東スポ杯2歳ステークス2025の追切と全頭診断&SS~Cで調教評価

どうも。競馬口コミダービー管理人の木口順一だ。

東京スポーツ杯2歳ステークス(東スポ杯2歳S)は毎年11月下旬に東京競馬場・芝1800mで行われる2歳馬限定の重賞だ。

2021年からG2に格上げされ、将来クラシック戦線で活躍するスター候補の登竜門と位置付けられている。

実際、近年の勝ち馬から多くのG1馬が誕生しており、本レースを勝ち上がった馬が翌年のクラシックで主役級になるケースも珍しくない。

以下の表に、過去本レースの主な勝ち馬と後のG1実績をまとめる。

開催年(回次) 優勝馬(東スポ杯2歳S) 後の主な実績(G1)
2013年(第18回) イスラボニータ 翌年皐月賞制覇(クラシック)
2017年(第22回) ワグネリアン 翌年東京優駿(日本ダービー)制覇
2019年(第24回) コントレイル 翌年無敗で牡馬三冠達成
2020年(第25回) ダノンザキッド 同年ホープフルステークス制覇(2歳G1)
2021年(第26回) イクイノックス その後G1・6勝(有馬記念、天皇賞など)
2024年(第29回) クロワデュノール 翌年東京優駿(日本ダービー)制覇

こうした実績から「クラシックへの登竜門」と呼ばれるゆえんだ。

今年2025年も将来を期待される素質馬が揃っており、勝ち馬が翌年以降にG1戦線で飛躍する可能性は高い。

ファンにとって本レースは、単なる2歳重賞に留まらず来春の勢力図を占う一戦でもある。

過去10年の傾向まとめはこちら

東スポ杯2歳ステークス2025のAI予想はこちら

馬アイコンこの記事を書いたのは

執筆者画像

木口 順一

競馬歴18年の42歳。

何年か前にブログや掲示板を運営する某会社を退職。
退職後はそのノウハウと自分の長い競馬歴で何かできないか考えた末、競馬口コミダービーを設立。

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過去のデータ傾向

実力馬同士の対戦だけに、レースの傾向は比較的素直だ。

人気サイドが強く、大波乱は少ない傾向がデータから読み取れる。

加えて、馬のキャリアや体格面でも特徴的な傾向が見られる。以下の表に主なポイントをまとめた。

指標・条件 調査期間(過去) 主な成績・傾向 示唆 注意点・補足

1番人気の

3着内率

過去10年 7割(70.0%)【7/10回】 断然人気が崩れにくい

※2018年のみ

4着以下【例外】

2番人気の

3着内率

過去10年 7割(70.0%)【7/10回】 二番人気も安定

※1~2番人気が揃って

凡走は1度のみ

上位人気の

独占度

過去10年

3着内30頭中

25頭が5番人気以内【約83%】

波乱度は低め

※10番人気以下の

激走例は皆無

デビュー時期

9月デビュー組

(該当少数)

3着内率55%と高水準

遅すぎず早すぎない

始動馬が好成績

※要因: 夏デビュー馬は

早熟止まりの可能性

馬体重

480kg以上の

大型馬

複勝率約45%

(対480kg未満 ~20%)

馬格ある馬が好走

【成長力◎】

※小柄な馬はパワー・

持続力で見劣りがち

こうしたデータから、「素質+完成度」の高い人気馬が順当に力を発揮しやすいレースだとわかる。

特に1~2番人気馬の信頼度は高く、過去10年で両方とも馬券圏外に飛んだのは2018年(勝ち馬ニシノデイジーの年)だけである。

また、2歳戦とはいえ大柄な馬やデビューが遅すぎない馬が活躍するのも注目点だ。

これは馬格のある馬の方がスタミナ・パワー面で有利になりやすい東京1800mという舞台設定や、成長曲線の違いが影響している可能性がある。

ただしデータ母数が少ない項目もあるため、極端な思い込みには注意したい。

出走全馬の評価(全頭診断)

今年の東スポ杯2歳ステークス2025はフルゲート18頭に対し12頭立てとなった(※回避馬あり)。

ここでは確定出走馬12頭について、それぞれの戦績・適性・不安材料を整理する。

実力上位と見られる有力馬から、一発を秘める伏兵まで「共通認識→差分→判断」の順に分析し、最後に総合評価を示す。

まず全頭の特徴を一覧でまとめる。

馬名 (牡2)/騎手 判断軸(評価ポイント) 見送り条件(懸念材料)

