東京大賞典2025の追切評価&全頭診断!SS~Cで調教判定!

どうも、競馬口コミダービー管理人の木口順一だ。

2025年12月29日(月)に大井競馬場ダート2000mで行われるダート王決定戦「東京大賞典2025」。

出走予定の全16頭の最終追い切り内容を徹底評価し、各馬の状態と戦力を診断する。

Jpn1連勝中のミッキーファイトをはじめ、有力視される中央馬勢の仕上がりはどうか。

一方、地方勢からは韓国遠征帰りのディクテオンなど伏兵も虎視眈々。

好調馬の見極め方や不安材料まで網羅し、年末の大一番でどの馬を狙うべきか読み解いていこう。

過去10年の傾向まとめはこちら

東京大賞典2025のAI予想はこちら

馬アイコンこの記事を書いたのは

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木口 順一

競馬歴18年の42歳。

何年か前にブログや掲示板を運営する某会社を退職。
退職後はそのノウハウと自分の長い競馬歴で何かできないか考えた末、競馬口コミダービーを設立。

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レース概要と今回の注目ポイント

東京大賞典2025(大井・ダート2000m、出走16頭)は、年末に行われるダート中長距離の頂上決戦だ。

例年、このレースには中央競馬(JRA)勢と地方競馬(NAR)勢の精鋭が集い、“ダート王”のタイトルを懸けて激突する。

今年も帝王賞やJBCクラシックの勝ち馬、三歳路線の王者、各地方の代表馬が一堂に会した。

レースの位置づけ

東京大賞典は国際GⅠ(JpnⅠ)に格付けされ、賞金総額は1億円超と国内ダートでは有数の高額賞レースだ。暮れの大一番としてファンの注目度も高く、勝てば年度代表馬級の名誉となる。

今年の構図

「中央勢VS地方勢」に加え、「古馬VS三歳馬」の新旧対決がテーマだ。

今年から三歳馬の参戦条件が緩和され、斤量56kgの3歳有力馬(通常古馬牡馬は57kg)が複数出走している。

勢いある若馬が実績上位の古馬に挑む構図で、新興勢力が台頭する可能性も十分にあるだろう。

舞台特性

大井競馬場2000mは向正面のポケットからスタートし、最初のコーナーまでの距離が長い。

ペースは淀みなく流れやすく、長い直線(386m)では持続力とスタミナ、そして最後の一伸びする底力が要求される。

過去の東京大賞典では先行勢が有利だが、極端なハイペースになれば差し馬の台頭もありうる。

馬場は例年冬場で乾燥傾向だが、当日の天候や馬場状態(良・稍重など)もチェックしたい。

注目ポイント

今年の中央勢は実績・勢いともに強力で、人気も上位を占める見込みだ。

特にJpn1を連勝中のミッキーファイト(牡4)や、同世代で古馬G1に挑むナルカミ(牡3)などは実績+上昇度の両面で目が離せない。

一方、地方勢にも3歳二冠馬ナチュラルライズ(牡3)や韓国GⅢ勝ちのディクテオン(セ7)などクセ者が揃う。

中央の壁は高いが地元の利も侮れず、大波乱まではなくとも中波乱の要素はある。

各馬の最終調整の出来がそのまま結果に直結しやすい一戦だけに、次章で詳述する追い切り評価から好調な馬を見極めることが攻略のカギとなるだろう。

各陣営の仕上げの意図や動向にも目を配りたい。

東京大賞典の
傾向と消しデータ特集

最終追い切り評価まとめ【調教タイム一覧表】

各馬の最終追い切り(直前の追い切り)のタイムとコース、そして動きの評価ランクを一覧にまとめた。

調教映像やタイム計測の情報を基に、専門家の目で状態を6段階評価(S・A・B・C・D・E)している【※今回D以下なし】。

S評価は文句なしに絶好調、A評価は好調、B評価は及第点クラスで大きな不安は無し。

C評価はやや物足りない動きでピークではない可能性を示す。【D(平凡)】や【E(不調)】は今回は該当なしだが、評価不能(映像なし)は別途注記する。

以下の表で各馬の直前追い切りデータと評価傾向を掴んでほしい。

馬名(所属)

最終追切

日時

コース

主な計測タイム 評価 映像・情報

ディク

テオン

(大井)

12/25

小林分場

ダート重

5F 62.7-3F 36.3

(一杯)

S

☆海外帰りも

絶好仕上がり

ナルカミ

(美浦)

