阪神ジュベナイルフィリーズ2025の過去のレース傾向・消しデータ

どうも、競馬口コミダービー管理人の木口順一だ。

2025年12月14日日曜はG1・阪神ジュベナイルフィリーズ。

2歳牝馬の頂点を決めるこのレース、ただの早熟比べでは終わらない。

外回りマイルの長い直線と坂で、前に行く馬も差す馬も最後にもう一段の力を問われるからだ。

今年は②枠のアランカール(北村友)とミツカネベネラ(津村)が内で脚をためやすく、③枠のアルバンヌ(坂井)も形を作りやすい。

一方で前に行きたい馬も多く、流れひとつで結果が揺れやすい。

何を信じて、何を疑うか。そこを整理すると予想は一気に読みやすくなる。

そこでこの記事では阪神ジュベナイルフィリーズの過去10年のデータをまとめ、それぞれの消しデータ・消し条件までまとめてみた。

それぞれのデータがどう予想に使えるかまで書いてあるので、ぜひご自分の予想に役立てて欲しい。

さらに競馬口コミダービーでは過去傾向だけでなく、「追い切り評価/全頭診断」「AI予想」の記事も公開しているので合わせてご覧いただきたい。

全頭診断・追切まとめはこちら

阪神ジュベナイルフィリーズ2025のAI予想はこちら

この記事でわかること
  • 過去10年の
    阪神ジュベナイルフィリーズの
    レース傾向・データ
    (人気別成績
    前走レース別成績
    前走着順別成績
    脚質別成績
    馬場ごとのデータ
    配当傾向
    性令別成績
    関西関東の勝率
    血統傾向
    リピータースコア)
  • 過去傾向から抽出した
    消しデータ・消し条件
  • 過去傾向・データの
    予想活用方法

馬アイコンこの記事を書いたのは

執筆者画像

木口 順一

競馬歴18年の42歳。

何年か前にブログや掲示板を運営する某会社を退職。
退職後はそのノウハウと自分の長い競馬歴で何かできないか考えた末、競馬口コミダービーを設立。

安定して稼げる競馬予想サイトを探すために、ユーザーからの口コミを基に検証を続けている。

今まで検証してきた予想サイトの数は1,000サイト以上。
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現在は競馬予想家・競馬ジャーナリストとしても活躍中。
好きなレースはやっぱり日本ダービー。

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今回紹介している阪神ジュベナイルフィリーズの過去傾向データまとめとは別にぜひ一度目を通してみてくれ。

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阪神ジュベナイルフィリーズの過去10年の傾向早見表!

それでは改めて阪神ジュベナイルフィリーズの過去傾向について分析データを紹介していく。

細かく過去の傾向を紹介していくが、まずは阪神ジュベナイルフィリーズのざっくりした傾向を掴むために先んじて過去10年の傾向を一言でまとめてみた。

「人気別成績」「前走レース別成績」「前走着順別成績」「脚質別成績」「枠順別成績」「馬場ごとの勝率データ」「配当傾向」「性齡別成績」「関西・関東比率」「血統傾向」「リピータースコア」の計11項目でまとめているので、なんとなくの雰囲気だけでも先に把握しておいてみてくれ。

阪神ジュベナイルフィリーズの
傾向まとめ
  • 人気別成績
    勝ち馬は上位人気から出やすく、穴は主に2着や3着に入りやすい。

  • 前走レース別成績
    前走が重賞の馬が中心で、条件戦からの一気の勝ち切りは起きにくい。

  • 前走着順別成績
    前走で1着か2着の馬が強く、前走で大きく負けた馬は巻き返しにくい。

  • 脚質別成績
    差しが最も馬券に絡みやすく、逃げは例外的にしか通用しない。

  • 馬場ごとのデータ
    過去10年は良馬場しかなく、良馬場では差しと上位人気がより強く出やすい。

  • 枠順別成績
    内から中の枠が有利で、特に外枠は勝ち切りが難しくなる。

  • 配当傾向
    頭は堅めでも相手が荒れて高配当になる年が混ざる。

  • 関西関東の勝率成績
    関東馬は出走数が少ないのに馬券に絡む割合が高く、穴も関東馬から出やすい。

  • 血統傾向
    サンデー系を軸に、母系にパワー型の血が入る配合が走りやすい。

それではここからは各項目のデータについて解説していく。

それぞれの成績をどう予想に活用すれば精度が上がるのかもいっしょに説明していくので、ぜひ参考にしてみて欲しい。

もし細かいデータまで見る必要がない、もはや予想買い目を手軽に見たいだけという方にはAI予想買い目も公開中。

そちらの記事もぜひ確認してみてほしい。

阪神ジュベナイルフィリーズの
AI予想まとめ

過去傾向・消しデータが影響しそうな馬ランキング

それぞれのデータについて細かく紹介していくその前に。

まずは阪神ジュベナイルフィリーズに出走する馬がデータで見て、それぞれどれくらい有利か不利かを先んじて見える化してみよう。

11項目ある傾向データを点数にして、出走予定の馬をランキング順に並び替え。

さらに阪神ジュベナイルフィリーズならではのデータの優先順位で点数を調整してみた。

その点数順がこちらだ。

※右にスクロール可能
記号→素点:◎=+2、◯=+1、−=0、△=−1、✕=−2
※重み(重視順):前走着順×4、前走レース×3、枠順×3、人気×2、脚質×2、血統×2、馬場×1、配当×1、関西関東×1

馬名 合計点数 人気別成績 前走レース別成績 前走着順別成績 脚質別成績 枠順別成績 馬場ごとのデータ 配当傾向 関西関東の勝率成績 血統傾向
ミツカネベネラ 33
アランカール 33
アルバンヌ 21
スターアニス 21
マーゴットラヴミー 18
ショウナンカリス 14
スウィートハピネス 8
タイセイボーグ 5
ヒズマスターピース 5
イヌボウノウタゴエ 4
ギャラボーグ 2
メイプルハッピー -1
スタニングレディ -5
アンヘリータス -5
フロムレイブン -8
ラスティングスノー -10
レディーゴール -14
ローズカリス -17

この重賞は、特に「前走着順」「前走レースの格」「枠順」「脚質」の4つが結果に直結しやすいので、そこに重みを置いた。

実際、ショウナンカリスとタイセイボーグが能力の割に点が伸びない形になっているが、これは「外枠の勝ち切りが難しい」という過去傾向をそのまま反映した結果だ。

逆にミツカネベネラとアランカールが同点トップなのは、どちらも“勝ち切りやすい人気帯”に入りやすく、内寄りの枠で差しが打てる条件が揃っているからだ。

ただ、この表は「過去10年の型にどれだけ当てはまるか」を点数化しただけで、当日の勝ち負けを決める最後の一押しは別にある。

今回の重賞で予想の優先順位を組むなら、現実的には 最終追い切りや当日の馬体の雰囲気、当日の芝の伸び方、想定されるペースと位置取り がまず上に来て、その次に「枠順×脚質」「前走の中身(強さの見え方)」、最後に「人気や配当」「血統での裏付け」という順番になるだろう。

だから、この表は“買う候補の土台作り”に使って、最後は追い切りと展開で上下させるのが一番ブレにくいはずだ。

それではここから11項目の各データと、予想にどう使うか、その活用方法と消しデータを紹介していく。

上記の早見表だけでさっくり使うのではなく、自分でもデータを吟味したい人は活用してみてくれ。

阪神ジュベナイルフィリーズ
全頭診断追い切りまとめ

【人気別成績】

阪神ジュベナイルフィリーズの過去10年で、何番人気が上位入線しているのかをまとめてみた。

※右にスクロール可能

人気帯 勝率 連対率 複勝率 平均
着順
最頻
着順
期待値スコア
〈単勝回収率〉
1番人気 50.0% 50.0% 50.0% 2.5 1着/着外が同数 137%
2番人気 10.0% 40.0% 50.0% 3.0 着外 41%
3番人気 20.0% 30.0% 60.0% 2.9 着外 56%
4〜6番人気 6.7% 13.3% 26.7% 3.5 着外 118%
7〜9番人気 0.0% 6.7% 10.0% 3.8 着外 0%
10番人気以下 0.0% 2.3% 3.4% 3.9 着外 0%

この10年、勝ち馬は全部5番人気以内で決着していて、数字だけ見ると「勝ち馬はほぼ上位人気から」というレースだと言い切っていい。

1番人気が【5勝・複勝率50%】、2・3番人気も複勝率50〜60%なので、馬券圏の中心は1〜3番人気ゾーンだと割り切れる。

一方で、1番人気は勝つか飛ぶかの両極端になっていて、2〜3着に残ったケースがゼロ。

勝率50%と単勝回収率137%はかなり優秀だが、複勝で安全に拾うタイプではない。

2・3番人気は勝ち切る率こそ落ちるものの複勝率は高く、ここを「3連複の軸」にして、1番人気は頭狙いに振る、みたいな役割分担がしやすい。

中穴側を見ると、4〜6番人気は勝率こそ低いが、単勝回収率118%と「妙味の塊」になっている。

勝ち馬10頭のうち何頭かはここから出ているので、「実力はあるのに人気が一枚落ちた馬」をここで拾えるとリターンが大きいゾーンだろう。

逆に、7番人気以下になると複勝率が10%前後、しかも単勝回収率ゼロなので、頭まで突き抜けるイメージはほぼ捨てていい

10番人気以下は2着2回・3着1回あるだけで、基本は3連系で薄く拾うかどうかの世界になる。

このレースを人気だけでざっくり表現すると、「勝ち馬は1〜5番人気、特に1〜3番人気が中心。穴は4〜6番人気の単勝妙味ゾーン。7番人気以下は2・3着のヒモに一応注意」という構図になる。

予想への活用方法と消しデータ

活用方法と
消しデータ
  • 1〜3番人気ゾーンは勝ち馬の半分を占めるうえ、単勝回収率も悪くないので、「頭候補の中心」として扱いたい。ここに入ってきそうなのがアランカール、マーゴットラヴミー、アルバンヌ、タイセイボーグ、ミツカネベネラあたりで、このグループから本命・対抗・単穴を選ぶのが基本線になるだろう。