ダノンヒストリー

(D.レーン)

素質◎で初戦圧巻。

東京向きの大跳び

瞬発力頼みで加速に一息。

極端なスローで不安

ゾロアストロ

(T.マーカンド)

重賞3着の実績十分。

距離延長で真価

前走折り合い難。

序盤力むようだと失速懸念

ライヒスアドラー

(佐々木大輔)

新馬戦3馬身半差圧勝。

鋭い決め手

キャリア1戦のみで経験不足。

いきなり重賞で壁も

パントルナイーフ

(C.ルメール)

2戦目で完勝し成長◎。

折り合い優秀

切れ味勝負になると

決め手で見劣る可能性

ローベルクランツ

(松山弘平)

夏の中京2000m未勝利を

1番人気圧勝

3か月ぶり実戦で仕上がり微妙。

瞬発力勝負不安

サレジオ

(A.プーシャン)

良血開花の余地大。

調教で状態↑

気性に幼さ残る。

多頭数の激戦で揉まれると課題

テルヒコウ

(坂井瑠星)

前走楽勝で潜在能力高。

折り合い〇

初の左回り&重賞挑戦。

相手強化と輸送で不安

ストームサンダー

(戸崎圭太)

OP勝ち経験あり。

末脚確実で安定

気性難ある。

長距離輸送と初の東京コースが課題

コッツォリーノ

(横山典弘)

前走2000mを逃げ切り勝ち。

スピード◎

相手大幅強化で厳しいか。

展開ハマらねば粘れない

チュウワカーネギー

(北村友一)

東上経験あり(東京G3 5着)。

折り合い◎

決め手で一線級に劣る印象。

速い上がり勝負は苦

ラストスマイル

(杉原誠人)

東京1800mで速い

上がり33秒台で勝利

キャリア浅く緩さ残る。

一線級相手で力関係未知

リネンタイリン

(内田博幸)

5戦経験豊富。

展開ハマれば差し有

使い詰めで上積み疑問。

短期続戦の反動リスク大

今年のメンバーを見ると、デビュー戦を圧勝した無敗馬が複数いる一方、オープン特別勝ちや重賞経験馬も存在し、素質 vs 実績の図式だ。

人気はダノンヒストリーが集めそうだが、他にも拮抗した実力馬が揃っており一筋縄ではいかない。

各馬の詳細な評価と最終追い切りの様子を、次節で一頭ずつ確認していこう。

ダノンヒストリー (牡2、美浦・堀厩舎)

名門・堀厩舎が送り出す超良血馬で、初戦(東京芝1800m)を2馬身半差の楽勝。

しかも勝ち時計1分46秒8(良)は昨年の同条件新馬戦最速タイムに0.1秒差まで迫る優秀な内容だった。

父エピファネイア×母コーステッド(米G1馬)という血統背景からも将来性は折り紙付きで、「将来のダービー馬候補」との呼び声も高い存在だ。

前走はスローペースを楽にハナへ立ち、終始リズム良く運んだ末での快勝だった。

今回はメンバー強化かつ展開次第で他馬にマークされる立場になるが、それでも能力値は抜けたものがある。

ただし懸念がゼロではない。

堀調教師によれば加速にワンテンポ時間がかかる面があり、折り合いがつき落ち着きを増した半面、瞬発力勝負になった際にズブさを見せる可能性が指摘されている。

実際、最終追い切りではレーン騎手騎乗でウッド5F67.1秒(終い11.3)と鋭く伸びた反面、併せ馬に0.1秒遅れる場面もあった。

これは攻めをセーブした分とも取れるが、瞬時のキレ比べは課題として残るだろう。

持ち前のポテンシャルの高さはメンバー随一で、本命視に値する。

よほど展開が極端に向かない限り、馬券圏内を外すシナリオは描きにくい。

ただし単勝オッズ2倍前後の断然人気が予想されるため、期待値との相談になる。

勝ち切る地力は十分だが、瞬発戦になりすぎた時に差されるリスクは頭に入れておきたい。

ゾロアストロ (牡2、美浦・宮田厩舎)