12/24

美浦Wコース

5F 66.6-1F 11.0

(馬なり→一杯)

S

☆疲労感じず

動き軽快

アウト

レンジ

(栗東)

12/24

栗東CW

6F 80.2-1F 11.3

(終い強め)

A

良化◎、

併走先着

シーソー

ゲーム

(大井)

12/24

大井ダート

稍重

4F 53.9-1F 12.1

(馬なり)

A

反応鋭く

仕上良好

ナチュラル

ライズ

(美浦)

12/25

美浦Wコース

5F 69.9-1F 11.7

(一杯)

A

前走以上に

好調

ミッキー

ファイト

(美浦)

12/25

美浦Wコース

6F 81.3-1F 11.5

(馬なり)

A

盤石、

王者の風格

ナイトオブ

ファイア

(大井)

12/24

大井ダート

稍重

5F 62.8-3F 37.6

(一杯)

B

反応平凡で

及第点

ナンセイ

ホワイト

(大井)

12/24

大井ダート

5F 64.5-3F 37.5

(馬なり)

B

動き

まずまず

バハル

ダール

(大井)

12/24

大井ダート

稍重

5F 63.4-3F 38.0

(強め)

B

仕上がり

平行線

パッション

クライ

(大井)

12/25

大井ダート

4F 52.8-1F 12.4

(強め)

B

動き上々も

力関係課題

ヒーロー

コール

(浦和)

12/21

浦和ダート

5F 54.3-1F 12.1

(終い強め)

B 合格点の動き

ホウオウ

ルーレット

(美浦)

12/25

美浦坂路

稍重

4F 52.6-1F 13.0

(強め)

B

加速遅めも

問題無し

グラン

ブリッジ

(栗東)

12/24

栗東CW

6F 78.0-1F 12.6

(強め)

C

今回ラストランも

冴えず

キングズ

ソード

(栗東)

12/25

栗東坂

路重

4F 53.8-1F 12.7

(強め)

C

動き淡泊で

不安

アラジン

バローズ

(兵庫)

(映像提供なし) 情報不足

ベル

グラシアス

(大井)

(映像提供なし) 情報不足

※タイム表記は主に最後の5ハロン(5F)または4ハロン(4F)からゴールまでの計測で、括弧内は追い方(馬なり=強く追わず、強め=やや強く追う、一杯=全力で追う)。馬場状態は美浦・栗東はウッド(W)もしくは坂路、地方はダートコース。アラジンバローズとベルグラシアスは直前の調教映像・時計情報が確認できなかった。

S評価となったのは中央のナルカミと地方のディクテオンの2頭。

A評価はミッキーファイト以下計5頭で、上位人気が予想される馬の多くが順調な仕上がりを見せている。

一方でC評価にとどまった馬もおり、特に中央馬のグランブリッジとキングズソードはピーク時に比べて物足りない動きだったことが窺える。

また、兵庫のアラジンバローズと大井のベルグラシアスの2頭は直前情報が不足しており調教評価不能だが、この点は予想を組み立てる上でリスク要因となる(状態が読みにくいため積極的には手を出しにくい)。

以上の追い切り評価を踏まえ、次節からは中央勢と地方勢に分けて各馬の診断を行う。

評価ランクだけでなく、それぞれの馬のこれまでの戦績や特徴も含め、総合的に分析していく。

中央勢7頭の全頭診断(JRA所属馬)

東京大賞典2025にはJRAから7頭が参戦している。

例年このレースは中央馬が優勢で、昨年までの勝ち馬もほとんどが中央所属(2023・2022年はウシュバテソーロ、2018-2021年はオメガパフュームなど)だ。

中央勢の総合力と底力は一枚上と言われるが、当日の仕上がり次第では明暗が分かれる。

今年の7頭はいずれも重賞ウイナーであり実力は折り紙付き。

各馬の調教過程も順調で大崩れは考えにくいが、細かな差はある。

まず中央馬7頭の基本情報を一覧しよう。

馬名(性齢)

主な戦績・タイトル

最終

追い切り

評価

見送り条件・不安要素

ミッキー

ファイト

(牡4)

帝王賞

JBCクラシックなど

重賞5勝(GI連勝中)

A

(好調維持)

特になし◎

(実績断然で安定感)

ナルカミ

(牡3)

ジャパンダート

クラシック優勝

(3歳ダート王)

S

(状態絶好)

前走大敗の影響わずか?