  • 1番人気は勝つか飛ぶかで、中途半端に2〜3着に残らない傾向が強いので、アランカールがガチガチの1番人気になるなら「単勝・馬単の1着固定」か「思い切って頭から外すか」の二択で考えた方が組み立てやすい。3連複の軸という意味では、むしろ2〜3番人気側(マーゴットラヴミー、アルバンヌ、ミツカネベネラあたり)を優先した方がデータ的には素直だろう。

  • 4〜6番人気は勝率は低いのに単勝回収率は118%とかなり高く、「買うなら単勝・1着固定で思い切りよく」というゾーンだ。実績や内容の割に1〜3番人気ほどは売れなさそうなスターアニス、ショウナンカリス、ラスティングスノー、ヒズマスターピースあたりがこの帯に収まるなら、「本命にはしないけど、アランカールが飛ぶケースの1着候補」として単勝・3連単1着流しの相手に据える価値は高い。

  • 7〜9番人気は、過去10年で1頭も勝っていないうえ単勝回収率もゼロなので、「頭候補からは原則消し」でいい帯だと思う。ただし2〜3着には何頭か入っているので、3連複・3連単の3着欄で遊ぶイメージなら、Bランク寄りでもコース適性やローテが噛み合う馬――例えばアンヘリータス、イヌボウノウタゴエ、ウィングブルー、ギャラボーグ、コスモレッド、サンブライトあたりをちょっとだけ拾う、という使い方はアリだろう。

  • 10番人気以下は、10年で勝ち馬ゼロ・2着2回・3着1回だけという数字なので、「単勝・頭候補としてはデータ上ほぼ消し」でいい。レディーゴール、メイプルハッピー、フロムレイブン、ノアールビーナス、ウィングブルーあたりがもしこのゾーンまで人気を落とすなら、基本はバッサリ切る前提で、どうしても引っかかる材料(前走内容、血統、追い切り)があれば3連複や3連単の3着欄にだけ1〜2頭足す、くらいの扱いにとどめたい。

  • 消し条件としては、「7番人気以下かつ前走3着以下」「7番人気以下かつ重賞未経験で、今回いきなりG1というタイプ」はかなり厳しい。過去10年の前走着順データでも、前走3着以下は連対率・複勝率が極端に落ちるので、人気も無いBランク勢(アンヘリータス、レディーゴール、イヌボウノウタゴエ、ウィングブルー、ノアールビーナス、メイプルハッピーあたり)がこの条件に当てはまるなら、「3連系でも厚くは買わない」という線引きでいいだろう。

  • 逆に、人気別データと前走ローテの両方でプラスに出ているのが「上位人気+前走アルテミスS・白菊賞・サフラン賞・りんどう賞の好走組」なので、アランカール(野路菊S→1番人気想定)、アルバンヌ(サフラン賞勝ち)、マーゴットラヴミー(白菊賞勝ち)、ミツカネベネラ・タイセイボーグ(アルテミス好走)あたりは、オッズが多少被っても素直に買いポイントを上げたいグループになる。

【前走レース別成績】

過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズに出走した馬を、前走の格(クラス)別に成績を集計してみた。

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前走レース 勝率 連対率 複勝率 勝利数 2着数 3着数 着外数
G1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0 0 0
G2 0.0% 11.1% 33.3% 0 1 2 6
G3 10.1% 13.9% 22.8% 8 3 7 61
OP・L 8.3% 16.7% 16.7% 1 1 0 10

3勝クラス

以下

1.3% 8.0% 9.3% 1 5 1 68

まず、勝ち馬10頭のうち8頭が「前走G3」から来ている。

さらに「前走G2」を足した前走JRA重賞組だけで、3着以内30頭のうち21頭を占めるデータになっていて、格の高いレースで揉まれてきた馬がほぼ主役、という構図がかなりハッキリ出ている。

一方で、1勝クラス以下(新馬・未勝利を含む)は母数が多いわりに、勝ち馬はショウナンアデラの1頭だけで、2着4頭・3着1頭と「相手まで」というイメージが強い。

新馬・未勝利からの直行は【0-1-0-22】で、馬券に絡んだのは1頭だけという数字なので、「よほど内容が抜けていない限りは頭では買いづらいゾーン」だと割り切った方がいい。

オープン・リステッド組は、ソウルスターリングのように勝ち切った例もあって【1-1-0-10】。

勝率・連対率だけを見ると「そこそこ走っている」が、重賞組の厚さに比べるとやや見劣りする。

勝ち馬と2着馬のほとんどが「前走1着」で来ているので、ただオープンに出ていただけでは足りず、前走OPで完勝していることが前提に近い。

前走G3が圧倒的に中心、G2組がその次、OP・条件戦はよほどの内容がない限り『相手まで』というのが、過去10年のデータから見える大枠だと思っていい。

予想への活用方法と消しデータ

活用方法と
消去法まとめ
  • 「頭候補」は基本的に前走重賞組から選ぶ。データ上、前走G3組が【8-3-7-61】・G2組が【0-1-2-6】で、3着以内30頭中21頭が前走JRA重賞組という数字になっているので、まずはミツカネベネラ(前走アルテミスS2着・G3)、タイセイボーグ(前走アルテミスS3着・G3)、ショウナンカリス(前走ファンタジーS2着・G3)、ラスティングスノー(前走ファンタジーS7着・G3)、スターアニス(前走中京2歳S2着・G3)、アンヘリータス(前走ファンタジーS12着・G3)あたりを「勝ち馬が出やすいゾーン」として優先的に見ていい。

  • その中でも、データ的に厚く買いたいのは「前走G3かつ前走3着以内」の組。アルテミスS連対馬やファンタジーSの好走馬からは、ここ10年で多数の勝ち馬・好走馬が出ているので、ミツカネベネラ・タイセイボーグ・ショウナンカリスは、人気にかかわらず本命〜対抗〜単穴のどこかのポジションで重く扱いたい。ラスティングスノーとスターアニスは前走着順が崩れているぶん「頭固定」まではいきづらいが、展開次第での巻き返し要員として3連単の1〜3着欄には残しておく価値がある。

  • 前走1勝クラス組は【1-4-1-46】で勝率1.9%・複勝率11.5%と、「勝ち切ったのはショウナンアデラの1回だけ」という分布になっている。ここに入るのがマーゴットラヴミー(白菊賞1着・1勝クラス)、アルバンヌ(サフラン賞1着・1勝クラス)、ヒズマスターピース(赤松賞1着・1勝クラス)あたりで、この組は「2〜3着本線・1着は押さえ」という立ち位置が一番しっくりくる。どれも前走の内容はかなり良いが、統計的には「重賞組に頭を譲ることが多い側」なので、単勝や3連単1着にドカンと寄せるより、3連複・馬連の軸、3連単の2〜3着軸として使う方がデータと噛み合う。

  • 前走オープン・リステッド組は【1-1-0-10】で、ソウルスターリングのように勝ち切った例もあるが、全体としては「重賞組ほどの厚みはない」ゾーンだ。アランカールは野路菊S(2歳オープン・芝1600m)を完勝してここに来るタイプで、格としてはこの組に入る。勝ち馬の大半がG3組とはいえ、OPで阪神外回りマイルを派手に勝っていること、母シンハライトという血統背景を考えると、クラスのハンデを補って余りある素材なので、「OP組だから軽視」というより、むしろ「前走内容込みで重賞組に準ずる扱い」に格上げして考えたい。

  • 逆に、「消し寄りのデータ」として強く意識したいのが、前走1勝クラス以下(新馬・未勝利含む)かつ今回も人気がないパターン。新馬・未勝利直行は【0-1-0-22】とほぼ全滅で、1勝クラスからでも下位人気は苦戦という傾向がはっきり出ている。コスモレッド、サンブライト、ウィングブルー、イヌボウノウタゴエ、ノアールビーナス、メイプルハッピー、レディーゴールあたりが「前走条件戦組で、当日7番人気以下」みたいな形になった場合は、データ的にはかなり割り引き対象で、3連系でも厚くは拾わない方針をベースにしていい。

  • もう一つの消し条件は「前走オープン以下で、前走1着以外」というパターン。前走OP以下から好走した9頭は、全て前走1着だったという集計が出ていて、ここから外れる馬はかなり分が悪い。今回で言えば、アンヘリータス(ファンタジーS12着)、ラスティングスノー(ファンタジーS7着)、スターアニス(中京2歳S2着)といった「前走G3で馬券圏外」の組は、クラス的にはプラスでも、前走着順との組み合わせで減点が入るゾーンになる。買うなら「前走内容をどう評価するか」をかなり慎重に見て、印の格を1ランク落とすくらいの意識でいい。

まとめると、

「本命・対抗・単穴の中心は前走G3の好走組+一部1勝クラスの強い勝ち方をした組(アルバンヌ・マーゴットラヴミー・ヒズマスターピース)で固める」

「アランカールは前走OP組としては別格扱いで、実質重賞組と同格に置く」

「新馬・未勝利・1勝クラスの下位人気勢は頭からは消し、3連系でも押さえ程度」

というのが、前走クラス別データを今年の登録馬に当てはめたときの基本戦略になるだろう。

【前走着順別成績】

過去10年の前走での着順別に振り分け、それぞれの勝率をまとめてみた。

※右にスクロール可能

前走

着順

勝率 連対率 複勝率 勝利数 2着数 3着数 着外数

勝率-

連対率

1着 7.5% 16.1% 20.4% 7 8 4 74 -8.6
2着 9.1% 9.1% 21.2% 3 0 4 26 0.0
3着 0.0% 10.0% 20.0% 0 1 1 8 -10.0

4~9

0.0% 3.1% 6.2% 0 1 1 30 -3.1

10着

以下

0.0% 0.0% 0.0% 0 0 0 10 0.0

この数字をそのまま眺めると、阪神JFはかなり極端に「勢い」がものを言うレースだとわかる。

まず勝ち馬10頭は、前走1着が7頭・前走2着が3頭で全部カバーされていて、前走3着以下からの勝利はゼロ。

3着以内30頭まで広げても、前走1着が19頭、前走2着が7頭、前走3着が2頭で合計28頭を占め、4〜9着からはたった2頭、10着以下からは1頭も来ていない。

前走で崩れていた馬の巻き返しが、ほぼ起きていない構図だ。

前走1着組は「勝率7.5%・連対率16.1%・複勝率20.4%」で、分母93頭という多さを考えると十分優秀な数字だし、勝率と連対率の差(勝率-連対率)が-8.6ポイントあるのは、勝つ馬も多いが2着止まりもそれなりにいるという意味になる。