前走のサウジアラビアロイヤルカップ(G3、東京芝1600m)で3着に好走した実力馬。

新潟の未勝利戦(芝1800m)を上がり最速で差し切り勝ちしており、距離1800mはベスト舞台と見られる。

父モーリス譲りの持続力ある末脚が武器だ。

鞍上のマーカンド騎手からも「1800~2000mの方が競馬がしやすい」というコメントが出ており、今回は条件好転が見込める。

前走は初のマイル戦かつ重賞で序盤からポジションを主張した結果、ペースが落ち着いた局面で折り合いを欠いた。

伸びきれずの3着とはいえ、勝ち馬と0.2秒差なら悲観する内容ではない。課題だった折り合いに関して、陣営は「序盤無理せずリズム重視で運べれば力を出せる」としており、今回は距離延長と長い直線で自身の競馬に徹しやすいだろう。

追い切りではマーカンド騎手が2週続けて跨り、最終もウッド6F84.3秒(馬なり)で軽めに仕上げつつ「馬がハッピーに走って能力を感じる」と好感触を掴んでいる。

実績・距離適性から見て有力な対抗格だ。

人気も2番手想定で妙味は薄めだが、ダノンヒストリーに次ぐ勝負軸として信頼できる存在と言える。

折り合い面に不安が残るものの、逆に序盤から無理に出さず腹を括れば持ち前の鋭い決め手が活きるはず。

ダノンとの直接比較では決め脚の質で見劣らないだけに、展開ひとつで逆転のチャンスも十分だ。

ライヒスアドラー (牡2、美浦・堀井厩舎)

新馬戦(中山芝1600m)を3馬身半差の圧勝で飾った上がり馬だ。

上がり3F33.1秒の末脚はメンバー中でも屈指で、鞍上が「途中遊ぶ余裕があった」と語るほど完勝だった。

父シスキン(英2000ギニー馬)譲りの瞬発力に、母系は重賞馬クライリングという血統で、将来性は高い

デビュー戦の内容から一躍POG人気も高まった注目株である。

デビューが6月だった馬が多い中で、本馬は9月デビュー組だ。

データ上有利と言われる“9月組”に該当し、実際ここにきてグンと成長している可能性がある。

一方でキャリア1戦のみでの重賞挑戦は異例であり、相手比較の材料が乏しいのも事実だ。

中間の追い切りは1週前にウッド6F82.2秒(終い11.1)と鋭い動きを見せたが、最終追い切りの具体的な時計は公表されておらず調整経過は読み取りにくい。

輸送を考慮して軽めにとどめた可能性もあり、仕上がり自体はキープできていると見たい。

東京へのコース適性については未知数だが、切れ味重視の馬だけに広いコースは歓迎だろう。

問題は初めて対戦する強豪相手に揉まれた時どうかで、まだ若い佐々木騎手が重賞の流れに乗れるかもポイント。

「ポテンシャルは高いが経験値不足」という評価に尽きる。

能力面では勝ち負けできる素材だが、やはり一戦一勝で重賞を即通用させるのは簡単ではない。

データ的にも前走新馬戦のみで挑んだ馬の成績は芳しくない例が多い。

ただし過去の傾向を覆す大物が現れるとすればこの馬かもしれない。

人気は3~4番手で妙味があるラインなら、紐には必ず押さえておきたい存在だ。

頭まで突き抜けるには展開や他馬の凡走といった助けも必要だろう。

パントルナイーフ (牡2、美浦・木村厩舎)

ルメール騎手騎乗の関東馬で、2戦1勝。デビュー戦(東京芝1800m)は折り合い抜群に先行し2着、続く中山芝1800m未勝利戦で順当に初勝利を挙げた。

レースセンスが高く無駄のない走りが特徴だ。

馬名「Peintre Naïf(素朴派)」が示すように派手さはないものの、レース運びの巧さと安定感に定評がある一頭。

前走は1.1倍の断然人気に応えて楽勝、勝ち時計1分50秒0(稍重)は平凡だが着差以上に余裕ある内容だった。

折り合いに課題がなく終いも確実に伸びる点は、このメンバーに入っても武器になりうる。

追い切りでは1週前に7Fから長めに乗り込み、最終もウッド6F83.3秒と入念。

調教当初は硬さがあった馬体も、乗り込みを重ねるうちに解消されてきたと太田助手も評価している。

メンタル面も含め着実に成長中と言えるだろう。

一方で他の有力馬と比べると決め脚の爆発力で一段劣る印象も否めない。

実績馬相手の瞬発力比べになれば分が悪い可能性があり、展開の助け(持続力勝負)が欲しいところだ。

安定した先行力と勝負根性で、重賞でも大崩れしないタイプと見る。

人気も単勝オッズ一桁台前半と評価されるだろうが、連下候補としては非常に信頼できる存在だ。

反面、他に強力な末脚自慢がいるメンバー構成では勝ち切りまではあと一押し足りない可能性もある。

馬券的にはヒモの軸や3連複の相手として◎、単勝で狙うならオッズとの相談が必要だ。

ローベルクランツ (牡2、栗東・小林厩舎)