(スタート課題)

ホウオウ

ルーレット

(牡6)

浦和記念

シリウスS優勝

(古馬重賞2連勝中)

B

(維持充分)

地方砂2戦目の対応

(展開頼み)

アウト

レンジ

(牡5)

平安S優勝、

帝王賞4着

(交流GI実績あり)

A

(良化)

大井コース実績薄

(左回り課題か)

キングズ

ソード

(牡6)

ブリリアントS

(OP)など

C

(攻め不足)

今年勝ち星なく

衰え気味

グラン

ブリッジ

(牝6)

レディス

プレリュードなど

牝馬重賞5勝

C

(精彩欠く)

引退レースの消耗、

牡馬相手分が悪い

ナチュラル

ライズ

(牡3)
※JRA移籍馬

羽田盃

東京ダービー優勝

(地方3歳二冠)

A

(前走並み)

古馬一線級と初対戦

(力量未知数)

※ナチュラルライズはNAR二冠達成後にJRAへ移籍(美浦・伊藤圭三厩舎)。今回が中央所属馬として初の地方GI参戦。

JRA勢7頭はいずれも実績上位で能力に遜色はない。

調教評価でも半数以上がA以上となっており、大きくデキ落ちの馬は見当たらない。

ミッキーファイトは帝王賞→JBCクラシックとGI連勝中で勢いNo.1。

追い切りも馬なりで上々の伸びを見せ、仕上がり文句なしだ。

古馬チャンピオンとして他の中央馬からも一目置かれる存在だろう。

対してナルカミは前走チャンピオンズCこそ殿負けだったが、中間も在厩調整で疲れは抜群に取れている。

最終追いではウッドコースで軽快なフットワークを披露し、一変の兆し十分である。

ほか、アウトレンジホウオウルーレットも直前の地方重賞を勝つか好走しており、ここでも状態維持は確かだ。

これら中央勢の中で明確に調子落ちが懸念されるのはグランブリッジとキングズソードの2頭。

双方とも追い切りの動きにキレがなく、ピーク時の迫力を欠いている。

特にグランブリッジはこのレースを最後に引退予定で、牝馬ながら長く牡馬一線級と戦ってきた反動か、今回はややデキ落ちの印象がある。

ミッキーファイト(牡4)

今年のダート界の主役で、帝王賞・JBCクラシックと古馬GIを連勝中。通算10戦7勝【7-1-2-0】と安定感も抜群だ【※大井コースは昨年JDDで2着経験あり】。

最終追い切りは12/25美浦Wで3頭併せを敢行し、深い霧の中でも楽々と先着する動き【評価A】。

田中博康調教師も「動きだけ見れば甘さはなく仕上がり良好」と手応え十分の様子だ。

夏場から使い詰めだが大きな消耗は感じられず、出来はほぼ万全と判断できる。

大一番でも力を出し切れる状態で、本命視に値する。

唯一の不安材料を挙げるなら、秋4戦目のローテーションで多少の上積み余地が乏しい点くらいだろう。

順当に走ればまず崩れない。

ナルカミ(牡3)

地方交流路線の3歳チャンピオンホース(前走のジャパンダートクラシックをレコード逃げ切り)だ。

チャンピオンズC(中京GI)では古馬の壁に跳ね返された形だが、レースを途中で諦めた節もありダメージは軽微。

中2週で連闘に近いローテながら、12/24美浦Wではいっぱいに追われて鋭い伸びを見せた【評価S】。

直前の計時では6F66秒6-終い1F11秒0の好時計をマークし、疲労感ゼロのフットワークだった。

前走からの立て直しに成功しており、状態面の不安は払拭できる。

問題は初の大井コースと砂厚への適応だが、2走前に同じ大井2000mのJDD(ジャパンダートダービー相当)を逃げ切っているためコース実績は十分。

スタートで行き脚がつかないともろさを見せるだけに、今回もハナを切る形に持ち込めるかが鍵となる。

すんなり先手なら押し切りを狙える仕上がりと言える。

※ジャパンダートクラシック: 2025年よりジャパンダートダービー(NAR三歳三冠最終戦)の後継競走として新設。ナルカミが第1回優勝馬。

ホウオウルーレット(牡6)