一方で前走2着組は、勝率と連対率がどちらも9.1%で差がゼロ。

勝ち切る馬は少ないが、2〜3着で「堅実に走るタイプ」が多いゾーンという読み方ができる。

前走3着組はサンプル10頭と少ないが、0-1-1-8で「たまに2〜3着に顔を出すが、勝ち切りはゼロ」。

4〜9着組は32頭中【0-1-1-30】で、複勝率6.2%。10着以下は10頭が全滅で、数字だけ見れば「前走で大きく負けている馬は基本的に用無し」と言っていいくらい厳しい。

前走着順という切り口だけから見ると、阪神JFは「前走でしっかり結果を出してきた馬が、そのままG1でも強い」という分かりやすいレースになっている。

予想への活用方法と消しデータ

活用方法と
消しデータまとめ
  • 前走1着組は「勝率7.5%・連対率16.1%・複勝率20.4%」で、このレースの勝ち馬の7頭を占めているから、本命〜対抗〜単穴の中心は前走1着から選ぶのが基本になる。具体的にはアランカール(野路菊S1着)、アルバンヌ(サフラン賞1着)、マーゴットラヴミー(白菊賞1着)、ヒズマスターピース(赤松賞1着)あたりは“前走1着×ローテ優秀”で、単勝・馬単の頭、3連系の軸にフル活用したいグループだ。

  • 前走2着組は勝率9.1%・複勝率21.2%で、勝ち切りは前走1着組より少ないが「2〜3着にしっかり絡むタイプ」が多いゾーンなので、3連複・馬連の軸、3連単2着固定の“連軸”として使うのが合っている。ミツカネベネラ(アルテミスS2着)、スターアニス(中京2歳S2着)、ショウナンカリス(ファンタジーS2着)がここに入る想定で、この3頭は「本命よりは相手寄りだけど、券種によってはかなり厚く買いたい側」として扱うイメージだ。

  • 前走1〜2着でも、前走が新馬・未勝利だった馬は過去10年で【1-5-1-68】レベルで、勝ち切りはショウナンアデラの1回だけというゾーンになるから、今年で言えばホワイトオーキッド、マルガ、スウィートハピネス、コスモレッド、サンブライト、ウィングブルー、イヌボウノウタゴエ、ノアールビーナス、メイプルハッピー、レディーゴール、フロムレイブンあたりの「前走が条件戦1着 or 2着クラス」の馬は、頭候補というより3連複・3連単の2〜3着欄に少し混ぜていく扱いに留めるのが現実的だ。

  • 前走3着組は【0-1-1-8】で勝ち馬ゼロなので、馬券的には「相手まで」が限界ラインになる。登録メンバーで前走3着想定の馬(例えば1勝クラス3着からの臨戦や、OP3着から来るタイプ)がいたら、本命候補からは外して、3連複のヒモや3連単の3着欄にだけ薄く入れるぐらいに抑えるのが、前走着順データとの整合が取りやすい使い方になる。

  • 前走4〜9着組は【0-1-1-30】で複勝率6.2%とかなり苦しいゾーンだから、「この組から頭を買うのはほぼ無謀」という前提で見ておきたい。今年の登録馬だと、ファンタジーS7着のアンヘリータス、兵庫ジュニアGP5着のローズカリス、条件戦で4〜9着に負けてここに来るBランク組(イヌボウノウタゴエ、ウィングブルー、ノアールビーナス、レディーゴール、メイプルハッピー、フロムレイブンあたり)の多くがここに当てはまりやすくて、このゾーンは「基本消し寄り、どうしても拾うなら3連単3着欄に1〜2頭だけ」の扱いにしておくのがデータに忠実だ。

  • 前走10着以下組は【0-0-0-10】で完全ノーキャリアなので、「前走二桁着順からの大激走」は10年単位で見ても起きていないと割り切っていい。もし今年の出走馬の中に、ファンタジーS・アルテミスS・条件戦で10着以下に大敗して巻き返しを狙ってくるタイプがいたとしても、データ的には完全消し候補で、印を打つなら“データを無視して感情で買う”覚悟が要るラインになる。

  • 前走着順と人気・クラスを合わせた消し条件としては、「前走4〜9着 or 10着以下」かつ「当日も7番人気以下」かつ「前走が1勝クラス以下(新馬・未勝利含む)」という3つが重なる馬は、ほぼデータ上の馬券圏外ゾーンなので、イヌボウノウタゴエ、ウィングブルー、ノアールビーナス、レディーゴール、メイプルハッピー、フロムレイブン、ウィングブルー、コスモレッド、サンブライトあたりがこの条件にかぶるなら、3連系を含めても思い切ってバッサリ切るか、本当に印を打つとしても3連単3着欄に1〜2点だけというレベルに抑えるのが妥当だと思う。

  • 逆に、「活用すべきデータ」として一番強く意識したいのは「前走1〜2着×前走G3・OP・1勝クラス上位組」で、アランカール(前走1着・OP)、アルバンヌ(前走1着・1勝クラス)、マーゴットラヴミー(前走1着・1勝クラス)、ヒズマスターピース(前走1着・1勝クラス)、ミツカネベネラ(前走2着・G3)、タイセイボーグ(前走3着・G3だが総合力上位)、ショウナンカリス(前走2着・G3)、スターアニス(前走2着・OP)あたりは、この前走着順のフィルターを通しても「買い材料が積み上がる側」にいるから、本命・対抗・単穴の枠はこの塊を起点に組み立てて、他の馬はどれだけ足すか、どこまで削るかを考える、という順番で予想を組んでいくのがやりやすいと思う。

【脚質別成績】

過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズの脚質別に成績を振り分け、まとめてみた。

※右にスクロール可能

脚質 勝率 連対率 複勝率 勝率-
複勝率
勝利数 2着数 3着数 着外数
逃げ 10.0% 10.0% 10.0% 0.0% 1 0 0 9
先行 7.3% 9.8% 12.2% -4.9% 3 1 1 36
差し 6.9% 16.7% 27.8% -20.9% 5 7 8 52
追込 1.8% 5.5% 7.3% -5.5% 1 2 1 51

この10年の阪神JFを「脚質」だけで見ると、かなりはっきりしていて、馬券圏(3着以内)30頭中20頭が差し、4頭が追込

逃げ・先行は合わせて7頭しか馬券に絡んでいない。

割合で言えば、好走馬の約8割が差し・追込で、残り2割が逃げ・先行というバランスになっている。

勝率だけ見ると逃げが10%と一番高いように見えるけど、これはレシステンシアが一頭で数字を押し上げている面が大きい。

逃げの複勝率は10%ちょうどで、10頭中9頭は飛んでいるので、「たまに逃げ切り大穴があるレース」というより、基本は逃げ不利〜逃げ厳しいレースだと捉えた方が現実的だろう。

先行は頭数が多いぶん数字が落ち着いていて、勝率7.3%・複勝率12.2%。勝利数3頭に対して馬券圏は5頭だから、“好位で運んでそのまま残るタイプ”はたまにいるけど、全体としては少数派という感じ。

勝率と複勝率の差(勝率-複勝率)がマイナス4.9ポイントなので、「勝つ馬も時々いるが、2〜3着で粘る形の方が多い」と見ていい。

差しは勝率こそ6.9%と先行と大差ないが、とにかく複勝率27.8%が圧倒的で、30頭中20頭を稼いでいる主役脚質。

勝率−複勝率が−20.9ポイントと大きくマイナスなのは、「勝ち負けレベルの差し馬」がとにかく多くて、その一部が勝ち切り、多くは2〜3着に収まっているというイメージだ。

追込も複勝率7.3%と数字だけ見れば低いが、4頭が馬券に絡んでいて、10年で1頭は勝ち馬も出ている。

差しほど安定はしないが、「展開がハマった時に一発ある」ポジションにはいる。

阪神芝1600外回りは、直線が長くて坂もあるコースで、もともと「前半ゆるめ〜後半勝負」になりやすい構造。

そこに、1400m以下を使ってきたスピード型が混ざるから、序盤はある程度流れて、直線では速い上がりを使える差しがゴッソリ台頭するパターンが定番化している。

数字だけでなくレース内容とも噛み合う脚質傾向だと思う。

予想への活用方法と消しデータ

予想活用方法と
消しデータ
  • まず大前提として、「頭と馬券の中心」は差し寄りの馬から組み立てたいレースだと思う。過去10年で差し馬の複勝率は27.8%、馬券内20頭という数字なので、アランカール(野路菊Sで⑥→⑤の差し)、ミツカネベネラ(アルテミスSで中団から差し)、タイセイボーグ(アルテミスSで中団〜やや前から伸びる)、ショウナンカリス(ファンタジーS差し)、スターアニス(新馬戦や中京2歳Sで後方〜中団から脚を使うタイプ)といった「基本は中団以降から脚を使う馬」は、人気に関係なく本命〜対抗圏内としてフルに活用したい。

  • 差し馬の“使いどころ”としては、1頭だけに絞って単勝&馬単の頭にするより、「差しタイプを複数頭セットで評価して、その中からどれかが刺さる前提で馬券を組む」のが現実的だと思う。具体的には、アランカール・ミツカネベネラ・タイセイボーグ・ショウナンカリス・スターアニスの5頭くらいを差し勢のコアにして、3連複ならこの中から2〜3頭を軸、3連単なら1〜2頭を2〜3着付けしながら、他の人気馬を絡めていく形がデータと噛み合う。