サトノダイヤモンド産駒で、夏の中京開催(芝2000m)未勝利戦を1番人気で逃げ切り勝ちしている。

2戦1勝で、唯一敗れたデビュー戦(新馬・2着)も勝ち馬とクビ差接戦だった。

安定した先行力が売りで、長めの距離でもバテないスタミナを感じさせるレースぶりだった。

最後に実戦を使ったのは8月中旬で、今回は約3か月のブランク明けとなる。

前走勝利後は放牧でリフレッシュし、満を持しての重賞挑戦だ。小林調教師のコメントでは「前走後も飼葉食いが落ちず順調。

1週前にビッシリ追ったので直前は調整程度」とのことで、調整は計画通り進んだようだ。

ただ、大きな上がり目材料も乏しく、他の上位馬との比較では瞬発力勝負で見劣る懸念がある。

逃げ・先行策で持ち味を活かしたいところだが、本馬以上に先行力のある馬(コッツォリーノ等)もおり、展開利が得られるかは微妙だ。

休養明けで相手も一気に強化される今回は評価を下げざるを得ない

スタミナと粘りは通用しても、一瞬の切れ味勝負ではトップクラスに届かない可能性が高い。

好位から粘って掲示板確保くらいはあっても驚けないが、馬券圏内となると相当展開の助けが必要だろう。

人気も5番人気前後と中穴の域なら押さえまでで十分という判断だ。

サレジオ (牡2、美浦・田中博厩舎)

Salesio の馬名が示すとおり人名由来で、母サラキア(重賞馬)の血を引く良血馬。

新馬戦(東京芝1600m)を勝ち上がってここへ直行してきた。

レースではパドックで幼い面(発情気味の素振り)を見せ、直線ではヨレるシーンもありながらも勝利しており、粗削りだが非凡な素質を覗かせた。

近親には重賞ウイナーが多数いる良血背景も魅力だ。

キャリア1戦のみで、今回は初の1800m戦となる。

ただ血統的には距離延長はむしろプラス材料だろう。

調整過程では、1週前追い切りで美浦ウッド6F79.8秒(終い12.0)と古馬オープン馬相手に先行同入の負荷をかけ、最終もウッド6F82.9秒(終い11.4)を馬なりでマーク。

騎乗したプーシャン騎手が「先週とは比較にならないグッドコンディション。馬体も素晴らしく、直線の反応も優秀」と絶賛するほど状態は急上昇した。

田中博師も「体重は前走比+20kgほど成長。潜在能力は高くメンバー中でも上位」と手応えを掴んでいる。

気性面の幼さは残るが、それも成長途上ゆえで悲観材料ではない。

前走内容だけでは力量比較が難しいものの、伸びしろ込みで怖い一頭だ。

調教気配の良さから一発の可能性を感じさせ、人気的にも6番手前後と狙い目になる。

半面、キャリアの浅さから揉まれ弱さやテンション面の不安もあるため、軸にはしにくい。

狙うなら思い切って3連系のヒモ穴として押さえたい存在だ。展開が嵌まり末脚爆発すれば馬券圏内進出も十分あり得る。

テルヒコウ (牡2、栗東・橋口厩舎)

こちらもデビュー2戦目で初勝利を挙げた上がり馬。

前走(京都芝2000m未勝利)を5馬身差の圧勝で、一躍注目を集めた。父コントレイル譲りの大跳びで長く良い脚を使えるタイプだ。

全2戦とも好位追走から抜け出す正攻法の競馬で崩れず、操縦性と心肺能力の高さが光る。

関西馬だが今回は東京への遠征となる。

前走は稍重馬場とはいえ、2歳戦としては破格の上がり3F34.4秒をマークして後続を完封しており、パフォーマンスは秀逸だった。

ただ、その勝利から中5週での東上であり、輸送も含め初物尽くしの環境となる点は気がかり。

幸い坂井瑠星ジョッキーが引き続きコンビを組み、1週前・最終とも栗東坂路で乗り込んでいる。

坂路での最終追いは800m53.7秒(馬なり)と目立たないが、「前走時よりしっかり乗り込めてポテンシャルを感じる馬。直前日曜には左回りコースで負荷もかけた」と助手談。