今年に入って本格化し、秋にシリウスS(JRA GIII)→浦和記念(JpnII)と重賞2連勝中。

差し脚鋭い追い込み馬で、地方の小回りも克服してきた。

12/25の最終追いは美浦坂路で単走52秒6-12秒9と平凡だが、1週前にウッドで併せ馬を消化しており調整過程は順調【評価B】。

やや加速に時間を要する走法だけに、直線の長い大井はむしろ好都合だろう。

ただし今回メンバーを見ると先行型が多く、展開待ちの形になると届かないリスクもある。

調教の動き自体は悪くなく好調キープだが、速い上がりを繰り出せるかは展開面の助けが必要かもしれない。

直前の反応が鈍く見えた点は気になるが「これはこの馬の癖で大きな問題ではない」という見方もできる。

実力的には3着争いの圏内だが、勝ち切るには展開の助けとさらにもう一段階のギアが欲しいところ。

アウトレンジ(牡5)

春の平安S(JpnII)を勝ち、一躍ダート中距離戦線の台頭株となった存在。

続く帝王賞でも4着善戦歴があり、地方交流でも通用する力を示している。

前走はチャンピオンズCで8着だったが悲観する内容ではない。

調教は12/24栗東CWコースで併せ馬を行い、格下馬にしっかり先着してきた【評価A】。

チャンピオンズC時には坂路主体だったが、今回はコースで負荷をかけてきており、前走以上に状態を上げてきた印象だ。

課題は大井コースとの相性で、実は大井はこれまで未経験。

左回り自体は問題ないが深い砂への適性がカギとなる。

追い切りで動けていることから推測すれば、陣営も砂厚を意識した調整をした可能性が高い。

総合力では上位陣に迫る存在で、人気以上に怖い伏兵中央馬と言える。人気次第では妙味もあるため、ヒモ穴としては押さえておきたい一頭だ。

キングズソード(牡6)

近年オープン特別を勝った実績はあるものの、重賞では掲示板止まりが多い善戦マン。

今年も帝王賞6着など大舞台であと一歩足りない競馬が続く。

調教では12/25栗東坂路で53秒8-12秒7と自己ベストには遠い平凡な時計【評価C】。

動きにキレがなく、全体的にメリハリを欠いたフットワークだった。

3走使われて秋3戦目だが、どうも本調子には届いていない印象が拭えない。

年齢的な衰えも考慮すると、大きな上積みは期待薄だろう。

展開利があってどこまでという立場で、馬券的には人気次第では思い切って無印も検討したい。

抑え評価が妥当か。

グランブリッジ (牝6)

昨年のレディスプレリュードや一昨年の関東オークスなど牝馬ダート路線で輝かしい実績を誇る女傑。

しかし近走は牡馬相手のGI戦線で2着止まりが続き、あと一歩勝ち切れずにいる。本レース限りでの引退が公表されており、有終Vを期したいところだったが、調教評価は芳しくない。

12/24栗東CWでの追い切りでは6F自己ベストを更新するタイムを出したものの、併せ馬で遅れる場面もあり【評価C】、ピークの動きには程遠いと判断された。

陣営も「一杯に追ってやっと」という感触で強気なコメントは出ていない。

そもそも大井コースは昨年このレース3着があるものの、本質的には小回り向き。さらに今回は牡馬混合のハイレベル戦とあって、能力面・状態面で分が悪いのは否めない。

掲示板確保できれば上出来という位置づけで、大駆けはあまり期待できないだろう。

人気次第ではバッサリ切る手もある。

ナチュラルライズ (牡3)