  • 先行勢は「完全な消し」ではなく、相手としては外せないが、頭固定は慎重にというゾーンになる。アルバンヌ(サフラン賞で4・5番手→4角3番手)、マーゴットラヴミー(白菊賞で楽逃げ〜先行)、ラスティングスノー(りんどう賞逃げ)、ヒズマスターピース(赤松賞逃げ)、ウィングブルー、ギャラボーグ、サンブライト、フロムレイブンあたりは、前走4角3番手以内の先行〜逃げ脚質として今年のメンバーに入ってくる。勝率7.3%・複勝率12.2%という数字を踏まえると、マーゴットラヴミーやアルバンヌのような「前走1勝クラス以上で内容が濃い先行馬」は、3連複・馬連の相手や3連単の2〜3着候補としてかなり重要だが、「逃げ先行だから頭で厚く」というよりは、差し勢とセットで押さえるサブの軸という扱いがちょうどいい。

  • 逃げは10頭中1頭しか馬券になっておらず、その1頭がレシステンシアの逃げ切り。統計上は「刺さるときはデカいが、基本は飛ぶ脚質」だと思っておくべきだろう。今年の登録では、ヒズマスターピースとマーゴットラヴミー、ラスティングスノーあたりが逃げ〜番手候補で、展開次第ではどれかがレシステンシア役をやる可能性もゼロではない。ただ、勝率10%・複勝率10%という数字は「来たら諦める」のに近くて、馬券戦略としては逃げ馬を本命にするのではなく、「差し本線+逃げの単複を遊びで少し」のような位置づけにしておくのが現実的だと思う。

  • 追込は勝率1.8%・複勝率7.3%と数字だけ見るとかなりしんどいが、10年で4頭が馬券に来ているから「完全消し」まではいかない。阪神外回りで直線一気にかけるタイプ——例えばミツカネベネラよりもさらに後ろから脚を使うような馬がいれば——を、3連複・3連単の3着欄にうっすら押さえておくくらいの扱いはアリだろう。ただし、今年の登録馬の中では“徹底した追込専門”というタイプは少なく、差しと追込の境目にいる馬が多いので、実際には「差しグループの中で位置取りが後ろめの馬」として扱うイメージでいいと思う。

  • 消しデータ寄りで覚えておきたいのは、「逃げ・先行の下位人気」はかなり厳しいという点。過去10年の逃げ・先行で馬券になった7頭の多くは上位人気で、人気薄の逃げ先行はほぼ壊滅状態と言っていい。今年で言えば、アンヘリータス、ウィングブルー、ギャラボーグ、サンブライト、フロムレイブン、ローズカリスあたりが“前走先行〜逃げ+G1で中穴以下想定”のグループで、このゾーンは「差しの有力どころ」と比べたときに思い切って評価を落とす対象になりやすい。3連系のヒモに1頭だけ混ぜるくらいならまだしも、複数頭を厚く買うと差し勢を買う枠を削ることになるので、データ的にはかなり割り切って削っていきたいところだ。

  • 逆に、「活用価値が高いデータ」は“差し>先行>追込>逃げ”というざっくりした優先順位そのものだと思う。人気・前走クラス・前走着順と組み合わせると、アランカール(差し+前走OP勝ち)、ミツカネベネラ(差し+前走G3好走)、タイセイボーグ(差し気味+前走G3好走)、ショウナンカリス(差し+前走G3好走)、スターアニス(差し+前走OP好走)あたりは、「脚質データ」「前走クラス」「前走着順」の3つが揃ってプラスに出る側で、今年のメンバーの中では一番“データに後押しされている差しグループ”になる。この塊を本命〜対抗〜単穴の主体にして、先行勢はアルバンヌとマーゴットラヴミーを中心に相手へ、逃げ勢はヒズマスターピースやラスティングスノーを押さえレベルに留める、という組み立て方が、脚質別データを一番素直に活かした予想になると思う。

【枠順別成績】

過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズでどの枠に入った馬がどれだけの結果を挙げているかを成績でまとめてみた。

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枠順 勝率 連対率 複勝率 勝利数 2着数 3着数 着外数
1枠 10.0% 15.0% 20.0% 2 1 1 16
2枠 5.0% 10.0% 20.0% 1 1 2 16
3枠 5.0% 10.0% 10.0% 1 1 0 18
4枠 5.0% 15.0% 15.0% 1 2 0 17
5枠 10.0% 20.0% 30.0% 2 2 2 14
6枠 10.0% 15.0% 30.0% 2 1 3 14
7枠 3.4% 6.9% 13.8% 1 1 2 25
8枠 0.0% 3.4% 3.4% 0 1 0 28

数字だけ見ると、真ん中〜内寄りの枠が主役で、外枠はだいぶ分が悪いレースになっている。

1〜6枠で見ると勝ち数は合計9勝、複勝圏もほぼここで埋まっている。

一方で7枠は【1-1-2-25】、8枠は【0-1-0-28】で、特に8枠は10年で勝ち馬ゼロ・3着以内たった1頭というかなり厳しい数字だ。

内側の1〜4枠は、勝率だけを見るとどれも5〜10%の範囲に収まっていて、極端な差は出ていない。

ただ、1枠は【2-1-1-16】で勝率10%・複勝率20%と悪くないうえに、「阪神開催では1枠で馬券になったのはすべて5番人気以内」という話も出ている。 

要するに、内枠自体はプラスだが、人気薄が入っても一気においしくなるわけではなく、上位人気が入って初めて信頼度が跳ね上がる枠だと考えた方がよさそうだ。

真ん中の5・6枠は、どちらも勝率10%・複勝率30%で、数字だけ見れば「一番走っている枠」になる。

1〜4枠に比べてスタート直後の位置取りの自由度が高く、かつ外に振り回されるほどでもない絶妙なポジションで、阪神外回りマイルの「最初のコーナーまで長い+直線も長い」というコース形態とも相性が良い。

内にこだわらずスムーズに先行〜差しポジションを取れることが、この枠の好成績につながっていると見ていいだろう。

7・8枠になると一気に数字が悪化する。

7枠は勝率3.4%・複勝率13.8%でまだ「ギリギリ相手には拾える」レベルだが、8枠は勝率0%・複勝率3.4%と、ほとんど用無しに近い成績になっている。

外枠がとにかく絶望的かと言うと、2018年のダノンファンタジーのように13番枠から差し切った例もあるので、馬番レベルで見ればまだ救いはあるが、「枠順」という大枠で見たときは明らかに不利なゾーンだ。

特に8枠は、スタート直後から外々を回されやすく、道中もポジションが取りにくいので、かなりの能力差か展開の補正がないと数字どおり飛びやすい枠だと割り切った方がいい。

予想への活用方法と消しデータ

活用方法と
消しデータ
  • 5枠と6枠は過去傾向的に複勝率が高めで、今年の枠でも「軸の置き場所」として最優先に扱う。5枠のスターアニスはスムーズに差しに回せる並びで評価を上げやすく、同じ5枠でもイヌボウノウタゴエは能力面の裏付けが薄いので「枠で底上げしてヒモまで」が限界だ。6枠のスウィートハピネスとメイプルハッピーは外過ぎず内にも潜り込める位置なので、差しが届く展開なら馬券圏の相手として残しやすい。

  • 2枠は内過ぎず外過ぎずでロスが少ないゾーンなので、アランカールとミツカネベネラは「枠だけでも崩れにくい組」として扱う。とくに差しタイプは内で脚をためられる枠が強みになりやすく、2頭とも軸候補として枠の後押しが入る。

  • 3枠と4枠は極端な有利不利が出にくいので、枠だけで評価を大きく動かさないのが基本になる。ただし3枠のアルバンヌは好位で運びやすい並びなので信頼度が上がりやすく、3枠のギャラボーグは立ち回りが噛み合えば一発まであるが、枠が良いからといって過剰に買い増すより「中穴の相手」で押さえるのが合う。4枠のマーゴットラヴミーとヒズマスターピースは先行してロスを抑えやすい位置なので、差し優勢の年でも「残り目」を拾う枠として活用しやすい。

  • 1枠は内の利はあるが、人気薄が入っても枠だけで上がってくるほど甘くない枠になりやすい。アンヘリータスとレディーゴールは「最内でロスは減るが、包まれて動けないリスクもある」ので、枠を理由に評価を上げるより、当日の気配と位置取りのイメージが立つかで取捨するのが筋だ。

  • 7枠は成績が一段落ちるゾーンなので、フロムレイブン、スタニングレディ、ラスティングスノーは「枠だけで一段割り引く」が基本になる。特にラスティングスノーは外から先手を取りに行くと道中の負担が増えやすく、残り目を拾うなら無理に競りかけずに自分のリズムを守れるかが条件になる。

  • 8枠は過去傾向だと勝ち切りがかなり難しいゾーンなので、ローズカリス、タイセイボーグ、ショウナンカリスは「頭候補からは基本外す」が枠順データの使い方として一番素直だ。能力評価が高い馬でも外を回されるリスクが常につきまとうので、買うとしても馬券の中心よりは相手、しかも基本は2〜3着の扱いに寄せたい。

  • 具体的な消し条件として一番強く効かせたいのは「8枠の馬を1着固定にすること」だ。ショウナンカリスとタイセイボーグは能力でねじ伏せる可能性がゼロではないが、枠の不利を打ち消すには展開と位置取りの助けが必要で、頭固定にするなら相当の根拠が要る。ローズカリスは芝替わりも重なるので、枠順だけ見てもかなり厳しく、3連系でも薄くでいい。

  • 次に強い消し条件は「7枠の先行馬を厚く買うこと」だ。外から出して行く形になりやすく、直線までに脚を使ってしまうパターンが増えるので、フロムレイブン、スタニングレディ、ラスティングスノーを買うなら、馬券の中心ではなくヒモの置き方でバランスを取る方が枠順傾向に沿う。

  • 枠順だけで買い方を組むなら、「中心は2〜6枠で固める」が基本になる。今年の並びだと、アランカール、ミツカネベネラ、アルバンヌ、マーゴットラヴミー、ヒズマスターピース、スターアニス、スウィートハピネス、メイプルハッピーがこのゾーンにいるので、馬券の土台はここから作るのが合理的だ。