仕上がり自体は維持・向上していると見ていいだろう。

将来的な大物感はあるが、今回に限れば試金石の一戦となる。

相手関係も一気に強くなり、求められる瞬発力も前走以上。

未知数な面が大きく、正直通用しても不思議ないが凡走しても驚けない。

人気は7番人気前後で中穴となりそうだが、期待値的には狙いづらい印象だ。今回は様子見とし、今後の経験を積んでからの飛躍に期待したい。

ストームサンダー (牡2、栗東・安達厩舎)

こちらは既に5戦を経験している実戦派。

夏の札幌2歳オープン「クローバー賞」(芝1500m)を、未勝利馬の身ながら4番人気で勝利する離れ業を演じた。

ラスト3F最速の末脚で4馬身差の完勝だったことから、一躍脚光を浴びた存在だ。

その後は間隔を空け、この東スポ杯に照準を合わせてきた格好。

レース慣れと勝負根性はメンバー中でもピカイチだ。

クローバー賞勝利以降、直前の出走は無く実質3か月ぶりとなる(間隔表示は中3週だが、これは一度出走登録して回避した影響か)。

調教では栗東CWコースで長めから時計を出し、最終も6F80.9秒(終い12.3)と上々の動き。

「中間順調。体は大きくないがストライドが大きく、想像以上の時計が出た」(助手)との言葉が示すように、軽量ながらダイナミックなフットワークが持ち味だ。ただし5戦して勝ち上がりは1勝のみで、2歳戦としてはキャリアを積みすぎて伸びしろが少ない懸念もある。

また、過去のレースでは気性面の難しさ(行きたがりや入れ込み)も見られ、長距離輸送となる今回はその点も課題となる。

経験値は何よりの強みで、展開不問で堅実に脚を使うタイプだけに大崩れしにくい中穴として一考の余地がある。

実績面もオープン勝ちが光り、このメンバーでも見劣らない。

ただ上位人気馬に極端な凡走がなければ勝ち切るまでは難しく、あって3着までと見るのが妥当だ。

トリッキーな札幌→広い東京へのコース替わりや輸送など不確定要素もあるため、買い目に入れるかはオッズと相談したい。

コッツォリーノ (牡2、美浦・池上厩舎)

前走(中山芝2000m未勝利)で初勝利。

スタートから果敢に逃げてそのまま押し切る鮮やかな逃走劇を演じた。

横山典弘ジョッキーの老練なペース判断も冴え、2戦目で素質開花となった格好だ。

父シルバーステート譲りのスピード能力が高く、展開次第ではしぶとさも見せる。

今回は引き続き横山典騎手が手綱を取る。

キャリア2戦で、未勝利→G2と一気の相手強化となる。

前走はスローペースに持ち込み、直線も後続に影を踏ませぬ完勝だったが、さすがに今回は同型の存在や流石に楽な展開は望みづらい。

調教では「使うごとにピリッとしてきたので刺激を与えず調整した。

予定より速い時計も無理なく出せた」(池上師)とのことで、仕上がりは上々だ。

ただし同厩の先輩馬(昨年2着のガストリック)と比べても力量はまだこれからといった印象で、よほど展開が向かない限り上位進出は容易ではない。

ハナにこだわる競馬しか勝ちパターンがないため、序盤の出方次第では厳しい流れに巻き込まれる可能性も高い。

「展開がハマれば残り目もあるが、基本は様子見」の立場だ。

先行勢が手薄でマイペースの逃げが打てるようなら3着粘り込みの穴はなくはない。

しかし今回は他にも先行馬がいるうえ、G2で通用する地力があるか疑問が残る。

人気も単勝20倍程度と伏兵評価で、無理に狙う必要はないだろう。

チュウワカーネギー (牡2、栗東・大久保厩舎)