今年の南関東三冠路線を賑わせた3歳馬で、羽田盃→東京ダービーの二冠を制覇した実力馬。

地方所属時に積み上げた戦績は7戦5勝とほぼ無敗に近く、唯一の敗戦がナルカミに敗れたジャパンダートクラシック2着という内容だ。

その後JRA・美浦に電撃移籍し、前走は浦和記念に挑戦したが結果は8着。

4ヶ月ぶりの競馬でさすがに仕上がり途上だったかもしれない。

しかし叩き2戦目の今回は調教から明らかに良化が感じられる。

12/25美浦Wの最終追い切りでは5F69秒9-終い11秒7を馬なり強めで計時し【評価A】、「前走よりデキは良い」と関係者も太鼓判を押す。

右にもたれる癖はあるが、この日は直線で真っ直ぐ走れていたと鞍上の横山武史騎手も感触を掴んだ様子。

古馬との力量比較が鍵となるが、大井コースは(地方所属時代に)3戦3勝で得意舞台。

持ち前の先行力と粘りが活きる展開になれば侮れない。

人気はやや落とし気味だが、配当妙味を考えるなら押さえて損はない伏兵だろう。

逆に言えば古馬の壁に跳ね返される可能性もあり、「未知の魅力と不安」を併せ持つ存在と言える。

総じて中央勢ではミッキーファイトが信頼度トップで軸向きだ。

対抗には状態最高潮のナルカミを推す声が多く、この2頭は実力・仕上がりともに抜けた存在に映る。

以下、ホウオウルーレットとアウトレンジが三連系の押さえに欠かせない有力馬。

一方、キングズソードとグランブリッジはデキ落ち懸念があり思い切った軽視も戦略となる。

ナチュラルライズは扱いが難しいが、現時点で人気次第では妙味十分の穴候補だ。

中央馬同士の決着になる可能性が高いが、次章で述べる地方勢の中にも一発を秘めた馬がいる。

中央勢から誰を軸にするか見定めつつ、相手候補として地方馬も少数は拾っておくと配当狙いでは有効だろう。

地方勢9頭の全頭診断(NAR所属馬)

次にNAR所属の地方馬9頭を診断する。

中央馬に比べ実績面で見劣る馬も多いが、地元・大井を主戦場とする馬や、地方全国で活躍してきた猛者が揃っている。

今年の地方勢は3歳の新星からベテランの重賞ウイナーまで多彩で、一枚割引とはいえ侮れない顔触れだ。

実際、過去の東京大賞典でも地方所属馬がしばしば馬券に絡んでおり(近年ではオメガパフュームが4連覇を達成した例もある)、軽視は禁物だ。

特に大井コース適性やナイター競馬への慣れといった“地の利”は無視できない要素である。

以下の表に地方勢の概要と評価をまとめる。

馬名(性齢)

主な戦績

タイトル(地方)

最終

追い切り

評価

狙い目 / 不安材料

ディクテオン

(セ7)

韓国GⅢ

コリアカップ優勝、

大井記念馬

S

(絶好調)

大井巧者◎

海外帰り上積み十分

ナチュラル

ライズ (牡3)
※JRA転籍

東京ダービー

羽田盃優勝

(地方三歳二冠)

A

(良好)

地方時代から大井無敗◎、

古馬初対戦△

シーソー

ゲーム

(牡3)

東京湾C優勝

(南関準重賞)

A

(良化)

前走大敗一変○、

相手強化で力量試し△

ナイトオブ

ファイア

(牡3)

羽田盃2着

(東京ダービー4着)

B

(平凡)

気ムラな面あり▲、

展開ハマれば一発△

バハル

ダール

(セ6)

東京記念2着、

勝ち鞍は

NAR準OPクラス

B

(及第点)

善戦マンで詰め甘い▲、

展開利必要

ナンセイ

ホワイト

(牡5)

川崎記念9着など

交流GI参戦歴あり

B

(及第点)

格上相手で

力不足感▲

ヒーロー

コール

(牡5)

浦和

報知オールスターC

勝ち(南関重賞)

B

(及第点)

先行力有○、

大井実績薄▲

アラジン

バローズ

(セ8)

サマーチャンピオン

(JpnIII)優勝

(兵庫所属)

情報

不足

前走兵庫ゴールドT凡走▲、

調子疑問

ベル

グラシアス

(牝3)

クイーン賞5着

(地方牝馬重賞で

健闘)

情報

不足

古馬混合で荷不足気味▲、

調教不明

地方馬9頭の中では、実績・近況からディクテオンナチュラルライズが双璧と言える。

ディクテオンは大井所属の古豪だが、9月に韓国遠征してコリアカップを制するなど国際舞台で活躍し、勢いを取り戻している。

一方ナチュラルライズは上述の通り元NAR三歳王者で、途中からJRAに移籍してきた異色の存在だ。

それ以外の馬を見ると、3歳のシーソーゲームナイトオブファイアが将来性はあるものの古馬一線級と渡り合うにはあと一歩。

古馬ではヒーローコール(浦和の重賞勝ち馬)やバハルダール(大井長距離重賞2着)あたりが善戦傾向だが、決め手に欠け重賞級では取りこぼしている印象が強い。

また兵庫のアラジンバローズは交流重賞勝ちの実績こそあるが、南関東遠征で本調子を欠くケースが多く、直前情報も乏しいため評価しづらい。

ベルグラシアスは3歳牝馬で今回最年少・唯一の牝馬だが、さすがにここでは荷が重いだろう。

総じて、中央勢との力差は否めず、馬券圏内に食い込める地方馬は限られるというのが大方の合意だ。

ディクテオン(セ7, 大井)