  • 逆に「枠順だけで点数を削る」なら、8枠のローズカリス・ショウナンカリス・タイセイボーグは最優先で削り対象になり、次いで7枠のフロムレイブン・スタニングレディ・ラスティングスノーを削る、という順番が分かりやすい。残す場合でも、8枠は3着まで、7枠は2〜3着まで、という線引きにすると枠順傾向をそのまま馬券に落とし込みやすい。

【馬場ごとのデータ】

過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズでの馬場状態ごとに結果がどうなったかをまとめてみた。

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馬場

状態

先行馬の
複勝率
差し馬の
複勝率
1~3番人気の
勝率

4番人気以下の
勝率

平均走破
タイム

約12%

(先行3-1-1-36 → 5/41)

約28%

(差し5-7-8-52 → 20/72)

約27%

(8勝/延べ30頭)

約1%強

(2勝/延べ148頭)

約1分33秒5前後
稍重 データほぼ無し データほぼ無し データほぼ無し データほぼ無し サンプル無し
データほぼ無し データほぼ無し データほぼ無し データほぼ無し サンプル無し
不良 データほぼ無し データほぼ無し データほぼ無し データほぼ無し サンプル無し

ここ10年の阪神JFは全部良馬場で行われているので、実質的には「良馬場での傾向=このレースの馬場傾向」と言い切ってしまっていい。

“馬場ごとの差”というより、“良馬場の中でどんなタイプが浮かび上がりやすいか”を見るイメージに近い。

まず脚質から見ると、良馬場での先行馬の複勝率はざっくり12%くらい、一方で差し馬は約28%。

複勝圏30頭のうち20頭が差しなので、良馬場の阪神JFはあくまで差し優勢という構図が濃い。

これは阪神外回りマイル自体の傾向とも噛み合っていて、上がり34秒前後の脚を長く使えるタイプが、良馬場の決め手勝負でしっかり結果を出してきた形だ。

人気別の数字も、「良馬場だからこそ実力順になりやすい」という印象。

1〜3番人気の勝率は約27%(8勝/30頭)で、勝ち馬10頭のうち8頭をこのゾーンが占める。

逆に4番人気以下は、延べ148頭からたった2勝(勝率1%強)しか出ておらず、良馬場の阪神JFは“基本は上位人気の力がそのまま出るレース”と見ていい。

勝ち時計は、2019年レシステンシアの1:32.7、2023年アスコリピチェーノの1:32.6みたいな速い年もあれば、2015年・2017年の1:34秒台前半の年もあって、だいたい「1:32秒台後半〜1:34秒台前半」のレンジに収まっている。

ここ10年の平均をザックリ取ると、だいたい1分33秒5前後くらいで、標準的な阪神芝マイルのG1らしいスピードレベルと言っていいだろう。

稍重・重・不良に関しては、過去10年にサンプルが無いので、「阪神JFとしての数字」は出せない。

もし今年そういう馬場になった場合は、阪神芝1600m全体の馬場別傾向(良だと逃げ・先行有利寄り、重・不良だとより前が残りやすいなど)の一般論を背骨にして、そこにこのレース特有の“差し優勢”傾向をどこまで残すか、という考え方になるはずだ。

予想活用方法と消しデータ

活用方法と消しデータ
  • 良馬場前提なら「差し優勢+上位人気の信頼度が高い」というセットで考えるべきなので、まずアランカール(差し寄り+前走OP勝ち)、ミツカネベネラ(差し+前走G3・アルテミスS2着)、タイセイボーグ(差し〜中団+前走G3・アルテミスS3着)、ショウナンカリス(差し+前走G3・ファンタジーS2着)、スターアニス(差し気味+前走OP・中京2歳S2着)みたいな「差しタイプかつ上位人気ゾーンに入りそうな馬」を、本命〜対抗〜単穴の中心に置くのが素直な活用法になる。

  • 1〜3番人気ゾーンの勝率が約27%、4番人気以下が約1%という差をそのまま当てはめるなら、今年の想定オッズで上位に入ってきそうなアランカール、マーゴットラヴミー、アルバンヌ、ミツカネベネラ、タイセイボーグあたりは“良馬場ならなおさら信頼度アップ”と見てよくて、この中の差し寄りの馬(アランカール、ミツカネベネラ、タイセイボーグ)を本線、先行寄りのマーゴットラヴミーとアルバンヌを相手本線という構図がハマる。逆に、同じ上位人気候補でも極端な外枠に入ってしまった場合(特に8枠)は、良馬場の枠順データで明らかに不利が出ていたので、差しタイプでも評価をワンランク落とす、という使い方になる。

  • 先行タイプは、良馬場だと複勝率12%前後で「差しよりは走らないが、完全消しにはできない」ポジションなので、マーゴットラヴミー(白菊賞先行)、アルバンヌ(サフラン賞好位抜け出し)、ラスティングスノー(りんどう賞逃げ)、ヒズマスターピース(赤松賞逃げ)のような前目の馬は、良馬場であれば「差し勢の相手」としてかなり重要になる。特にマーゴットラヴミーとアルバンヌは1〜3番人気ゾーンに入りそうなので、良×先行×上位人気の複合で、3連複・馬連の軸相手、3連単の2〜3着要員として重く扱う価値が高い。

  • 一方、良馬場で4番人気以下にとどまりそうな先行〜逃げタイプは、データ的にはかなり厳しい側に入る。過去10年の4番人気以下は合計148頭で勝ち馬2頭しか出ていないうえ、そのうちの何頭かは差し馬だったので、“良馬場×人気薄×前で運ぶ馬”は「展開ドハマりでもない限りは頭までは届きにくい」と見ていい。今年で言えば、アンヘリータス、ウィングブルー、ギャラボーグ、コスモレッド、サンブライト、フロムレイブン、ローズカリスあたりがそのイメージに近くて、このゾーンは基本的に消し寄り。どうしても前残りの大穴をケアしたい時だけ、3連単の3着欄に1〜2頭だけ薄く混ぜるくらいの扱いで良いと思う。

  • 消しデータ寄りで強く意識したいのは、「良馬場で4番人気以下+差し脚もさほど切れないタイプ+前走3着以下」の複合条件。前走着順のところで見たように、前走3着以下は【0-2-2-50】とかなり厳しい数字で、良馬場×人気薄だとさらに厳しくなる。この条件にハマりやすいのは、Bランクの条件戦組(イヌボウノウタゴエ、ウィングブルー、ノアールビーナス、レディーゴール、メイプルハッピー、フロムレイブンなど)で、「良馬場で単純な底力勝負になったときについて行くだけでも大変」という立ち位置になるから、3連系含めて思い切ってバッサリ削ってしまうか、“血統や追い切りで相当強烈なプラス材料が出た馬だけを例外扱いする”くらいでちょうどいい。

  • 逆に言えば、「良馬場×差し脚×1〜3番人気ゾーン×前走1〜2着×前走重賞・OP or 1勝クラス好内容」という条件をいくつも重ねていくと、今年の登録馬の中ではアランカール、ミツカネベネラ、タイセイボーグ、ショウナンカリス、スターアニス、アルバンヌ、マーゴットラヴミー、ヒズマスターピースあたりが“データの追い風をフル装備している側”になってくる。良馬場が前提なら、この塊を起点に印を組んでいく、というのが馬場別データ(というより良馬場データ)を一番素直に活かした予想の作り方になると思う。

【配当傾向と配当バランス指数】

過去10年の馬券の払い戻しと、3連単と単勝の差を指数化してどれだけ荒れやすいかを数値から考えてみた。

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年度 3連単 3連複 馬単 馬連 単勝
2024 227,500 37,530 18,180 8,510 1,050
2023 21,530 3,680 4,350 2,330 590
2022 178,460 64,960 9,980 7,550 260
2021 114,300 16,850 16,540 12,470 560
2020 17,260 5,020 1,290 690 320
2019 86,720 8,560 20,410 10,000 1,120
2018 5,020 1,310 1,190 640 260
2017 8,560 2,160 1,820 920 410
2016 4,250 1,210 900 510 280
2015 39,480 7,640 4,950 3,500 250

10年分を並べると、3連単はかなりブレ幅が大きい

2016〜2018年あたりは3連単が4,000〜8,000円台で、ほぼ「人気決着〜準本命決着」。

一方で、2019年は86,720円、2021年は114,300円、2022年は178,460円、2024年は227,500円と、10万前後〜それ以上の年もガッツリある

平均すると3連単はおよそ7万円前後、中央値は3万円ちょいくらいで、ざっくり言えば「平年は中穴〜準波乱、数年に一度デカいのが飛ぶ」タイプのレースになっている。

3連複は、堅い年だと1,000〜3,000円台、荒れた年だと5万〜6万円台(2022年)まで跳ねているので、「人気サイドだけで固めると、安い年は本当に安いが、たまに取り逃すと痛い年もある」というバランスだ。

単勝だけ見ると、2016〜2018年は280円・260円・410円と完全に“人気馬の順当勝ち”ゾーンで、2020年ソダシも320円。

2022年リバティアイランドも260円だから、「1着だけを見るとかなり堅い年が多い」という顔をしている。

ところが、その年の3連単は178,460円で、“頭はカチカチなのに相手が激しく穴”という捻れた形になっている。2024年も、単勝1,050円(5番人気)に対して3連単22万超で、これも「一頭は人気サイド、相手に穴」というバランスだ。

まとめると、「1着の単勝オッズ」はけっこう堅い年が多いそれでも3連単は半分くらいの年で2万超〜10万超まで跳ねるという構図で、“頭は堅め、相手は割と荒れる”年がそれなりに混ざっているレース、という見方ができる。

年度 配当バランス指数
((3連単÷単勝配当)×100)
2024 21,667
2023 3,649
2022 68,638
2021 20,411
2020 5,394
2019 7,743
2018 1,931
2017 2,088
2016 1,518
2015 15,792