馬主に「チュウワ」の冠名を持つ中央馬で、ここまで4戦1勝。

8月の新潟2歳ステークス(G3)で9着、前走のサウジアラビアRC(G3)で5着と重賞を2度経験しており、メンバー中もっとも重賞実績があると言える。

東京コースでの実戦経験も豊富で(2戦)、長い直線での末脚勝負にも慣れている。常に最後は脚を使って差を詰めてくる堅実派だ。

重賞では掲示板止まりとはいえ、大崩れなく走っている点は評価できる。

前走サウジRCでは上位とは差のある5着だったが、勝ち馬がレコード駆けする高速決着の中で自分の競馬に徹し健闘した。

課題は決定的な切れ味に欠けるところで、瞬発力勝負になるともうワンパンチ足りない印象だ。

追い切りでは北村友騎手自ら感触を確かめ、「しっかり我慢が利いて余力十分でゴールできた」と好感触。

大久保師も「動きは良かった。前回輸送でも馬体減りしなかったので同様に調整」と、状態維持に自信を見せる。

既に東京遠征2回を経験しており、輸送慣れも強みとなるだろう。

キャリアと実績では上位勢にヒケを取らないが、逆に言えばこれまで重賞で勝ち切れなかった伸びしろの限界も感じられる。

今回も掲示板争いまでの可能性が高く、馬券妙味も乏しい。

ヒモに押さえる程度で十分だろう。

展開が乱れて持久戦になった場合に3着拾いのシーンはあるかもしれないが、積極的には狙いにくい立場だ。

ラストスマイル (牡2、美浦・本間厩舎)

前走の東京芝1800m未勝利戦を勝ち上がったばかり。

デビューからダート→芝替わり2戦目で2着→芝3戦目で1着と軌道に乗ってきた。

前走は先行策から直線抜け出し、上がり3F33.4秒の切れ味で後続を完封。

着差こそクビだったが、3着以下には4馬身差をつけており内容は強い。

速い上がり勝負に対応できる脚力を示した点は大きな武器だ。

キャリア3戦でまだ粗削りな面がある。

500kgを超える大型馬で素質は高そうだが、走りに緩さ(幼さ)が残る印象も否めない。

今回は初の重賞挑戦で相手強化・流れの速さとも未知の領域となる。

杉原騎手は「広いコースが合うし逃げなくても競馬はできる。まだ緩い部分はあるが素質はかなり感じる」と前向きなコメント。

追い切りでも自身が騎乗し、ウッド6F84.4秒(終い11.9)を馬なりで消化。

「反応が良く好感触」とのことで状態維持はできているようだ。

重賞で通用するためには、さらにもう一段階の成長・破格のパフォーマンスが必要になりそうだ。

未知の魅力は秘めているが、さすがに今回は分が悪いと見る。

勝ち上がった未勝利戦の内容は評価できるものの、それすらも9月デビュー馬のアートバーゼル(アイビーS2着馬)に敗れた経験を考えるとまだ力が足りない。

人気も二桁オッズの人気薄となりそうで、押さえ程度ならともかく大きく狙うのは危険だろう。

リネンタイリン (牡2、美浦・南田厩舎)

なんと本レース最多の5戦キャリアを持つ苦労馬。

新馬戦(福島芝1200m)を勝利後、重賞・OP・1勝クラスと次々と挑戦するも結果は出ていない。

直近では11/8の京王杯2歳S(G2,芝1400m)に出走し7着だったばかりで、中1週という強行軍でここに臨む。

経験値は豊富だが反動が懸念され、正直厳しい戦いが予想される。

前走の京王杯2歳Sでは勝ち馬から0.9秒差の7着。

序盤無理せず後方策から上がりは使ったものの見せ場は作れなかった。

1600m以上のレースでも実績がなく、1800m戦の適性も疑問符が付く。

もっとも前走では道中リズム良く運べていたのも事実で、南田師も「前走後も状態は維持。

距離は延びても展開が向けば持つかも」と一縷の望みを語る。

最終追い切りはレース間隔が詰まるため軽め(ウッド5F73.5秒)で、内田騎手も「リズム良く運べれば」と淡々としたコメントに留まった。

目立った上積みは期待しづらい。

状況から考えて苦戦は必至だろう。

連闘に近いローテーションで強豪相手となれば、馬券的には狙いにくいどころか大きく割引くべき存在だ。

よほど展開が極端に向いて末脚が嵌まった場合に3着に来るケースが“ゼロではない”という程度で、普通に考えれば厳しい。

人気も最低人気級で妙味云々の話ではなく、見送りが妥当と言える。

東スポ杯2歳ステークスの
AI予想記事はこちら

最終追い切りで好調な馬は?