地方勢の筆頭格。もともと東京大賞典でも掲示板経験(2021年5着)がある実力馬で、一時低迷したが今年は蘇った。

夏に国内戦を叩いてから挑んだ9月韓国GⅢコリアCで海外初遠征ながら堂々の優勝という快挙を成し遂げた。

その後休養を挟み、年末の大舞台に照準を合わせて再始動となる。

最終追い切りは12/25に小林分場(大井の外厩先)で5F62秒7とシャープな動きを披露【評価S】。

「海外遠征の疲れも全く感じない」と評されるほどフレッシュな状態で、状態はキャリア最高レベルと見ていい。

鞍上は大井の藤田凌騎手に戻り“地元凱旋レース”で一発を狙う構え。

課題があるとすれば、勝ち味に遅い点(実は国内では重賞未勝利)だが、今回は勢いと充実度が違う。

中央勢に割って入るならこの馬との評価が大勢で、人気以上に要注意な大穴候補である。

ナチュラルライズ(牡3, 美浦)

元地方馬ゆえ地方勢に含めて分析する。

三歳二冠の実績から地方ファンの支持も厚いが、前節述べた通り現在はJRA所属となり中央馬扱いの立場だ。

調教評価Aと良好で、地元大井で再び輝きを放つ可能性がある。

地の利という意味では3歳時代に大井コースで無敗だった実績が心強い。

古馬との初顔合わせとなった浦和記念では8着に敗れたものの、叩き台と割り切れば度外視可能。

今回は古巣の大井でリベンジ戦と意気込んでおり、横山武史騎手も「引き続き馬との勝負になる」とコンビで課題克服に燃えている。

明らかに前走以上の仕上がりで巻き返しを図る一戦だ。

三歳馬の斤量アドバンテージ(1kg軽い)も活かせれば、馬券圏内浮上のシナリオは十分描ける。

評価としては中央勢に準ずる「対抗グループ」の一角で、穴ならこの馬という声もあるほどだ。

シーソーゲーム(牡3, 大井)

大井の藤田輝信厩舎が送り出すもう一頭の3歳馬。

古馬混合の前走JpnII(浦和記念)は11着と大敗したが、今回は調教内容が一変した馬の一頭だ。

12/24大井での追い切りでは馬なりながら軽快な動きを見せ【評価A】、「ここ数戦とは違うピカピカの仕上がり」と高評価を得た。

もともと夏場に東京湾カップを勝つなど素質は示しており、まだ底を見せていない魅力がある。

ただし今回は格上揃いのGI級メンバーだけに、一枚劣る地力をどこまで補えるか。

調教気配が良い今なら平常時以上の力は出せそうで、展開が向けば大駆けの可能性もゼロではない。

人気薄ならヒモ荒れ要員として押さえる手はあるが、基本的には掲示板狙いまでか。

連下評価に留めたい。

ナイトオブファイア(牡3, 大井)

こちらも3歳で、羽田盃2着・東京ダービー4着と南関クラシック戦線で健闘してきた。

しかし気性面にムラがあり、勝ち味に遅い現状だ。

最終追いは12/24大井で一杯に追われたが反応今ひとつ【評価B】。

併せた僚馬シーソーゲームと比較しても劣る動きで、絶好調時には届かない。

吉原寛人騎手との新コンビで変わり身を狙うが、今回は展開がドハマリするなど何か大きな助けがないと馬券圏は厳しいだろう。

人気も低くなる見込みで、抑えるなら3連系の超穴として少額で拾う程度の評価か。

逆に言えば展開ひとつで一瞬見せ場を作る可能性はあり、楽に先行できるようなら粘り込みの目も少しはある。

とはいえ信頼度は低く、大多数にとっては見送り候補となる。

バハルダール(セ6, 大井)

大井の中距離〜長距離戦線で善戦を続けてきたセン馬。

重賞タイトルこそ無いが、東京記念で2着に入るなど力は示している。

ただ近走は勝ち切れず3着続きで、勝負所で甘さが出るタイプだ。

追い切りは12/24大井で強めに追われて凡時計【評価B】、状態は平行線で大きな上積みは感じられない。

それでも地元の利を活かして掲示板狙いに徹する競馬なら可能性はある。

昨年の東京大賞典でも6着と健闘しており、展開次第で5着前後まで食い込むシーンは想定できる。

ただし勝負どころで一歩足りない癖は今回も解消されていない様子で、直線であと一伸び欠く恐れが強い。

三連複のヒモに拾うならともかく、積極的には狙いづらい一頭だ。

ナンセイホワイト(牡5, 大井)