配当バランス指数が低い年(1,500〜3,000台の2016〜2018年あたり)は、単勝がそこそこ安くて、3連単もそれなりにしか付いていない年だ。

要するに「1着も相手も人気サイドで順当に収まった年」で、馬券の形としては“上位人気を素直に買って当てる年”と言える。

指数が中くらいのゾーン(3,000〜8,000台の2020・2023・2019)は、「単勝はそこそこ、3連単は中穴〜準波乱」くらいのバランス。

1着馬は人気サイドだが、2・3着に中穴〜ちょい人気薄が紛れたパターンが多いので、「頭は固めつつ、ヒモには少し穴を混ぜるべき年」だったと解釈できる。

指数が2万を超えてくる2015・2021・2024、そして飛び抜けている2022あたりは、「単勝はかなり堅いのに、3連単はめちゃくちゃ跳ねた年」だ。

特に2022年は、1番人気リバティアイランドの単勝260円に対して3連単178,460円なので、2・3着に12番人気と10番人気が突っ込んできたことで、指数が一気に跳ね上がっている。

2024年も5番人気アルマヴェローチェの単勝1,050円に対して3連単22万台なので、「頭は比較的人気サイド、2・3着に穴」という構図としては似たタイプになる。

この指数だけを見ても、「阪神JFは、頭は人気サイドに寄りがちだが、3連単は“2・3着の穴”しだいでいくらでも化けるレース」という特徴がかなりはっきり見えてくる。

予想への活用方法と消しデータ

活用方法と
消しデータ
  • 過去10年の3連単配当と配当バランス指数を合わせて見ると、「1着は人気サイドでも、2・3着に中穴〜穴が入って3連単が跳ねる」パターンがかなり多いので、今年もアランカール、マーゴットラヴミー、アルバンヌ、ミツカネベネラ、タイセイボーグあたりの“上位人気候補”を頭の大本線にしつつ、2・3着にBランクの中穴勢(ショウナンカリス、スターアニス、ラスティングスノー、ヒズマスターピースあたり)や、さらに人気を落としそうなアンヘリータス、ローズカリス、ギャラボーグ、コスモレッド、サンブライトといった組を少し厚めに混ぜる構図を意識したい。

  • 3連単が4,000〜8,000円台に収まった「超順当年」(2016〜2018あたり)の共通点は、「1〜3着がほぼ全部上位人気」で、馬連・3連複もすべて1〜3番人気の組み合わせで決着しているケースが目立つから、今年の想定オッズでアランカール・アルバンヌ・マーゴットラヴミー・ミツカネベネラの4頭前後が抜けて売れるようなら、“低指数シナリオ”として「人気上位3〜4頭のBOXだけで取りにいく保険枠」を用意するのはアリだろう。ただ、そのときでも「人気3頭決着だけ」で勝負を完結させると、2015・2019・2021・2022・2024タイプの“高指数年”を全部取り逃がすので、必ずどこかの券種では穴目を残しておきたい。

  • 配当バランス指数が高い年は「単勝は安いのに3連単だけが高い」=「頭の人気馬に対して、2・3着がかなり読みづらい」ケースなので、今年で言えばアランカールやアルバンヌを頭固定にするなら、2・3着欄には、同じ上位人気のマーゴットラヴミーやミツカネベネラだけでなく、アンヘリータス、ローズカリス、ギャラボーグ、コスモレッド、サンブライト、フロムレイブン、ウィングブルーあたりの“単勝的には買いづらい馬”もある程度は散らしておかないと、指数が跳ねた年の3連単を取りこぼしやすい。

  • 消しデータ寄りで一番意識したいのは、「低指数年なのか高指数年なのか」を予想段階である程度イメージして、券種ごとに“捨てる形”を決めることだ。例えば今年のメンバー構成と過去データから「上位人気3頭+1頭くらいで決まりそうな年」と読むなら、3連単を広げすぎると妙味が薄いので、穴サイド(アンヘリータス、ローズカリス、ウィングブルー、コスモレッド、サンブライト、メイプルハッピー、レディーゴール、フロムレイブンなど)を3連複・3連単の2・3着欄からほぼ切ってしまい、代わりに単勝・馬連・馬単に資金を寄せるという判断がしやすい。

  • 逆に、「今年は人気の割に実力が横一線で、2・3着にかなり穴が入りそう」と読むなら、配当バランス指数が跳ねた2022・2024型のイメージをトレースして、頭はアランカールやアルバンヌなど“1〜3番人気想定の1〜2頭”にほぼ固定しつつ、2・3着にA〜Bランクのほぼ全頭(ショウナンカリス、スターアニス、ラスティングスノー、ヒズマスターピース、ホワイトオーキッド、ギャラボーグ、コスモレッド、サンブライト、ローズカリスなど)を手広く流す代わりに、「人気薄3頭だけの決着」や「頭穴+相手本命」といった形は、思い切って切る(=そこが来たら仕方ないと割り切る)という整理ができる。

  • 10年分を見ると、単勝オッズが200〜400円台の馬が勝った年でも3連単が10万前後やそれ以上まで跳ねているケース(2019・2021・2022)が普通にあるので、「単勝が堅いから3連単は安いだろう」という考え方自体が危ない。アランカールやミツカネベネラみたいに“勝ち切るイメージが強い上位人気”を本命にするなら、3連単に関しては「人気の組み合わせだけの目を厚く買う」のではなく、「頭人気+相手穴」の目をしっかり厚くしておく方が、配当バランス指数の実績とは整合的だ。

  • 一方の“消し条件”としては、「単勝オッズが3倍前後の本命から、馬連も3連複も3連単も“人気3頭だけ”の組み合わせに極端に寄せる買い方」は、配当バランス指数が高い年に対応できていない形になる。具体的には、アランカール・アルバンヌ・マーゴットラヴミー・ミツカネベネラあたりだけで馬連・3連複・3連単を固めてしまう買い方は、「順当年」しか拾えない配置になるので、必ずどこかの券種ではアンヘリータス、ラスティングスノー、スターアニス、ギャラボーグ、コスモレッド、サンブライト、フロムレイブン、ローズカリスといった“配当を動かせる側”を混ぜておく、というのが配当傾向と配当バランス指数を両方踏まえた現実的な落としどころだと思う。

【所属別成績と成績比率】

過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズにおける、関東馬(美浦所属)と関西馬(栗東所属)の成績をまとめて、どちらが優勢かに関してもわかるようにしてみた。

※右にスクロール可能

所属 勝率 連対率 複勝率 勝利数 2着数 3着数 着外数
関西馬 4.9% 8.2% 13.1% 6 4 6 106
関東馬 7.3% 18.2% 25.5% 4 6 4 41

まず「勝ち数」だけ見ると関西馬が6勝、関東馬が4勝で、開催場が阪神(+一度だけ京都)ということを考えると、勝ち星は関西がやや多い。

ただし出走頭数が関西馬122頭・関東馬55頭なので、1頭あたりのヒット率で見ると圧倒的に関東馬が上だ。

勝率で比較すると関西4.9%に対して関東7.3%、連対率は8.2%と18.2%、複勝率は13.1%と25.5%で、「馬券圏に入る確率」はどの指標でも関東がだいたい2倍近い

特に連対率と複勝率の差が大きくて、「関西馬は数を出して勝ち星も多いが、1頭単位では関東馬の方が明らかに安定して走っている」という構図になっている。

3着以内馬の内訳を見ると「関西馬の好走はほとんどが5番人気以内」「関東馬は6番人気以下の激走もかなり多い」という特徴がある。

つまり、“人気サイドの関西馬”と“人気薄でも侮れない関東馬”という住み分けがこのレースでははっきりしている。

指標 比率
(関西馬 ÷
関東馬)
関西馬 関東馬
勝率 約0.68 4.9% 7.3%
連対率 約0.45 8.2% 18.2%
複勝率 約0.52 13.1% 25.5%

比率で見ると、勝率は0.68、連対率は0.45、複勝率は0.52くらいで、どの指標も1.0をかなり下回っている

これは単純に「関西より関東の方が強い」という話ではなく、“出走頭数が少ない関東馬の方が選抜されて出てきている”というニュアンスが強い。

勝率の比率が0.68ということは、「適当に関西馬と関東馬を1頭ずつ選んで勝つ確率を比べたら、関西馬は関東馬の3分の2くらいの勝ちやすさしかない」というイメージだし、連対率0.45・複勝率0.52という数字は、「馬券内に入る確率は関東馬の方が倍くらいある」と言ってしまっていいレベルだ。

特に複勝率の差は顕著で、関西馬13.1%に対して関東馬25.5%。

3着以内30頭の内訳も、関西16頭・関東14頭とほぼ拮抗しているのに、出走頭数は関西が122頭・関東が55頭なので、「数で押す関西」と「少数精鋭で突っ込んでくる関東」という構図が数字にそのまま出ていると言える。

予想への活用方法と消しデータ

活用方法
消しデータまとめ
  • まず前提として、今年の登録馬ではアランカール、アンヘリータス、ギャラボーグ、コスモレッド、スウィートハピネス、スターアニス、タイセイボーグ、ノアールビーナス、バースデイフライト、フロムレイブン、ホワイトオーキッド、マルガ、マーゴットラヴミー、メイプルハッピー、レディーゴール、ローズカリスが関西馬(栗東)、アルバンヌ、イヌボウノウタゴエ、ウィングブルー、サンブライト、ショウナンカリス、スタニングレディ、タイセイフレッサ、ヒズマスターピース、ミツカネベネラ、ラスティングスノーが関東馬(美浦)という東西構成になる。

  • 過去10年の成績と比率を見ると、「どちらかしか買えないなら関東馬優先」という話にはならないが、“どっちを軸にするか迷ったときに、関東馬側に一票寄せる”くらいのバイアスは持っておいていい。例えば、同じような実績・人気想定の組み合わせとしてアランカール(栗東)とミツカネベネラ(美浦)を比べる場面があったとき、データ的にはミツカネベネラの方が“阪神JFという舞台では所属の追い風を受けやすい側”にいるので、本命か対抗の座をどちらに渡すか悩んだら関東馬を上に取る、という判断をしやすい。

  • 一方で勝ち星の数自体は関西が6勝・関東が4勝なので、「勝ち馬の頭数」という意味ではまだ関西が上回っている。このバランスを素直に解釈すると、“頭は関西馬も全然あるが、2・3着で関東馬がゴリゴリ突っ込んでくる”というイメージが一番しっくり来る。具体的には、アランカール、マーゴットラヴミー、タイセイボーグ、スターアニスあたりの関西上位勢を1着候補に置きつつ、2・3着ではミツカネベネラ、アルバンヌ、ショウナンカリス、ヒズマスターピース、ラスティングスノーといった関東勢を厚く拾う形が、東西の成績差とよく噛み合う。