各馬の最終調教(追い切り)からは、レース直前の状態を推し量る重要なヒントが得られる。

ここでは特に動きが良かった馬や気になるコメントが出た馬をピックアップする。

調教で気になった
登録馬まとめ
  • サレジオ
    美浦ウッドで僚馬と併せつつ馬なりで終い11秒4をマーク。
    プーシャン騎手から「先週と比べものにならないくらいグッドコンディション」と絶賛されるほど、状態が大幅アップしている。
    馬体増も好材料で、一週前より明らかに気配良化。

  • パントルナイーフ
    調教前半は硬さを見せたが、ピッチを上げるにつれ改善。
    最終追い切りでは直線強めに追われてラスト1F11秒2の鋭い伸び。
    陣営は「稽古を積むごとに精神面も成長」と手応えを掴んでおり、実戦同様右肩上がりの調整過程だ。

  • ダノンヒストリー
    前走からの成長ぶりが陣営から繰り返し語られている。
    最終追い切りはレーン騎手が騎乗し、5Fから強めに追って反応確認。
    僚馬に僅か遅れはしたものの、終いのキレは抜群だった。
    「新馬戦時より落ち着きが出て脚の使い方が良化した」とジョッキーが評価するように、順調な良化が窺える。

  • リネンタイリン
    上記の好調組とは対照的に、最終追いは5F73秒台と軽めに終始。
    連戦の疲れを考慮し強い負荷を避けた形だが、裏を返せば大きな変わり身は期待しづらい状況とも言える。
    状態自体はキープしているものの、大きな上積みは見込みにくい。

総じて、追い切り内容から評価を上げたいのはサレジオとパントルナイーフ。

また、ダノンヒストリーの成長度にも陣営が太鼓判を押しており不安は少ない。

一方で連戦組や長距離輸送を控える馬には強い負荷をかけられなかったケースもあり、各馬の調整過程には温度差がある。

当日の気配や馬体重の増減もチェックしたい。

馬券戦略と狙い目

以上の分析を踏まえて、馬券戦略を考えてみる。

今年の東スポ杯2歳Sは実力拮抗ながらも、データが示す通り上位人気勢が凡走しにくいレースである。

基本的には信頼できる人気馬を軸に据え、相手も実績馬中心に組み立てるのがセオリーだ。

とはいえ、馬券である以上リターンも狙いたい。

人気サイド同士の決着では配当妙味が薄いため、中穴どころの台頭シナリオも少し織り込んでおくのが良いだろう。

具体的には、単勝1番人気~3番人気のうち2頭を軸に据えつつ、3連複や3連単の3列目(3着候補)に5~8番人気あたりの馬を1頭絡める買い方が有効だ。

これなら人気決着にも穴決着にもバランス良く対応できる。

特に今年で言えば、サレジオやストームサンダー、ローベルクランツといった中穴勢が3着に滑り込むケースを警戒したい。

これらは人気馬と比較すると勝ち切るまではどうかと思えるが、実力差が大きいわけでもなく展開ひとつで馬券圏内に浮上する力はある。

逆に二桁人気の大穴(リネンタイリンなど)はデータ的にも厳しく、よほどの理由がない限り手を広げなくてよいだろう。

馬券種の選択としては、堅い決着を見越すなら単勝・馬単で絞った方が妙味がある。

例えばダノンヒストリーの単勝に資金を厚く投じる戦略や、ダノン→ゾロアストロの馬単1点買いなどがそれに当たる。

一方で配当を狙うなら3連複・3連単で手広く押さえる。

1番人気の信頼度が高いとはいえ、2歳戦ゆえの不確定要素もゼロではないため、紐荒れに備えた3連複フォーメーションは有効と言える。

最後に、タイプ別に推奨戦略をまとめる。

タイプ(ペルソナ) 推奨する馬券戦略と狙い方 根拠・ポイント
本命党(堅実志向)

◎ダノンヒストリーの単勝 or

ダノン軸の馬連・3連複総流し

人気決着濃厚なレースでは本命を信頼し手堅く。

当レースは1番人気の連対率が高いため軸に最適。

ただし配当は低めなので点数を絞る

穴党(高配当狙い)