南関東で条件戦を勝ち上がり、交流GIにも顔を出しているが実績的には格下感は否めない。

前走浦和記念はブービー11着で、中央馬の壁に跳ね返された。

今回も相手がさらに強くなるため苦戦必至だ。追い切りでは馬なりながらそれなりに動いて【評価B】、デキ落ちはないものの、逆に大幅良化も感じられない。

持ち味は器用さと先行力だが、このメンバー相手では先行争いに加われるかも微妙なライン。

展開利が皆無なら見せ場もなく終わる危険が高い。

総合的に見て押さえ不要の大穴候補と言え、人気も16頭中下位だろう。

大きな弱点はないが決定的な強調材料もなく、今回は静観が妥当か。

ヒーローコール(牡5, 浦和)

浦和所属で小久保智厩舎という強豪陣営の馬。

報知オールスターCの勝ち馬で地方全国交流でもまれてきた。

機動力ある先行馬で、大崩れしにくいのが強みだ。

今回も果敢に前々につける競馬を狙うはず。調教は12/21浦和で終い重点に追われ、併せ馬で見劣らぬ動きを見せて【評価B】。

中央勢相手にどこまで通用するか未知数だが、展開面の恩恵があれば粘り込んで掲示板くらいは可能かもしれない。

特に同型が意外と控えればスロー先行の目もある。

ただし大井コースは過去1戦して凡走(昨年の東京大賞典13着)しており、コース適性に疑問符がつく点はマイナス材料。

実績的にも一枚足りない印象で、人気薄の割に妙味はそこまで高くないかもしれない。

総合力ではバハルダールと横並びくらいの評価に留めたい。

アラジンバローズ(セ8, 兵庫)

JRAから兵庫・新子厩舎に移籍し、今年のサマーチャンピオン(JpnIII)で古巣の中央馬を破って重賞制覇した叩き上げだ。

以降も南部杯5着、JBCスプリント3着など短〜中距離で奮闘している。

ただ今回は2000m戦で距離延長が課題となるうえ、直前の兵庫ゴールドトロフィーでは見せ場なく大敗。

そこから中1週程度で遠征となり、さすがに強行軍は否めない。

追い切り情報も十分に掴めず【評価不可】、本調子かどうか疑問が残る。

過去にも遠征明けに地元戦で凡走することがあり、リズムを崩すと脆い面がある。更に8歳という年齢からピークアウトの懸念も大きい。

そうした理由から危険な人気落ちとも言えるが、さすがに狙いづらい。

不安要素が多く、ここでは割引が必要だろう。思い切って無視する手もある。

ベルグラシアス(牝3, 大井)

大井の市村誠厩舎所属の3歳牝馬。

戦績は平凡ながら重賞でも健闘しており(クイーン賞5着など)、脚質は差し。

だが今回は最年少かつ唯一の牝馬で荷が重い印象は拭えない。

調教映像も提供がなく状態評価不能だが、大舞台の経験もなくここに入っては格下感は否めないだろう。

将来性はあるにせよ、現時点でこのメンバー相手に好走できれば大金星だ。

よほど何か恵まれない限り上位進出は厳しく、大敗濃厚な人気最底辺という扱いになる。馬券的にもさすがに手が出ない。

地方馬で買い目に加えて妙味があるのはディクテオンが筆頭。

追い切り絶好で充実ぶりから、中央勢に割って入る可能性は十分だ。

次いでナチュラルライズも穴なら相応のチャンスがあり、特に三連複や三連単で高配当を狙う際には押さえておきたい。

シーソーゲームは人気皆無なら抑えて損はないが、ヒモ穴評価まで。ナイトオブファイアヒーローコールバハルダールは展開ハマり待ちの域を出ず、大駆けまではどうか。

アラジンバローズベルグラシアスはデータ不足もあり大きく割引で良いだろう。

総じて、地方勢から馬券圏内に食い込むなら1頭までという見立てが妥当で、複数頭が絡むには相当な波乱条件が必要だ。

人気薄の一撃に備えるならディクテオンを厚めに、あとはナチュラルライズを少々という配分が現実的ではないか。

中央勢の壁は厚いが、地方馬にもドラマを起こす力を秘めた馬がいることは忘れずにいたい。

FAQ(よくある質問と回答)

東京大賞典の追い切りと全頭評価を参考にするにあたってよくある質問と回答を用意した。

Q1. 東京大賞典2025はいつどこで開催されますか?