  • 人気との絡みでいうと、「6番人気以下では関東馬が【0-3-2-24】、関西馬が【0-1-1-71】と関東馬優勢」というデータが出ている。 つまり、穴で狙うなら関西馬ではなく関東馬というのがこのレースの基本線になる。今年で言えば、人気が中穴〜穴ゾーンに入りそうな関東馬(スタニングレディ、タイセイフレッサ、ラスティングスノー、イヌボウノウタゴエ、ウィングブルー、サンブライトあたり)は、「一発あってもおかしくない側」として3連複・3連単のヒモにはしっかり混ぜておきたい。

  • 逆に“消しデータ寄り”で見ると、「6番人気以下の関西馬」はかなり厳しい側にいる。出走頭数に対して3着以内は2頭しか出ておらず、その2頭も前走1800mからの距離短縮など明確なプラス材料を持っていた例外パターンだった。 今年の登録で言えば、アンヘリータス、コスモレッド、スウィートハピネス、ノアールビーナス、バースデイフライト、フロムレイブン、メイプルハッピー、レディーゴール、ローズカリスあたりが「下位人気の関西馬」候補になりやすくて、このゾーンは“よほど強烈な裏付け(前走内容・血統・追い切り・馬場適性)がない限り、3連系でも薄めにしか買わない”側に押し込みやすい。

  • もう一つの消し条件として効いてくるのが「関西馬×前走オープン特別以下×乗り替わり」の組で、過去データではこのパターンが【0-0-0-37】と不振になっている。 今年の関西勢の中で前走オープン以下かつ乗り替わりになりそうな馬(コスモレッド、スウィートハピネス、ノアールビーナス、フロムレイブン、マーゴットラヴミーなど)がピックアップされているので、この条件に複数引っかかる馬は、たとえ能力はそれなりに高くても“頭では買いづらいグループ”として、3連単なら2〜3着まで、単勝・馬単の本線からは一歩引いた扱いにしておいた方がデータとは整合する。

まとめると、今年の阪神JFを東西データでざっくり仕分けするなら、

「上位人気の関西馬(アランカール、マーゴットラヴミー、タイセイボーグ、スターアニス)を頭候補として尊重しつつ、2・3着には関東の実績馬(ミツカネベネラ、アルバンヌ、ショウナンカリス、ヒズマスターピース、ラスティングスノー)と関東の中穴勢(スタニングレディ、タイセイフレッサ、ウィングブルー、サンブライトなど)を厚く混ぜる」

「人気薄の関西馬はよほど強い根拠がない限り、3連系でもかなり思い切って削る」

という使い方が、過去10年の関西・関東の成績と比率を一番素直に活かした予想方針になるはずだ。

【血統別傾向成績】

過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズにおける主な父系統別の成績をまとめてみた。

※右にスクロール可能

血統傾向

勝利

連対

複勝

特記事項

父サンデーサイレンス系

(ディープ・ダイワメジャー・

ハーツクライ・オルフェなど)

5 11 18

10年で勝ち馬10頭中5頭、3着以内30頭中18頭が父サンデー系。

世代トップ級の瞬発力+マイル前後の持久力を両立したタイプが中心。

父ダイワメジャー 3 3 4

メジャーエンブレム・レシステンシア・アスコリピチェーノの3勝に加え、

レーヌミノルが3着。早熟マイル〜1400m型の「パワー寄りサンデー」代表。

父ディープインパクト系

(ディープ自身+キズナ・

サトノダイヤモンド・

シルヴァーステート・

スワーヴリチャードなど)

1 5 9

ダノンファンタジー1勝のほか、

サトノレイナス・ミツカネベネラのような好走例多数。

勝ち切りは少ないが、2〜3着候補としてはかなり安定しているゾーン。

父キングカメハメハ系

(ドゥラメンテ・

ルーラーシップなど)

1 2 3

リバティアイランド(父ドゥラメンテ)の1勝に、

リリーノーブル(父ルーラーシップ)、

ドゥアイズ(父ルーラーシップ)が連対圏。

中距離寄りの底力+パワーを供給する系統。

父・母父クロフネ

(デピュティミニスター系)

1 3 4

ソダシが父クロフネで勝利。

クロノジェネシス(母父クロフネ)、

リリーノーブル(母父クロフネ)、ビーチサンバ(父クロフネ)も好走。

米国型パワーと持続力を足す役割。

欧州芝中距離血統

(父ハービンジャー・

Frankel・バゴなど)

2 4 4

ソウルスターリング(父Frankel)、

アルマヴェローチェ(父ハービンジャー)が勝利。

クロノジェネシス(父バゴ)、

ラブリイユアアイズ(父ロゴタイプ)も含め、

欧州芝中距離のパワー型が相性良い。

母父キングカメハメハ系

(キングカメハメハ・

ルーラーシップなど)

1 4 4

ソダシ(母父キングカメハメハ)が勝利。

ビップデイジー、シンリョクカ、

ステレンボッシュのように母父キンカメ系は連対が多く、

パワーと先行力の後押しが強い。

母父デインヒル系

(Danehill Dancer・

Lizard Islandなど)

2 3 3

アスコリピチェーノ(母父Danehill Dancer)、

レシステンシア(母父Lizard Island)が勝利。

直線での“もうひと伸び”に繋がる欧州スピード血統。

母父カロ系

(Not For Sale・

アドマイヤコジーンなど)

1 3 3

ダノンファンタジー(母父Not For Sale)が勝利。

サトノレイナス(母父Not For Sale)、

ウインファビラス(母父アドマイヤコジーン)が2着。

瞬発力と持続力のバランスが良い。

ざっくり言うと、このレースは 「サンデー系が軸だけど、サンデーだけでは足りない」 レースになっている。

父サンデー系が勝ち馬の半分、3着以内の6割を占めているのは事実で、ディープインパクト系やダイワメジャー、オルフェーヴル、ハーツクライといったお馴染みの血が、まず“入り口”になっている。

ただし、その中でも特に目立つのはダイワメジャーで、メジャーエンブレム・レシステンシア・アスコリピチェーノの3勝という実績はかなり強烈だ。

マイル前後に強いパワー型サンデーで、「早熟で完成度が高く、スピードに振れた配合」が合いやすいのがはっきり出ている。

一方で、ディープインパクト系は2〜3着の比率が高くて、勝ち切りはそこまで多くない。

これは「直線の瞬発力は十分だけど、レース全体のタフさやポジション取りでワンパンチ足りない」ケースが多いから、という見方もできる。

ディープ自身やキズナ、サトノダイヤモンド、シルヴァーステート、スワーヴリチャードといった“ディープ系”は、阪神外回りの切れ勝負にはもちろん合うが、それだけではなく「もう少しパワー側の要素を母系で補っているか」がポイントになりやすい。

その「パワーの補強」をよくやっているのが、キングカメハメハ系やクロフネ、欧州芝中距離血統たちだ。ドゥラメンテやルーラーシップのようなキングカメハメハ系は、リバティアイランドのようなバケモノ級の例も含めて、中距離レベルの底力と持続力を供給してくるし、ソダシ+キングカメハメハのように「父クロフネ×母父キンカメ」という組み合わせもある。

ハービンジャーやFrankel、バゴといった欧州血統は、時計の速い年にもきちんと対応しながら、最後の坂でバテないパワーを出してきていて、「瞬発力+パワー」のミックスとしてかなり相性が良い。

母父を見ると、キングカメハメハ系とデインヒル系、カロ系、クロフネあたりがよく顔を出していて、ここでもやはり「欧州寄りor米国寄りのパワー型」がサンデー系の切れを支えるパターンが目立つ。

特に母父キングカメハメハ系は、ソダシ・シンリョクカ・ビップデイジー・ステレンボッシュなど、2〜3着を含めるとかなり顔ぶれが豪華で、「マイルの持続力と先行力を裏から支える血」として非常に機能している印象だ。

デインヒル系・カロ系も、直線での伸びを底上げする“欧州スピード+マイル耐性”を足してくるので、ただのスプリント血統とは違って「1600mで切れるパワー型」としてハマりやすい。

まとめると、阪神JFの血統像は「父サンデー系(特にダイワメジャーやディープ系)+母系(あるいは相手側)にキングカメハメハ・クロフネ・デインヒル・サドラーズウェルズ・カロなどの“パワー型欧州・米国血統”」が王道パターンになっていると言っていい。

予想への活用方法と消しデータ

活用方法と
消しデータ
  • 「父サンデー系+パワー血統ミックス」がど真ん中のパターンなので、父エピファネイア(ロベルト系)×母シンハライト(父ディープインパクト)のアランカールは、サンデーのキレとロベルト系の底力を併せ持つ“典型的な阪神JF向き配合”として扱いたい。さらにシンハリーズ一族の牝系が欧州寄りの持久力を持っていて、直線の坂に強いイメージもあるので、血統だけ見れば限りなくSSランク寄りの本命候補だと思う

  • 父ダイワメジャー血統は3勝とこのレースで一番結果を出しているので、「父か父父にダイワメジャーを持つ馬」は素直にプラス評価したい。今年で言えば、アルバンヌは父アドマイヤマーズ(父父ダイワメジャー)、ミツカネベネラは母父ダイワメジャーなので、“ダイワメジャーの血”を持つという意味ではどちらも適性ゾーンにいる。アルバンヌは父サンデー系×母系がSadler’s Wells+Mr. Prospectorの欧州マイル〜中距離配合で、阪神マイルG1の王道ど真ん中。ミツカネベネラは父モーリス(ロベルト系)×母父ダイワメジャーで、アランカールと同じく「ロベルト×サンデー+欧州パワー(Deputy Minister系)」という、かなり“今どきの阪神JF血統”になっている。