人気馬+中穴の組み合わせで

3連単マルチ

1~2番人気から1頭飛ぶケースに賭け、

ヒモに5~8番人気を据えて高配当を狙う。

例: 1人気-3人気-7人気の順序入替など。

上位人気が共倒れするケースは少ないため

中穴絡みが現実的

2歳戦は各馬の一戦ごとの成長が著しく、データや実績通りに収まらない可能性も十分にある。

パドックでの気配や馬体重の増減など直前情報にも注意し、違和感があれば購入を見送る柔軟さも必要だ。

また、配当を無理に追い求めて人気薄を狙いすぎると期待値を下げる点もこのレースでは肝に銘じたい。

「勝負どころか見送りか」を判断する基準としては、軸にしたいと思える馬がはっきり存在するかが目安になる。

今回はダノンヒストリーという有力軸がいるため、基本は参戦して妙味を取る方針が妥当だが、仮にオッズが過剰に低すぎる場合(単勝1.5倍以下など)は見送り判断も検討したい。

よくある質問(FAQ)

東スポ杯2歳ステークスで全頭診断を見て勝負するにあたってのよくある質問と回答を用意してみた。

Q1. 東スポ杯2歳ステークスとはどんなレースですか?

A1. 東京スポーツ杯2歳ステークスは、毎年11月に東京競馬場芝1800mで行われる2歳限定の重賞(G2)です。将来のクラシック候補が多数出走し、過去の勝ち馬からダービー馬や三冠馬が誕生していることから「登竜門」と称されます。2021年にG3からG2へ格上げされ、賞金は1着3800万円と2歳戦ではトップクラスです。

Q2. 2025年の有力馬と注目ポイントは?

A2. 最大の注目はダノンヒストリーです。デビュー戦を圧勝した素質馬で、「将来ダービー馬」と期待される逸材と言われています。その対抗格としてゾロアストロ(前走G3で3着)やライヒスアドラー(新馬圧勝)、パントルナイーフ(安定先行型で成長中)などが挙げられます。それぞれ強みと課題が異なり、能力拮抗のメンバー構成になっています。

Q3. 最終追い切り(調教)ではどの馬が良かったですか?

A3. 調教の動きが特に良かったのはサレジオパントルナイーフです。サレジオは直前の追い切りで楽走ながら鋭い伸びを見せ、関係者から「グッドコンディション」と高評価を得ました。パントルナイーフも調教を積むごとに硬さが取れ、終いの伸びが上々でした。人気馬ではダノンヒストリーが落ち着きを増して動き良化。一方、リネンタイリンなど連戦馬は軽め調整で目立たず、大きな上積みは感じられませんでした。

Q4. 穴馬になりそうな伏兵はいますか?

A4. 上位人気が堅実なレースですが、中穴候補としてストームサンダーサレジオに注目できます。ストームサンダーは既にオープン勝ちの実績があり、展開が嵌まれば差し脚で浮上可能です。サレジオはキャリア1戦と未知数ですが良血かつ状態上向きで、一発の余地があります。ただし二桁人気の大穴馬は、過去の傾向からも馬券圏内はかなり厳しくなっています。

Q5. 馬券の買い方はどう組み立てるべき?

A5. 基本戦略は人気サイドを信頼することです。1~2番人気馬の好走率が高いため、これらを軸に据えた馬連・3連複フォーメーションが堅実でしょう。高配当を狙うなら、軸は人気馬のまま紐に中穴を加えると良いです。例えばダノンヒストリーを1着固定、3着にストームサンダーかサレジオを入れる3連単マルチなどが考えられます。無理に大穴まで手を広げず、**「本命+穴1頭」**の組み合わせで妙味を取るのがこのレースのセオリーです。

まとめ

2025年の東スポ杯2歳ステークスは、有力馬同士の激突で見応えある一戦になりそうだ。

総合力トップのダノンヒストリーを中心に、ゾロアストロやライヒスアドラーといった将来性豊かな馬がどういった走りを見せるか注目したい。

レース傾向的には大波乱は考えにくく、堅実な予想で臨むのが得策だろう。

しかし2歳馬ゆえ一戦ごとの変わり身もあるため、直前の気配や馬場状態もチェックしつつ最終判断したい。

馬券に関しては、自分のスタンス(安全策か高配当狙いか)を明確にしてプランを立てることが重要だ。

本記事で分析したデータや各馬の状態を参考に、ぜひ納得のいく結論を導き出してほしい。

良い結果に結びつけば幸いである。

次週以降も2歳戦線は重要レース(京都2歳Sや朝日杯FS、ホープフルSなど)が続くため、本レースの結果や内容を踏まえて今後の予想にも活かしていこう。

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