A1. 2025年12月29日(月)に大井競馬場(東京都品川区)で開催されます【レース発走予定時刻は16:40】です。大井競馬場のダート2000mコースで行われ、3歳以上のダートトップホースが集結する年末のビッグレースとなっています。

Q2. 出走馬の中で最も調子が良さそうなのはどの馬ですか?

A2. 調教評価で最高の「S評価」を獲得したのはナルカミ(JRAの3歳馬)とディクテオン(大井所属の7歳馬)の2頭です。ナルカミは前走大敗の反動を感じさせない軽快な動き、ディクテオンも海外遠征帰りとは思えぬ絶好調の仕上がりでした。一方、実績最上位のミッキーファイトも「A評価」で万全に近い状態と見られます。この3頭が特に好調といえるでしょう。

Q3. 三歳馬の斤量は有利ですか?東京大賞典で通用するのでしょうか?

A3. 三歳馬(牡馬)の斤量は56kgで古馬牡馬より1kg軽く設定されており、わずかですが有利です。今年は三歳馬が複数出走し、ナルカミ(中央3歳王者)やナチュラルライズ(地方3歳二冠馬)が古馬に挑みます。近年の傾向では3歳馬が東京大賞典で馬券圏内に入るケースも増えており(昨年2着も3歳馬)、経験を積んだ強豪なら通用します。ただし相手も一線級揃いのため、斤量差以上に地力勝負にはなるでしょう。実際、今年のナルカミやナチュラルライズは十分戦える下地があると評価されています。

Q4. 地方所属馬で狙えそうな伏兵はいますか?

A4. 注目はディクテオンです。大井所属馬で海外GⅢ勝利の実績があり、今回調整も抜群にうまくいっています。また元地方馬のナチュラルライズ(現在JRA所属)も地方で無敵だった実績と地元コース巧者ぶりから侮れません。その他ではシーソーゲーム(大井の3歳馬)が追い切り好調で、人気薄の一発候補と言えます。逆に他の地方馬は実績面で見劣りするため、あえて狙うなら上記数頭に絞るのが現実的でしょう。

Q5. 東京大賞典の過去の傾向は?人気馬は信頼できますか?

A5. 東京大賞典は近年、1番人気馬の連対率が高く(過去10年で1番人気の勝率50%超)、堅めの決着が多い傾向です。特に中央勢が強く、人気上位のJRA馬が順当に馬券に絡むケースが目立ちます。ただし3連単の配当を見ると万馬券になる年もあり、ヒモ荒れ(人気薄が3着に食い込む)には注意が必要です。今年も実績馬が順当なら本命サイドで決まるでしょうが、地方馬や伏兵が台頭すれば高配当もあり得ます。人気馬の取捨と穴馬の拾い方がポイントになります。

まとめ – 全頭診断を踏まえた戦略

以上、東京大賞典2025の全頭診断と追い切り評価を行った。

中央馬と地方馬の戦力差は歴然としているが、レースは生き物であり絶対はない。本命候補としては実績・仕上がりともに揃ったミッキーファイトが最有力だが、配当妙味を考えるならナルカミの逆転やディクテオンの台頭にも備えたい。

馬券戦略としては、堅実派なら中央勢中心の馬単・三連複フォーメーションで手堅くまとめるのが得策だろう。

一方、穴狙い派はディクテオンやナチュラルライズを絡めた高配当狙いの三連単も面白い。

判断軸として各馬の調教評価と状態を整理すると、買い目から外すリスクが高いのはピークを過ぎたキングズソードやグランブリッジ、情報不足のアラジンバローズあたり。

反対に押さえておきたいのは好調光るナルカミ・ディクテオンや未知の魅力あるナチュラルライズだ。

最後に付け加えると、東京大賞典は一年の締めくくりにふさわしい熱戦が繰り広げられるだろう。

競馬ファンにとっては有馬記念と並ぶ年末の風物詩でもある。

当日は現地観戦やライブ中継でその興奮をぜひ味わってほしい。

この記事の全頭診断が、あなたの馬券検討の一助となり、2025年の有終の美を飾る的中につながれば幸いである。

次の行動は、オッズや直前情報を確認しつつ最終的な購入馬券を決断することだ。

冷静な判断で年末の大勝負に挑んでいただきたい。健闘を祈る。

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