  • ディープインパクト系(ディープ自身+キズナ+サトノダイヤモンド+シルヴァーステート+スワーヴリチャードなど)は、勝ち切りは少ないが複勝率は高いので、「頭より相手」という使い方が合う。今年の登録でこのゾーンに近いのは、父アドマイヤマーズのアルバンヌ(父父ダイワメジャー)、父モーリスのミツカネベネラ(母父ダイワメジャー)、父がサンデー直系ではないが“ディープ系とのニアミス感”が強いアランカールなどで、いずれも母系にサンデー系を持つ。ディープ直仔ではない分だけ、血統だけで「絶対頭」とまでは言いづらいが、3連複や馬連の軸としてはかなり信頼できるグループだろう。

  • キングカメハメハ系は、父としてはドゥラメンテやルーラーシップが1勝+連対多数という実績で、中距離寄りの底力を供給してくれる。今年の登録馬で「キンカメ系をしっかり持っている組」は、父モーリス×母父ダイワメジャー×母母父Deputy Ministerのミツカネベネラ(母系にDeputy Minister+ダイワメジャーの王道パワー配合)、それから各馬の母系にキングカメハメハやルーラーシップを持つタイプだが、少なくとも“父キンカメ系”のど真ん中はいない。その意味では「リバティアイランド級のキンカメ×サンデー配合」は今年はいないので、過去10年の中では“キンカメ濃度”はやや薄めの年と言っていい。これは逆に、アランカールやミツカネベネラのようなロベルト系×サンデー系+欧州パワーの配合にとっては追い風になりやすい。

  • クロフネ(デピュティミニスター系)は、父か母父に入っていると【1勝・2着2回・3着1回】とかなりの好成績で、ソダシやクロノジェネシス、ビーチサンバ、リリーノーブルがこの枠に入る。今年の登録馬では“父クロフネ”はいないが、母系にDeputy Minister系を持つミツカネベネラ(祖母父Deputy Minister系)などはその流れを汲んでいて、「距離ギリギリのスピード馬」というより「パワーで押し切れる差し・先行タイプ」として信用度を上げていい。逆に、父も母父もひたすら切れ味寄り(サンデー×サンデーのような配合)で、パワー血統がほぼ入っていない馬は、“瞬発力だけで乗り切るにはこのレースはちょっとタフ過ぎる”側として、データ的には割引きたい。

  • 母父キングカメハメハ系(キングカメハメハ・ルーラーシップなど)は、ソダシ、シンリョクカ、ビップデイジー、ステレンボッシュと好走馬が多く、「先行しても差しても粘れる持続力」を出してくる。今年の登録でこの“母父キンカメ系”に当たるのはビップデイジー(すでに今年の2着馬として実績あり)だが、2025年版の想定メンバーで言えば、母系にキングカメハメハ系を持つ馬がいればそれだけで印の格を一段上げる理由になる。逆に、人気を集めそうなのに母父が極端なスプリント血統(サクラバクシンオー単体など)で、中距離的な底力を補う要素が少ない馬は、「スピードはあるがタフさに欠ける側」として、頭固定ではなく相手止まりにしておくのが安全寄りの判断だろう。

  • デインヒル系・カロ系の母父は、配当を動かすタイプの血で、アスコリピチェーノ(母父Danehill Dancer)、レシステンシア(母父Lizard Island)、ダノンファンタジー(母父Not For Sale)、サトノレイナス(母父Not For Sale)、ウインファビラス(母父アドマイヤコジーン)といった顔ぶれを見ると、「人気馬の確勝級」と「中穴の一撃」を両方演じている。今年の登録馬の中で、アルバンヌの母系にはSadler’s Wells系+Mr. Prospector系が入り、マーゴットラヴミーはGalileo×War Frontの濃い欧州マイラー血統を母系に持つので、“デインヒル/サドラーズ/ゴーンウエスト的な欧州パワー・スピードの塊”という意味ではかなり阪神JF型。こういう「欧州スピード+サンデー系」が揃っている馬は、たとえ人気が少し落ちても、消しではなく“オッズのつく相手本線”として拾っておきたい。

  • 消しデータ寄りで見ておきたいのは、「父も母父も軽いスピード血統に寄っていて、中距離的な底力やパワーを供給する血が薄い馬」だ。具体的には、父も母父もスプリント〜マイル特化のサンデー系・ミスプロ系ばかりで、キングカメハメハ系・クロフネ系・ロベルト系・欧州中距離血統のどれもほとんど入っていないタイプは、過去10年の好走血統像からは外れ気味になる。今年の登録馬の中では、血統表を見たときに「1600mより1400m以下の方が合いそう」「中距離実績のある親がほぼいない」と感じる馬たち(例えば短距離寄りの配合で、父も母父もスプリント〜マイルG1中心の血に偏っているタイプ)は、人気や調教がよほど良くない限り、3連系でもグッと点数を絞る候補にしていいと思う。

  • 反対に、“買い方向”として一番強く意識したいのは、「父がサンデー系 or ロベルト系 or キングカメハメハ系」「母系にキングカメハメハ・クロフネ・デインヒル・カロ・サドラーズウェルズ・Gone Westといったパワー血統」がきれいに混ざっている馬たちだ。アランカール(父エピファネイア×母シンハライト)、アルバンヌ(父アドマイヤマーズ=父父ダイワメジャー)、ミツカネベネラ(父モーリス×母父ダイワメジャー×祖母父Deputy Minister)、マーゴットラヴミー(父パワー&米欧マイル寄り×母系Galileo&War Front)あたりは、まさにその“血統バランスが阪神JF向き”なグループで、この塊を軸にして、あとは人気・枠・脚質を足し引きしていく、というのが血統テーブルを最大限活かした予想の組み方になると思う。

傾向まとめ

これで過去傾向に関してはすべて紹介したことになる。

どうしてもボリュームがあるので、おさらいがてら傾向を一言でまとめたものを貼っておくので再確認してみてくれ。

阪神ジュベナイルフィリーズの
傾向まとめ
  • 人気別成績
    勝ち馬は上位人気から出やすく、穴は主に2着や3着に入りやすい。

  • 前走レース別成績
    前走が重賞の馬が中心で、条件戦からの一気の勝ち切りは起きにくい。

  • 前走着順別成績
    前走で1着か2着の馬が強く、前走で大きく負けた馬は巻き返しにくい。

  • 脚質別成績
    差しが最も馬券に絡みやすく、逃げは例外的にしか通用しない。

  • 馬場ごとのデータ
    過去10年は良馬場しかなく、良馬場では差しと上位人気がより強く出やすい。

  • 枠順別成績
    内から中の枠が有利で、特に外枠は勝ち切りが難しくなる。

  • 配当傾向
    頭は堅めでも相手が荒れて高配当になる年が混ざる。

  • 関西関東の勝率成績
    関東馬は出走数が少ないのに馬券に絡む割合が高く、穴も関東馬から出やすい。

  • 血統傾向
    サンデー系を軸に、母系にパワー型の血が入る配合が走りやすい。

基本的な予想の活用方法に関してはこれで完璧。

ただこれだけだとそれぞれのデータが独立していて、全部の傾向をあわせて考えたときに今回の登録馬の中で結局どの馬が有利なのか不利なのかがわからないだろう。

そこでさらにここから過去傾向や消しデータを用いて、データ的にどの馬が有利なのかをランキング化したものを再度確認しよう。

過去傾向・消しデータが影響しそうな馬ランキング

ここまでまとめてきたい過去傾向や消しデータを利用して、登録馬の中で特にデータ上有利な馬をランキング化してみた。

以下の表に、2025年阪神ジュベナイルフィリーズの登録馬全頭を各評価項目ごとに独自指標で採点し、総合得点の高い順に並べた評価テーブルを示す。

※右にスクロール可能
記号→素点:◎=+2、◯=+1、−=0、△=−1、✕=−2
※重み(重視順):前走着順×4、前走レース×3、枠順×3、人気×2、脚質×2、血統×2、馬場×1、配当×1、関西関東×1

馬名 合計点数 人気別成績 前走レース別成績 前走着順別成績 脚質別成績 枠順別成績 馬場ごとのデータ 配当傾向 関西関東の勝率成績 血統傾向
ミツカネベネラ 33
アランカール 33
アルバンヌ 21
スターアニス 21
マーゴットラヴミー 18
ショウナンカリス 14
スウィートハピネス 8
タイセイボーグ 5
ヒズマスターピース 5
イヌボウノウタゴエ 4
ギャラボーグ 2
メイプルハッピー -1
スタニングレディ -5
アンヘリータス -5
フロムレイブン -8
ラスティングスノー -10
レディーゴール -14
ローズカリス -17

この重賞は、特に「前走着順」「前走レースの格」「枠順」「脚質」の4つが結果に直結しやすいので、そこに重みを置いた。

実際、ショウナンカリスとタイセイボーグが能力の割に点が伸びない形になっているが、これは「外枠の勝ち切りが難しい」という過去傾向をそのまま反映した結果だ。

逆にミツカネベネラとアランカールが同点トップなのは、どちらも“勝ち切りやすい人気帯”に入りやすく、内寄りの枠で差しが打てる条件が揃っているからだ。

ただ、この表は「過去10年の型にどれだけ当てはまるか」を点数化しただけで、当日の勝ち負けを決める最後の一押しは別にある。

今回の重賞で予想の優先順位を組むなら、現実的には 最終追い切りや当日の馬体の雰囲気、当日の芝の伸び方、想定されるペースと位置取り がまず上に来て、その次に「枠順×脚質」「前走の中身(強さの見え方)」、最後に「人気や配当」「血統での裏付け」という順番になるだろう。

だから、この表は“買う候補の土台作り”に使って、最後は追い切りと展開で上下させるのが一番ブレにくいはずだ。

阪神ジュベナイルフィリーズ
全頭診断追い切りまとめ

AI予想記事も公開中!

競馬口コミダービーでは今回紹介した過去10年の傾向と、出頭馬の追い切り情報や全頭診断などのすべての競馬予想に必要な要素を注ぎ込んだAIの予想買い目も公開している。

その内容はこちら。

AI予想の
公開内容
  1. 予想印
  2. 順当決着想定の
    予想買い目
  3. 穴決着想定の
    予想買い目

印も買い目もすべて根拠付きで掲載。

ぜひ今回得た過去傾向ともに参考にしてみてくれ。

阪神ジュベナイルフィリーズの
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