃

(詳細時計不明)

栗東CW想定

併せ

(アウトレンジと)

一杯

併せ相手のアウトレンジとビシッとやった形。

ただ、現時点で具体的な1週前ラップは公開されていない。

動きの評判は悪くないが、他馬ほど裏付けとなる数字がなく、

評価としては一段だけ下げてBに置いておく。

軸級で一歩抜けて良いと思うのはラムジェット/ナルカミ/シックスペンス/サンライズジパング/テンカジョウ。

この5頭は「時計」「ラストの加速」「見た目の迫力」「各サイトの評価」の全部を総合しても高水準。

特にラムジェット(Eコース10.9)とナルカミ(美浦Wの6F81秒台+11.5)は、仕上がりだけなら頭2つ抜けているイメージで、本命候補としてかなり強く意識しておきたい。

2列目候補として厚く取りたいのがウィルソンテソーロ/アウトレンジ/セラフィックコール/ダブルハートボンド/ルクソールカフェ/メイショウハリオ。

ウィルソンは「遅れ=マイナス」ではなく“仕上がり済みを整えた”内容で、リピータースコアも含めればむしろ信頼度は高い側。

アウトレンジ・セラフィックコール・サンライズジパングはラスト1F上位勢で、ラップの質も高く、中京の直線向き。

ダブルハートボンドとルクソールカフェは軽めだが、前走内容と血統を考えれば“上昇より維持重視”の調整でプラスに見ていい。

メイショウハリオは“らしさ”の範囲内で、年齢なりだが順調さは伝わる内容。

A評価の組(ウィリアムバローズ/ハギノアレグリアス/ペリエール/ペプチドナイル/ブライアンセンス)は、「悪くはないが、1週前だけで強気に格上げするほどではない」ゾーン。

ここは他のファクター(前走内容・枠・人気)とのトータルで、2列目に上げるか3列目に落とすか決めるイメージだろう。

B評価以下、もしくは時計が取れていない組は、追い切りだけを見ると“強い買い材料にはならない”ので、人気・ローテ・年齢など他のマイナス要素と重なった馬から順に削っていくのが自然。

特に7歳以上で時計面も地味(ウィリアムバローズ、ペプチドナイル)、地方馬で、調教の情報がほとんど出てこないサントノーレ/ヘリオス/メルトあたりは、「1週前でプラスを取れる要素がない」という意味で、追い切りだけ見れば消し寄りになってくる。

逆に、追い切りを“消し条件”ではなく“後押し材料”として素直に使うなら、ラムジェット/ナルカミ/シックスペンス/サンライズジパング/テンカジョウは本命~対抗ゾーン。

ウィルソンテソーロ/アウトレンジ/セラフィックコール/ダブルハートボンド/ルクソールカフェ/メイショウハリオは連軸~2列目厚め。

A評価組はオッズと相談しつつ、3連系で2~3列目に振り分け。

情報薄い組に関しては他のファクター(人気・ローテ・枠・脚質)でよほど押せる理由がなければ、優先的に削る候補。

このくらいの整理にしておくと、「人気」「前走クラス」「前走着順」「脚質」「枠」「馬場」「性齢」「東西」「血統」「リピータースコア」と、ここまで積み上げてきたファクターに“追い切りレイヤー”を重ねて、どこを本線に寄せるか調整しやすくなると思う。

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